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長崎遠征記 中 ~大村車両基地を見学する~

今回は、前回の続きとして、今回の旅のメインである大村車両基地見学をまとめていきます。
前回↓

※一部自分の予想で書いています。なので不正確な点もあるかもしれません。ご了承ください。

大村車両基地へ

前回到着した大村駅

前回、大村に着きました。大村駅からは、シャトルバスで大村車両基地に向かいます。

カウントダウンのボード
3月20日で187日だから、だいたいあと180日弱

シャトルバスの前に大村駅を少し見てみると、待合室にこんなものが。開業までのカウントダウンのボードです。
西九州新幹線開業は、大村でも一大イベントとして期待されているみたいです。

こんなのが配られた

バスに乗る前、受付でこんなのを貰いました。今回の見学の参加証です。このアングルの写真は、めっちゃカッコいいです。

行きに乗ったバスは、少し古めの三菱ふそう·エアロバスでした。長崎県営バスの車両です。
大村駅からの移動中、外に新大村駅が見えました。撮影を試みたものの、上手く撮れませんでした···

大村駅から約15分かけて、大村車両基地に到着。ここから見学の始まりです。

大村車両基地に入る

最初に見えたのは鉄道·運輸機構の横断幕

バスから降りると、大きな坂を登ります。その坂を登り切ったら、まず西九州新幹線を建設した「鉄道·運輸機構」の横断幕がお出迎え。

けっこういろいろしているようだ

鉄道·運輸機構は、上の写真のようなことを行っているようです。あまり名前は聞かないものの、けっこういろいろなことに携わっているんですね。

台振庫

まず最初の見学スポットは、「台振庫だいふりこ」と呼ばれる建物です。台振庫とは、新幹線の車体と台車を分けるための建物です。
これがある理由は、一部検査を九州新幹線の熊本総合車両所で行うためだと思います。大村車両基地は小規模なため、できる検査も限られています。なので、一部の検査は熊本まで持っていってするそうです。

台振庫の内部

台振庫の中は、こんな感じになっています。中央にあるいくつものジャッキが特徴的です。これで車体を持ち上げ、台車を外すようです。

身長より大きなジャッキ

ジャッキは近くで見るととても大きく、何でも持ち上げられそうだなと思いました。

台車のための回転装置

線路には、何やら見慣れない円形のものがありました。これはたぶん、台車の向きを変える装置です。

こんな感じで使われる?

こんな感じで使われるものなんだと思います。台車を移動させることで、台車の検査も容易になります。
人の目につかないような小さな機械も、けっこう大きな役目を果たしてるんだなぁと思いました。

また別の作業スペースが!

左奥には、さっきまでの場所とは違うことをしそうなスペースがありました。人が立てるところが地上ではなく、高いところになっています。

その線路のゲートの外からは架線が延びている

そのスペースがある線路の上には、架線が外から延びていました。1枚目も見ると奥にもゲートがあるため、この建物を超えて外まで走らせられそうです。
各車両の軽い点検をするときなどに使えそうな気がします。実際どうなんですかね。

仕交検庫

次の見学スポットは、「仕交検庫しこうけんこ」。仕交検庫は、車両の検査を行ういちばんメインの建物です。
この中には、お待ちかねのN700SのY1編成がいるようです。

仕交検庫に入ってすぐY1編成はいたものの、しばらくは撮影禁止となっていました。

撮影禁止エリア内では、ふつうホームとかにいても見れない床下機器や台車、ダンパがよく見えました。
まだ本線を高速走行していない車両の床下は塗装がきれいな赤色。これも営業運転が始まると泥などで汚れてしまい、どうしても茶色っぽくなってしまいます。だからこそ、今のうちにきれいなところを見れてよかったと思います。

撮影禁止エリアを抜けると、ついにそのお顔と対面です!

ついにY1編成と対面!

か、かっこいい!
運転台窓周りとノーズ先のエンブレムの黒、床下部分の赤。今まで見たN700Sとはまるで別の新幹線車両かのような装飾に、とても興奮しました!

さっきより近くで

まだピカピカな車体には周りの電灯の光もきれいに反射して、まだ新しいことを示していました。

N700Sのデザイン

比較してみる

東海道·山陽新幹線にもN700Sは走っています。なので、デザインの比較をしてみましょう。
違う点を挙げてみると、

  • 運転台窓周りの黒い塗装の有無

  • ライト周りの黒い塗装の有無

  • 床下部分の色

  • 鼻先のエンブレムの有無

  • 鼻先の文字の有無

  • 側面からのラインの有無

などがありました。前面のデザインだけでこんなに差があるとは···三戸岡さんすげぇ。

外観

そんな三戸岡デザインが凝縮された西九州新幹線用N700S。その外観の写真です。

運転台窓周りの黒い塗装の中にも、金色でかもめロゴと文字があった
ノーズ横にも文字が
Y1の文字はトプナンの証
かもめの文字と長崎行きの表示
車体のだいたい真ん中
ここには赤でかもめロゴが付いている
5号車の6号車寄りには、大きなかもめロゴが付いている
ドア周り
縦向きの「かもめ」と黒から白抜きの案内書き

とても特徴的なデザインでしたね。ここからは、ついに車内に入っていきます!
今回見た車両は、自由席の4号車と指定席の3号車です。

自由席(4号車)

