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"休み"とは

10月になった。昨日、何というか、要するにいま疲れてます、という話を書いた。

そういう時は休めばいいんだ、と思いつつ昨夜は遅くまで仕事のようなことをあれこれして寝た。

朝、起きて、急に調子よくなってドシドシ仕事するぞ! という感じになったら休むのは止めようと思ったが、あいにくそういう感じではなく、とはいえ、昨夜少し頑張ってしまったせいか全然ダメな感じでもなかったので、仕事を置いて出かけるが、ある仕事にかんしては(紙切れ1枚だし)持ってゆこう、ということにした。

妻子は家にいない日なので、ちょうどよかった。

しかし、休みにしよう! という日に、仕事を持ってゆくというのも、ね。休みの日とは何か。自分が「休みだ」と思えば「休み」なのだ。

時間がつくれたら行こう、と思っていた高畑勲展をやっている竹橋の近代美術館へ。こういう時、よく行く場所だ。しかしあの美術館がこんなに混んでいるのを見るのは初めてだったかもしれない(特別展だけ、だったが)。平日の午前中だったのだが。

それなりに楽しめた。知らなかったこともたくさんあった。こどもの頃に何度となく観たアニメの舞台裏もたくさん展示されていた。

背景画を描く人たちの仕事ぶりに見入った。幸いにも背景画が続く付近は混んでなくてゆっくり観られた。なぜか混んでいるのは文字資料があるところだった(みんな読みたいんだな)。膨大な文字量なのだ。そうでなくても当然、読むのには時間がかかる(今日のぼくは読むことをかなり省略したが、読まなくても見れば、いろんなことがわかった)。

高畑勲展は土産物屋コーナーが一番充実しているような印象もあった(そのへんは、近代美術館らしくない)。あれも、これも、よく考えるなぁ、と思いながら何も買わずに外へ出て、いったん昼食をとりに毎日新聞社ビルの飲食店街に行くと、今日から消費税が上がって値上がりしているという話を(店の人から)聞く。

今日のぼくはあまりそういうことに気を取られなくない。まぁ、お互い試行錯誤してやってゆくしかないね、と。こちらもそこへゆき何も食べないわけにはゆかないし、でも、なるだけ安く抑えないと、という気持ちは年々強まってきてもいる。

食べて、再び美術館に戻り、コレクション展を観る(特別展とセットになっている)。そちらは、混んでない。いつも通りだ。

前回、観たのが、たしか6月で、展示内容はそんなに変わっていない。大きく変わったのは日本画の部屋と、写真の部屋と、あと、細々としたところだ。変わったところを中心に観る。

戦争と絵画のコーナーの、松本竣介の2枚は、6月にもあったかな? 覚えていない。くり返し観ている絵だから。

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左の、「Y市の橋」を、ぼくはずっと、くり返しくり返し観てしまう。

Y市というのは、横浜市、だそうだ。

2012年に引っ越してきて、ぼくが住み始めた横浜とは、随分違う。が、どこかで通じているようなイメージを、少し感じているのかもしれない。この絵からぼくは奇妙な静けさというか、思い切って言うと死後の世界のようなものを見る(聞く)ような気がする。

ひと通り観て、ミュージアム・ショップを覗いて、高畑勲展のものはやっぱり何も買わず、でもひとつだけ、目についた、ささやかな自分用のお土産を買う。今日はそういう日なのだ。100円玉を数枚、払う。

神社へお参りに行き、お守りを持ち帰るようなことだ。ぼくはたまに、自分が不調な時に、こういう買い物をする。

それ以外では滅多に買うこともないようなもので。あえて書かないでおこう。ぼくにとっては実用的なものだ。もっと言うと仕事で使えるものであり、いつもの目にするようなところにあるもの。普段づかいのもの。

こういうような"ちょっとした贅沢"を自分に許してあげる日が、ぼくにとっての"休日"になる。

さ、仕事しよう。

(つづく)

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、10月1日。今日は、「魂と繋がっている何か」の話。

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