#71 新しい家計簿

#短文雑記

2020年1月から、新しい家計簿を使い始めた。

新しい家計簿というのは、”1か月楽しく生きていくのに最低限いくら必要なのか”ということに意識的になるためのアプリである(そのために固定費という項目がデフォルトである)。物好きな友人が作ったので、一般ウケする仕様、というよりはニッチなものだ。私は作成者のお金に対する考え方に同意する部分が非常に多かったため、使ってみることにした。

使ううちにお金について(今までも割と気にしていたけど)より具体的に考えるようになったので、今日はそのことについて書こうと思った。

カテゴリー設定

ズバリこの家計簿は、お金に興味関心がある人向けのアプリである(といっても過言ではないよね?)。

というのも、今はキャッシュレス決済した分を自動登録してくれるアプリが普及しており、それで十分だからだ。しかしこの家計簿はいちいち入力する必要があるし、初めにカテゴリーを設定しなければならない。(そこが肝なのだけど)それが面倒な人、あんまり興味ないという人はわざわざ乗り換える必要はないだろう。

カテゴリー設定が重要であるのはなぜか?それはカテゴリー分けによって、お金の使い方に影響が及ぶからだ(カテゴリーを見れば何となくその人のお金の価値観がわかる)。ちなみに私のはこの10項目である。

①固定費
②外食・コンビニ
③食材・食品
④日用品・備品
⑤書籍・学習
⑥学術・研究
⑦交際費・娯楽(嗜好品含む)
⑧経験・旅行
⑨服・美容
⑩臨時・立替

試行錯誤して設定したこのカテゴリー。2か月使ってみて、”今の自分”にはとても合っていて気に入っている。こだわりポイントは「交通費」を設けなかったことだ。

これまでLINE家計簿やマネーフォワードなども使ってきた。しかし「交通費」という項目があることで、正確な支出の傾向がわからずモヤモヤしていた。

例えば、交通費カテゴリーには、会いたい友人と会うための交通費、付き合いで参加する飲み会のための交通費、勉強のための美術館巡りや街歩きにかかる交通費、バイトに行くための(後から返ってくる)交通費、突然の雨で仕方なく乗ったバス代などが含まれていた。

確かにすべて「交通費」である。しかし、これらの質は全て違う。質が違えば必然的に、節約したい月は「付き合いで参加する飲み会の交通費」は節約し、一方で「勉強のための交通費」は自己投資として他の支出を削ってでも確保しようとする。

これらが同じ費目にカテゴライズされてしまうことで積極的に支払いたいもの・そうでないものが混ざってしまうということがモヤモヤの原因で、私にとって交通費が「交通費」として存在する意義は感じられないということだ。

これは一つの発見だった(わかっていたけど家計簿を使い始めて初めて文章にできた)。

ということで、以下ように、何のための交通費かによって振り分けることで落ち着いた。

飲み会の交通費→⑦交際費・娯楽
街歩き→⑧経験・旅行
バイト→⑩臨時・立替

・・・・・・

他にも一見同じように見える「学術・研究」と「書籍・学習」の違いや、「交際費・娯楽(嗜好品含む)」としたことのこだわりについては割愛する。要はこだわったといいたいだけ。

納得度の記録と消費行動

もうひとつ、この家計簿の特徴は”納得度(1~5)を入力するようになっていること”だ。

いつだったか、コンビニで買ったおやつの適当な納得度がすぐに思い浮かばなくて(何も考えずに買ったから)、納得度なしで登録しようとした。そしたらなんと…入力必須項目だった!

これを意図して作ったのかは知らないけど、「え、まじで…ストイックすぎるでしょ」とアプリ作成者の顔が浮かんだのはここだけの話。

しかし、これ以降満足度がはっきりしない(高評価でなく必須でない)支払いは避けるようになった。こんなこと意識したつもりはなかったけど、本当に自然と行動が変わっていたのだ。そして、大きな額ではないが支出額という数字にも表れていた。

カテゴリー設定だけでなく、納得度を意識せざるを得ない状況が行動を変えたのだ。予想外だった。こんなこともあるのね。

固定費

固定費について触れていなかった。これもこの家計簿の特徴である。

固定費には、AmazonやSpotifyなどのサブスクにかかるお金や、家賃などの毎月定額で引き落とされるような費目を登録する。

初めに書いた、1か月楽しく生きていくために最低限必要な額を把握するためのカテゴリーだ。自分のこれを把握することで、身の丈に合ったお金の判断基準ができていくのだろう。

お金にしても、他の何にでも、対象となるものを意識するとそれらにかかわることの判断基準のようなものができる。そうすれば行動も変わるものだなと思った。
そう言った意味で固定費という考え方はいいよね。

型・ルール

行動も変わるということに関してもう一つ。

型にはまる、はあまりいい意味で使われないことが多い。しかし、例えば習慣づけたいことの"型"を作ってそれにはまってみるのは意外と良いんじゃないか。型ではなくて、納得度を必ず入力するみたいなルールと言ってもいいだろう。

とにかく、自分を感情以外でコントロールする何かがあればいい。必ずしもアプリを開発するなんて難しいことじゃなくていい。

日々の生活を快適にしたり、仕事や研究をうまく進められるような型とちょっとしたルール、自分にとってのそれはなんだろう?

今思いつくのは、バイト別に自分の中での制服を決めている事くらい?しかないかも。他にも何か試してみよう。

・・・・・・

昨日から書き始めて一日、気づいたらお金のことや型・ルールについて考えていた。修論が終わって、EU農業のことをぼちぼち調べたり、積読を消化したりしていたけど、お金のこと、生活のことをあれこれ考えるのも楽しい!




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