見出し画像

赤坂再考

以下は、2年前の記事の下書きです。結局、また赤坂に戻りました。

赤坂を今月末に離れる。三年住んだ。住み始めた理由は、大使館での仕事が連続した時のために、少しでもストレスを軽減するためだ。所謂(いわゆる)Pied-a-terreで、都心の足がかりとなる小さな住まいだ。

住み始めて途端に太った。それだけ町田からの通勤はきつかったということだろう。座れることはないので立ってメールを打つ。それが体幹トレーニングになっていたとは。土壇場で送られてくるスピーチ原稿は印刷ができず、周囲から睨まれながら小さな画面に打って訳すのは気が引けた。赤坂であれば余裕で印刷できた。(訳については最近のAIの進歩が目覚ましい。)どこも20分で行けた。

三年間の半分がコロナ禍で、数ヶ月、全く住まなかったこともあった。勿体無いとはあまり思わなかった。業務地に近ければそれだけ多くの仕事が取れる。しかし近年は、ほとんどの通訳案件が遠隔だ。大使館のデポルーム(証言録取専用の場所)が長く閉じているので、多くが仲裁案件となるか、或いはグアムに行く顧客もおられた。いずれも遠隔で出来るし、自宅の方が通信回線が速い。それに4月からは大学で教えることになった。