まずは4号車です。

LCDの表示器

車端部のLCD(液晶)表示器です。九州新幹線のN700はLED表示器なので、N700よりも一度に表示できる情報量が多くなり、進化してるなと思いました。

大型の荷物置き

N700Sの特徴ともいえる、大型の荷物置きも車端部に搭載されていました。武雄温泉も長崎も観光地なので、キャリーバッグを持っているお客さんには嬉しいですね。

こんなところにもかもめロゴ

荷物置きの側面には、号車案内とかもめロゴが貼られていました。こんなにたくさんあることから、このロゴをいかに大切にしているかということが分かります。

座席周り

座席は黄色いモケットが張られていました。テーブルは白いようです。

全座席にコンセントを設置

N700Sの座席の特徴の、全席に付いている充電用コンセントです。もちろんこのY1編成も例外ではありません。
ひじ掛けに付いているのは、N700系のように側面下に付いているより便利です。

床の柄

床の柄は、通路と座席部分でガラッと変わります。ただ灰色なので、柄がありつつも落ちついた雰囲気です。

SOSボタンも装備

車端部にはSOSボタンと緊急通話装置もあります。車内の安全性がより高くなりましたね。

デッキ

次はデッキ設備です。

トイレもおしゃれ

トイレです。基本は白と黒の2色で統一されていて、とてもおしゃれでした。
ここにもかもめのステッカーが貼られていました。

こっちは基本白1色

車椅子対応トイレです。こっちは床以外はほぼ白で、ふつうのトイレとはまた少し違う印象を持ちました。

多目的室

多目的室です。ここのシートには指定席のモケットが張られていました。ここはほぼ完全に白統一です。

デッキを抜け、指定席の3号車に入っていきます!

指定席(3号車)

英語表記

自由席は日本語だったので、こっちは英語で。やっぱLCDはきれいだし、色もはっきりしています。

3号車の荷物置き

3号車の荷物置きは、広告スペースも付いていました。その代わりにロゴは省略されています。

指定席の座席
800系をモチーフにしつつも、少し変えているそう

座席です。木の質感が生かされています。
指定席は号車ごとにシートの色が違います。3号車のはベージュでした。

座席の背面
「あれ」が無い

座席背面です。何か足りない気がしませんか?そう、テーブルが付いていません。その分すっきりしている印象があります。

ミニテーブルが付いている

背面テーブルが無い代わりに、隣との間のひじ掛けを開けると、ミニテーブルが出てきます。出すだけとはいえしっかり固定されるので、載せたものが落ちる心配はありません。
ただ、パソコンや駅弁などを置くには少し小さいかなと感じました。

背面のポケット
けっこうしっかりしている

座席背面のポケットは、それなりに容量がありそうです。他と違うのは、網状じゃないところですね。その分、かなり耐久性は高いと思います。
それにしても木の色に黒は映えますね。

外から

今回の展示では、1両だけ外に出ていました。それが見える場所は撮影スポットとして、多くの人が撮影をしていました。

改めて見ると、めっちゃカッコいい!!

やっぱりカッコいいですね!
外に出ている部分は仕交検庫で見たときより遠くから見えるので、ラインの感じなど、いろんなことが分かりました。

前照灯が輝く

こちら側は尾灯ではなく、前照灯が点いていました。こっちは前に進む感じがあって、また違う印象がありました。

車内にも車外にも三戸岡デザインが多数ちりばめられ、独特のイメージを創り出していたN700SのY編成。今回の見学では新車ならではの輝きと匂いを放つ、普通では見られない姿を見れてよかったです。

普段は見れない線路

見学の順路の中には踏切もあり、線路をじっくり見られました。なので、ここからは線路の写真です。

踏切の上から
バラストの感じやカーブするところがいい
ポイント部分
PC枕木は色が違っておもしろい
バラストはまだ灰色で新しいということがよく分かる
何本かの線路
車両基地感がいちばん出ていると思う

ふつうだったらレールをこんな間近で見る機会なんて無いので、なかなか貴重だと思います。しっかり観察できたので、とても満足です。

ここまでで一連の見学は終了です。
この後、参加者はグッズを買うなどして、またバスに乗って大村市街へ戻ります。
帰りのバスでは大村バスターミナルまで向かいました。
帰りのバスは、いすゞ·ガーラ。こちらも長崎県営です。行きのエアロバスよりも新しい車両でした。

まとめ

大村車両基地見学では、ふつう入れないような建物の中や、まだ出来立てのN700SのY1編成の車内などを見る貴重な体験ができました。博多総合車両所でも「新幹線ふれあいデー」というイベントが開催されますが、その時とはまた違う楽しさがありました。

西九州新幹線は9月23日に開業します。それと同時に博多-武雄温泉間に「リレーかもめ」が走りだし、在来線の特急「かもめ」は新幹線にその名を譲ります。
また、並行在来線である長崎本線の肥前山口(江北)-諫早間は上下分割となり、肥前浜-長崎間は電化も廃止されてしまいます。
新しい歴史が始まるのは嬉しいことですが、それとは反対に何かが消えるのはしょうがないことでもあります。ですが何も悪いことはありません。なので、その現実から目を背けず、起きることを認めるのが大事なのかなと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。次は長崎遠征記 下 でお会いしましょう。

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