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かばんの中には何がある?

メディアパルさん企画#わたしのかばん、参加します。

今回は(以下引用を)

普段エピソードを募集の企画が多いですが、今回はこのテーマでのイラストや小説なども大歓迎です。ふるってご参加くださーい!

メディアパル様 2024年3月1日 12:12 記事より引用

とのことですので、AIアートを交えてお伽話的な小品を綴ります。それでは以下、参ります。





ずっと、ずーっと不思議だった。お隣のお姉さんはキャリアウーマン風でスタイリッシュなのに、どうしてあんなに鞄だけがごついんだろうって。聞いてみたかったけど、聞けなくて。だって……失礼でしょ?怒るかもしれないし。お姉さんは憧れの人だから、変な雰囲気にしたくないし……

「どうしたの?わたしのかばんが気になるのかしら?」

あ。お姉さんに気付かれちゃった。マズイぞ、どうしよう。

私が何を答えていいか迷っている内に、お姉さんは笑顔を浮かべて1つの物語を語り始めた。


少年は大きなリュックを背負い、歩き始めます。その先に待ち受けるものは—



女の子の瞳は、これから待ち受けるものへの期待で輝いています。


二人は、並んで歩き始めました。海は羽根の様に柔らかく波打ち、猫には羽が生えています。さあ、不思議の国への旅が始まります。


右手には可愛らしい動物たち、左には牙をむき出しにしたドラゴン。希望と不安が両手にありました。


「ねえ、お姉さん」
「なあに?」
「女の子、大きくなっているんだけど」
「ふふ。さて、どうしてでしょう」

お話は続きます。


気が付けば、私は一人で旅をしていた。これからどこへ向かったらいいのだろう。


少女の時間を終えた彼女の心が、オーロラをたたえた空へと昇っていきます。


……聞こえる。これは、彼の……


長い時をかけて、二人は再び出会うことができたのです。


雲は蝶の羽の鱗粉色に輝いています。虹色を讃えた青い空を見上げながら、二人は歩いていきました。どこまでも、どこまでも、真っ直ぐに。ふたり並んで、離れることなく。


「え?おしまいなの?二人はどこに行こうとしていたの?」
「物語の最後はね、あなたが決めていいの。お話のラストシーン、その本当の姿は読者の心に描かれるものなのよ」

お姉さんはそう言ってお話を終えました。パタンとかばんの口を閉じて。

あ。かばんのことを尋ね忘れてしまった。でも、いいや。次にまたお話する理由ができたもの。
私はそう思いながら、お姉さんと別れて家路につきました。


    【おしまい】


拙稿題名:かばんの中には、何がある?
総字数:827字(原稿用紙2枚強)

よろしくお願い申し上げます。

【参加にあたって】
・募集期間:3/1~5/15
・ひとり何回でも、いくつでも!
・エッセイ、イラスト、詩、小説、形式はご自由に
#わたしのかばん のタグをつけてください。
見落としを防ぐため、この記事のリンクを貼ってください。
・参加していただいた記事は、マガジンにまとめさせていただくほか、メディアパルのnoteやX(旧Twitter)でも紹介させていただきます。

メディアパル様 2024年3月1日 12:12 記事より引用

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