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Vladivostok(ウラジオストク)〜奥ゆかしさを感じるロシア極東の港街〜1日目

今年の年明けはサラエボだった。第一次世界大戦の終戦から100年。ぼんやり次はどこに行こうと考えていた。ふと、ロシアに行ってみたいと思った。サラエボという普段行かない場所に行けたからこそ、ロシアに行きたい、と思ったのかもしれない。調べたら日本から2時間半でロシアに行けるという。それが、ウラジオストクだ。

ウラジオストクはロシア極東の軍港都市だ。ウラジオストクという意味は、「東方を支配する町」。つまり、その名の通り、ロシアの極東政策の拠点となる軍事・商業都市なのである。かの有名なシベリア鉄道の最終駅でもある。極東ロシア、この言葉にほんの少しロマンを感じ、今年のどこかでいければいいな、と思っていた。

今年のいつか、は意外と早く訪れた。友人がウラジオストクに行ってみたい、と。私にとってはまさに渡りに船。札幌と同じくらいの緯度だから暖かくなってからと思っていたけど、4月に入ると航空券が少し高くなるらしい。なので、3月最終週に行くことにした。平成も終わるし、今まで行ったことのない街へ探検だ。

3月29日金曜日。まさかの3月から異動が決まり、仕事を休むのは少し後ろめたかったが、旅券はとってしまっている。できるだけ迷惑かけないよう調整して、成田に向かった。最悪インターネットは繋がるだろうから、何かあっても対応はできる。

成田に行く時は都営新宿線の馬喰横山から東日本橋に出て、京成のエアポート快速を使う。この日は運が悪く、京急の信号故障の影響でエアポート快速が運休になってしまった。予定より大幅に遅れて、昼前に成田に着く。ゲートが閉まるのは12:25。友人と食べる予定だった刀削麺は諦めだ。第一ターミナルのDゲートでチェックイン。オーロラ航空でウラジオストクまで向かう。

オーロラ航空はアエロフロートの子会社の飛行機だ。この日は70人乗りのプロペラ機でウラジオストクに向かう。

プロペラ機は昨年秋のロンドン〜エジンバラ以来。機内サービスは飲み物だけ。選べるのはお水かジュース(オレンジ、りんご、トマト)。2時間半だから、十分。雲の上に出てからはほとんど揺れずに日本海を渡った。

ウラジオストク空港に到着。2012年に建て替えられたばかりの新しい空港だ。文字がすでに読めない。これをどうしたらウラジオストクと読めるのか。残念ながら旅を通じてキリル文字を解読したい、というモチベーションにまでは至らなかった。きっと次に来た時も身振り手振りで頼むことになるのだと思う。

飛行機が到着したのは17時。入国審査で並んだため、残念ながらエアポートエクスプレスに間に合わなかった。そのため、タクシーで市内まで向かう。タクシーは正規で乗車したい場合は空港真ん中にあるTAXIと描かれた黄色いカウンターで頼む。市内までは1500ルーブル。紙に車のナンバー(注:ナンバープレートのナンバーで車体に描かれている番号ではない)を書いてくれるので車を探す。なかなか見つからないので、立っていた運転手さんに聞いたら、ついてこいとの素ぶり。白タクだったらやだなぁ、と思っていたが、くっついていったら、ナンバープレートの数字がカウンターで渡された紙と一緒。その車の運転手さんだった。よかった。市内までは約1時間。

タクシーに乗り込んでまず目に飛び込んできたのは、日本語表記のカーナビの画面。あれ?って思って、よくよくみると、スピードモニターも日本語。あ、中古車か。右車線なのに右ハンドル。車種はトヨタ。高速を走っている車を見ると、トヨタ、日産、スバル、三菱…日本車だらけ。しかも、見覚えある車検証のシールも貼られている(物によっては「愛媛トヨタ」なんてシールも)。あぁ、日本の中古車がロシアに流れてきてるんだ、と認識。こうやって再利用されているのは車にとっても幸せなことだろう。荒いカーチェイスのような運転を半分楽しみながらの車の旅。日本では絶対ありえないから、外国にきたなぁ、というのを実感する。

ホテルは坂の上にあるOne Seaというブティックホテル。一軒家をホテルにしたのだろう。小さいけれどかわいく清潔な佇まいがとても気に入った。ロシア人は無愛想だ、なんて書き込みを見たけど、そんな人はこの度一人くらいしか合わなかった(最後に空港までのったエアポートエクスプレスのおばちゃん)。

ウラジオストクと日本の時差は+1時間。中国は時差が−1時間のはず。ウラジオストクのすぐ近くが中国なのに、オーストラリアと同じ時間帯というのがとても不思議だった。太陽の位置のせいだろう。

初日はホテル近くのnostalgiaというロシア料理のお店へ。何組か客はいたが、私たちのテーブルの近くにいたのは現地在住の日本人のようだった。どうやら大学教授か何からしい。大学の話をしていた。

ロシア料理といって思いつくのは、ピロシキ、ボルシチ…くらい。この店は日本語メニューがあり、写真をみながら頼めるのがありがたかった。写真をみながら頼んだのはいくらの前菜、魚のスープ、そして餃子。餃子もロシアでは有名な料理らしい。

イクラはとても美味しかった!イクラをのせる黒パンはウラジオストクでは有名なみたい。
スープも鮭やタラが入ってて食べ応え抜群。スープが一番気に入った。ハーブもたくさん入ってて身体が温まる。冬にはもってこいだ。
餃子は肉入りと、じゃがいも+ボルチーニ入りの二種類を頼んだ。ロシアの餃子は皮が厚い。調べたところ、卵と牛乳を一緒に混ぜ込んでいるとか。肉入りは小さかったので食べやすかったが、少し大きなじゃがいもの餃子は炭水化物+炭水化物だったので、一気にお腹がふくれてしまった。少し大味で飽きてしまった、というのもある。

1日目はロシア料理を楽しむことができ、少し街歩きもできてよかった。2日目はもう少しディープなウラジオストクを堪能できるはず。

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