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欲望という名の電車 #書かずにはいられない

半年くらい前に横浜へ行く機会がありました。

新潟在住の私は高速バスで池袋へ。
そこから電車を乗り継いで横浜みなとみらい近辺のホテルに宿をとったんですが、そこへたどり着くまでの電車の中で見た光景です。

対して、田舎を走る電車の車窓の風景は、のどかなものです。
今の季節、新潟で電車に乗れば、水を張った田んぼと植えたばかりの稲と、点在する集落ばかり。
視界は遠く開け、はるかかなたには雪を残した山々が見えます。

でも、都内やその近郊を走る電車は、違いました。

企業ビルや商業施設、戸建て住宅が密集する中にわずかなスペースを見つけて、線路が通っています。

多くは複線で、両側にホームを設置している駅がほとんど。

ホームは無論、そこを抜けて走り出しても、両側は壁に囲まれていて、目の高さより低い街中の風景は見えません。

目の前にはほぼ、ビルしか見えない。
正確に言えば、「広告」しか見えません。

車窓から見える位置に自社の看板を掲げるのは、資本主義社会を生きる企業にとっては当然の選択です。

私の目には、これでもか、と言わんばかりの数の広告が間断なく飛び込んできます。

「綺麗になりましょう!」
「スキルアップに励みましょう!」
「資産を増やしましょう!」
「心と体を開放しましょう!」
「資格を身につけましょう!」

車窓の風景は、すべて”欲望を喚起するため”に、そこにありました。


私はムラで生まれ、町の高校へ行き、都内の大学へ行っていました。
その後は地元に戻り、公立高校の教員になって30年以上が過ぎたわけです。

ここ数年は、年に1度、首都圏に出るかどうかです。加齢のせいか地元を離れるのがおっくうになりました。ネットの普及で自由度が高まったことも影響していると思います。

昨日も電車に乗りましたが、田舎の車窓に見えるのは、広告とは縁遠いものです。誰も、何も私の欲望を喚起しようとはしません。

ふと思いました。

(都会に住む人たちは、電車に乗るたびに、街を歩くたびに、欲望を喚起させられているんだろうか?)

生活の至るところに「現代を生き抜くための指針」が示されている時、私は何を思うだろうか?

地方都市に住む私のような人間でも、一丁前に人生に対して不安を覚えることはあります。それは、ネットを中心とした限りない情報の渦に巻き込まれているからです。

でも、ひとたびPCから離れてしまえば、不安はいったん姿を潜めます。毎朝愛犬を散歩に連れていく時、視界に広告は皆無です。

田舎者は、リセットが利きます。情報への、それはつまり不安へのいざないですが、そこへつながる回路がパチンと切れる時間があるんです。


大学4年の時、初任給のあまりの高さに目がくらんで、新宿にある不動産会社を受けてみようと思ったことがありました。もし採用してもらっていたとしたら、おそらく会社まで片道2時間近くある街に戸建てを購入し、そこから満員電車に揺られながら通勤していたでしょう。

そして毎日、車窓からおびただしい数の広告を見て、欲望を喚起させられていたんじゃないかと思います。

個人特有の欲望は存在しない。
あなたは大衆の欲望するものを欲しがっているだけだ。

よく聞く言葉

車窓の風景には、ムラで生まれ育った私が「都会には住めないな」と思う理由がありました。


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思いつきと勢いだけで書いている私ですが、 あなたが読んでくれて、とっても嬉しいです!