いじめアンケートを誓約書に。大人が受け止める覚悟を(モーニングCROSSオピニオン)

※2019年4月18日出演 TOKYO MX/モーニングCROSSよりまとめ

進級おめでとうございます。入学式、新年度、新しいクラスはどうですか。環境が変わった人も、変わらなかった人も、少しでも「嫌だな」と思う事があれば絶対に無理をしないでください。学校とは、本来みなさんが楽しく学べる環境でなくてはいけません。学校がつらいのは、あなたのせいではありません。

学校の決まりやプログラムは、異なる大勢の人間を効率良く管理するためにあるものです。その中で私達は「みんなで同じ方向を向く事こそが正しい」という錯覚に陥ります。必死に空気を読み、集団から浮かないよう、中途半端な笑みを浮かべたり、わざとはしゃいでみたり。

でもそんなことは、生きてゆく上で必要のないことです。私達は多様性の時代に生きて行くのだから。多様性とは「いろいろなものがあることを認めること」自分を大切にすると共に、他者に寛容になること。学校は空気を読む場所ではなく、将来の選択肢を拡げるための場所。個人個人が、自分にとって勉強になるな~と思うことを吸収するだけで良いのではないでしょうか。

いじめを受けています!と伝える事は、何にも恥ずかしい事ではありません。いじめはいじめる側の心の問題であって、あなたのせいではないのです。家に火をつけられて「火をつけられるなんて、私にも悪いところがあったのかも…」って消防車を呼ばない人はいないですよね。通り魔に刺されて「誰かに嫌われるようなことをしたのかも…」と考えて通報をためらう人もいないですよね。あなたにどれだけの欠点があっても、だからと言って家を燃やしたり、ナイフで刺したり、いじめ抜いたり、無茶苦茶な危害を加える行動が正当化される事はありません。被害にあったら、必ず助けを呼んでください。

ただ、どうやって他人に助けを求めれば良いか。これがとても重要です。皆さんが大人に相談する手段として良く使っている「いじめ調査アンケート」ですが、実は、残念なことにあまり機能していません。おととしの5月に兵庫県で小学5年生の女の子が「囲い込みいじめ」で自殺した時も、複数の児童が「仲間外れにされている」とアンケートを書いていましたが、学校は「様子を見る」として何もしませんでした。https://www.asahi.com/articles/ASM4H5CPVM4HPIHB00W.html

※囲い込みいじめというのは、グループから抜けられなくするいじめの事です。「私たち友達だよね~」と言いながら、数人が1人に粘着していじめ抜き、他のグループの子との接触を禁止します。クラス全員から無視じゃなくグループ内にいるため、多少いじめっぽい現場が目撃されても「仲間内のトラブル」と思われるだけだし、先生からも「グループに入っているから問題ない」と放置されてしまいます。でもこれは常に誰かに監視され、自由に息をする事すら許されていないということ。四六時中、いじめっ子に粘着されて、全ての行動を監視されて笑われているのです。どれだけ苦しかったことでしょう。

せっかく複数の児童が、この囲い込みいじめをアンケートで告発していたにも関わらず、学校側は「様子を見る」と言ったきり、何もしませんでした。他のグループに睨まれることを恐れながら勇気を出してアンケートを書いた子達は、何もしてくれなかった大人に絶望したと思います。聞くだけ聞いておいて、結局何もする気がないのなら、なぜ、わざわざ希望を持たせるような事をするのでしょう。

「私もイジメをやっと担任に相談できたけど、結局変わらなかった。あの希望が絶望に変わる瞬間を今でも忘れられない。希望の後の絶望は辛い」と、Twitterで僕のフォロワーさんがツイートしていました。本当にそうだな、と僕も思います。

✩.*˚

去年1月名古屋市で中学1年の女子生徒が飛び降り自殺した際も「力士と呼ばれて無視されていたと聞いたことがある」などのアンケートがあったにもかかわらず、学校の回答は「心身の苦痛を感じるいじめ行為があったとまでは認められません」というものでしたし、(https://www.fnn.jp/posts/5080THK

