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博多南線·博多総合車両所で見られる車両たち②

今回は、前回の続きで博多南駅のおもしろポイントを紹介していこうと思います。

↓前回の記事はこちらから。


博多南駅とは

博多南駅は、博多駅から延びる約8kmの「博多南線」唯一の単独駅です。駅構造は1面1線。規模としては小さいです。

この駅は西日本一の新幹線車両基地、博多総合車両所の片隅にちょこんと設置されています。

この駅は近隣住民からの要請から「請願駅」として作られました。なので、この路線が周辺地域に与えた影響というものはとても大きく、博多駅までの所要時間がバスで約1時間だったのに対して博多南線では約8分。大幅な時間短縮に成功したのです。

そのこともあり、通勤·通学をはもちろん、休日は博多方面に出かける人にも使われるため、乗降客は毎日たくさん。平日の朝方なんかは狭いホームを埋め尽くすほどの人で賑わっています。

博多南駅のおもしろポイント

博多南駅は、他のところにはほとんど無いような特徴を持っています。それをいくつかご紹介しましょう。

①管轄している会社

この博多南駅は、所在地は福岡県、つまり九州です。それならJR九州がふつう管轄するはずですが、駅名標を見るとJR西日本デザイン。これはどういうことでしょうか?

そう、この駅は九州にあるのにJR西日本管轄なんです。

しかも、九州でJR西日本「単独」の管轄なのは、なんとこの駅だけ。他に博多と小倉にもJR西日本が乗り入れていますが、その2つの駅はJR九州との共用駅です。

これが、おもしろポイント①です。


②運用されている車両

博多南駅がある「博多南線」は、扱いは在来線となっています。在来線といえば、こんな前面が垂直にスパッと切られた感じの車両を思い浮かべるのではないでしょうか。

在来線車両の一例 九州北部の主力 813系
前面が垂直に切られた感じになっている

でも、博多南線の運用車両は一味違うんです。

700系レールスター
500系
N700系7000/8000番台

前の記事でも軽く触れていますが、この3種類が博多南線で運用されている車両です。在来線なのに?

そう、博多南線の運用車両は新幹線の車両なんです。

こうなっているのは、博多南線がもともと博多総合車両所への回送線だったからです。つまり、JR西日本にとっては新幹線車両を博多総合車両所に回送するついでに客扱いをしているようなもの。そういうことがあって、車両が新幹線車両になっているのです。

新幹線車両が在来線区間を走るのも、ミニ新幹線の秋田·山形新幹線を除くとここだけなんです。


③列車種別

列車は、普通、快速、急行、特急などの列車種別で分けられています。在来線には、普通が必ずと言っていいほど存在しますよね。では、博多南線はどうでしょうか。
種別を手っ取り早く確認できる行先表示器を見てみましょう。

博多南線の行先表示器
列車種別は表示されていない

行先表示器には、一切列車種別は書かれていません。博多南線は2駅しか無いものの、種別は一体??

その答えはなんと、全列車特急です。なので、乗車には乗車券の他に特急券が必要です。

でも料金は心配無用。大人でも乗車券200円+特急券130円の330円で乗れてしまうのです。こんなに安く新幹線車両に乗れるなんて、とてもお得ですよね。
そのうえ、グリーン車以外全席自由席なので、追加料金なしで指定席の座席に座れます。いわゆる「乗り得」ってやつですね。
(ちなみに、他の線区と価格は変わらないものの、グリーン券を買えばグリーン車にももちろん乗れます)

特急しか走らない在来線は唯一とは言いませんが、根室本線の一部とここだけとなっています。


④ホームから見える景色

博多南駅は、駅舎に入るとこんな感じになっています。

車両がすぐにお出迎え

改札を通ったらすぐ電車が止まっています。こんな感じで新幹線車両を見られることってあまり無いですよね。

これも珍しいですが、これだけではありません。電車がいなくなったら、こんなものが見えます。
それがこれです。

ホームから見て右側
ホームから見て左奥

そう、ホームに上がれば博多総合車両所に留置されている新幹線車両が見えるんです。

でも、これはまだまだショボいほうです。もう少しスゴいものをお見せしましょう。

この頃は撮るの下手だなぁ···

日と留置線の空き具合によっては、ドクターイエローが見えたりもします。でも、運転日にここに来ても見えないことのほうが経験上多いので、見えたら超ラッキーです。

ドクターイエローより劣るかもしれませんが、運次第ではときどきこんなのも。

できたてほやほやピッカピカの車両です。ちなみにこれは、初めて博多まで来たときのN700SのJ13編成です。
新幹線は、走れば走るほど天井や連結部、床下に汚れがたまり、純白の車体の一部がさび茶色になってしまいます。ですが、そうなる前のピカピカの車体を間近で見られることがあるんです。
今日はどんな車両に巡り会えるんだろう。そういうのを考えてここに行くのも楽しいですよ。

最後に、最高レベルの迫力の写真をお見せします。

見える限りの留置線が一面N700系列の車両で埋まっています。僕が今まで撮影してきた中で、このような光景は一度しか見たことがないです。これを見たときは、思わず「えっ??」と声が出てしまいました。
これからの撮り鉄人生の中で、このような光景を見ることはあるのでしょうか。


⑤ホーム柵の量

鉄道駅には、お客さんの転落防止のためにも柵がよく設置されています。
でも、博多南駅は違います。

見て分かるように、ホーム柵が一切設置されていないんです。

理由としては、通過列車がいないのと、入線のときもあまりスピードを上げていないからだと思います。

なので、普通柵が写り込むようなアングルでも、けっこう後ろまできれいに見えるんです。

柵が無いので後方の車両まではっきり見える

こんなアングルで入線シーンを撮っても、新幹線駅だったら必ずといってもいいほど柵が被るので、なかなか珍しいですよね。

                   

まとめ

まだまだおもしろポイントはありますが、特におもしろいものを厳選して紹介しました。いかにこの駅がおもしろいのか分かってもらえたならばとても嬉しいです。
博多南駅に訪れる機会がありましたら、今回紹介したポイントを意識してみてください。するともっとおもしろくなると思いますよ。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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