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#37 Belgian Beer Weekend

#短文雑記
ベルギービール。ずっと書きたかったテーマで、詳しく書きたくてずっと下書きのままだ。それはそれで完成させせたい。

今回はそれとは別に文章を書いている。

ベルギービールウィークエンド

ベルギービールとの衝撃的な出会いは、2018年4月のEU研修の時。たまたま訪れたブリュッセルの店が、酸っぱい壺のビールを出すところで… その当時はとても美味しいとは思えなかった。

たいして興味のなかったベルギービールを「面白い!」と思い始めたのは、EU研修の後、4ヶ月ほどベルギーを離れて、戻ってきてから。2018年の夏以降。

ブリュッセルでは毎年9月にビールウィークエンドが行われる。グランプラスに国内の定番のものから珍しいものまで沢山のビールが集まる。コインを買って入場すると、好きなビールを好きなだけ飲むことができる。

大体のビールはコイン2~2.5で飲める(5枚10€)

今年(2019)の様子

2018年に続き、2019年も参加してきた。

ビールウィークエンド(2019)で飲んだビール

普段はお酒はほとんど飲まないので、これでもかなり飲んだ方。左上から、
・Boonのランビック(ブリュッセル近郊)
・ナミュール(ワロン地方の都市)の白ビール
・名前忘れた
・Bourgogne des Flandres (ブルージュ)
・ベリー系のビール
・カシスのビール(地域わからず)

まだまだ詳しくないけれど、ここ1年で酸っぱいビール(ランビック)のを美味しいと思うようになった。それ以外にも柑橘系の香りがしたり、ポップの味が強く出ていたり、コクがあったりetc.とにかく銘柄によって個性が強く、いつまでも飽きることなく飲める。

詳しくはこの本を読むと良いです↓

土地を反映するビール

すごくビール好きと思われたかもしれないけれど、実は日本ではビール、好きじゃなかった。美味しさが全然わからなかった。
そんな私がなぜベルギービールを好きになったかというと、ベルギーのビールの特徴は”土地の個性”と関係しているから。特にランビックなんかは顕著で、ブリュッセル近郊特有の野生酵母で発酵させていることであの独特な味わいが生まれている。だから材料が同じでも、他の場所で作ったものはランビックとは呼べない。

ワインの味を左右する要素としてTerroir (フランス語で土地を意味する)があるが、土地の特徴が味に反映されるという点ではベルギービールも同じだ。※ただし、すべてのビールがそうとも限らない。

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これは私の勉強していることとすごく関係している。もともと農業景観に興味があって、そのつながりで農産物と土地との関係にも興味があったからだ。

土地特有な農産物やいわゆるローカルフードと呼ばれるものは、その土地の農業の特徴を表している。換言すれば気候や土壌などの土地の特徴を表していると言える。農業景観は、その言葉の通り農業がつくり出す景観だ。農業はそこでの暮らしや文化と密接につながっているから、農業景観がそれらすべてを表すと言っても過言でない。

ベルギービールもそれぞれの土地から生まれた農産物であり、文化でもある。均一・均質化が進む社会の中で”多様性”が叫ばれているが、多様な文化、景観を生む農業・農産物の多様性こそ守るべきものではないだろうか。

少し話は大きくなるが、私たち人間は土着的だ。どこでも誰とでもつながれるし、PCがあれば世界中で同じ仕事ができるようになりつつある世の中だけど、私たちには生まれ育った場所があり、今生きている場所がある。その場所の影響を受けないで生きている人間なんていない。

農業・農産物の多様性を失うことは、人間の多様性をも失うことも意味するのではないかという気がしてならない。だから私は、ベルギービールに興味を持ったし、様々な可能性を秘めていると思っている。

これからもベルギービール文化が続いていってほしい。


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