千葉県で「いじめにかんするアンケート」で、「お父さんにぼう力を受けています。夜中に起こされたり、起きているときにけられたり たたかれたりされています。先生、どうにかできませんか」と助けを求めた小学4年生、栗原心愛(みあ)ちゃんは、あろうことか暴力をふるっている父親にそのアンケートを手渡されてしまい、逆上した父親に殺されてしまうという最悪の結果を迎えました。(https://www.asahi.com/articles/ASM106283M10UDCB018.html

いったい何のために、学校はいじめアンケートをとるのでしょう。いじめ問題に取り組んでいますよという、形だけのパフォーマンスですか。それとも、学校ぐるみで、いじめを隠蔽するためですか。

アンケートを書かせておいて何もしないのは、「話を聞くよ」と言う言葉を信用して、アンケートを書いた子どもたちに対する裏切りです。助ける気がないのなら、優しい言葉なんてかけない方がよっぽどマシじゃないですか。子どもを助ける気のない大人は、最初からいじめアンケートなんて配らないでください。「この大人に相談しても無駄だな」と分かっていれば、子どもは他の大人を探すことが出来たかもしれないのだから。

そこで提案なのですが、今後はいじめ調査アンケートを「学校と子供たちの誓約書」にしませんか?いじめのような、プライバシーにかかわる重大な秘密を書かせるのだから、「必ず秘密は守ります」「必ず味方になります」という誓約事項を入れて、大人がそれを破った場合は、それ相応の責任をとることを明記してはどうでしょうか。

こちらは、弁護士ドットコムで見つけた投稿です。


殆どの学校ではこのような事があっても「学校に苦情を言って、再発防止につとめてもらう」という事しか出来ず、いじめアンケートの守秘義務違反についての罰則等も特に定められていません。子どもがいじめを打ち明けると言うことは、大人が自分の会社の不正を告発するのと同じように、本人の身に危険が及ぶリスクの高い、勇気ある行動なのにもかかわらず。

これでは誰も正直にアンケートを書こうとは思わないし、ますますいじめは見えない場所に潜ってしまう。子どもの秘密や個人情報の取り扱いについて、もう少し深く考えて欲しいと思います。


春名風花🌸

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春名風花

18歳になりました(*´˘`*)

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コメント4件

お疲れさまでした。
いじめはなくなる絶対に。

アンケート、実態調査改善対策の資料もとになるはずが、
ただ実施したというだけの逃げのパフォーマンスになりさがってる。

悲しいこと。
リスクを背負って勇気をもって答えている生徒がいるのに、それをむげに踏みにじる。
勇気と期待の裏切り。
大人のきたない手。

同じ大人として、体が震える。
でも、閉鎖的空間では、助けにいくことはできない。
だから、避難所、いや心のよりどころを用意することしかできない。

学校側の無責任な行動による二次被害。
当事者以外にも疑いも目でいじめが広がる。

学校とはなんぞや。
先生の点数稼ぎ安全な場所ではない。
生徒の安全と社会への適用能力を育てる場所と思っている。

個性を閉じ込めたり強制てきな人間作りの場所じゃない。

軍隊でも養成所でもないんだから。
先生方の免許見直してみてほしい。
教員とはなんぞや。

事務員じゃないんだから。

風花さんの考え、ずっと前から尊重しています。
学校での名前を変えることの件もすごく助かりました。
ありがとう。

私もできることから協力しています。
いじめはなくなる絶対に。
友だちは入れ替わり服は流行り廃る♪
twitterのリプライで学校でのいじめを先生が親に伝えて責任転換したと勘違いして書いてすみませんでした。
教師も完璧な人ばかりじゃないと思うし…守秘義務を強要して先生側に負担がかかり鬱病になる先生もいるかもしれません。
いじめアンケートって学校側でやらないで児童相談所が弁護士やカウンセラーを交えて調査したほうがいいと思いました。
すごい!告発だけでなく提言までできる文章、なかなか見ないです。
尊敬してます。
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