惑星のかけら  001


 はじまりのはじまりのとき
 暗い暗い、想像ができないほどとてつもなく真っ暗な
 目を閉じても開けても、その違いのまったくないところにいた。

 その時には目なんてものはなかったのかも知れない。

 そのくらいところに、ずっとずっと長い間
 気が遠くなるほどの長い間ただひとりでいた。

 ある日、どこからか声が聞こえてきた。
 “なまえ”を呼ぶ声が。
  そのとたんに光がやってきて、その暗いところから連れだされた。
 
 そして僕は僕になった。
 
 暗闇以外のものを想像したこともなかった僕は
 はじめてみたその明るさに驚いた。

 なんてすばらしいのだろう。

 はじめて感じたうれしさにこころは躍り続けた。
 そのきらめきにあこがれて、そのようになりたいと、その世界に参加したいと、こころから願った。
 けれど、それになることはおろか、参加することも許されなかった。
 
 そうして僕は、
 それが愛したものを、壊してやりたいと思った。
 汚してやりたいと思った。

 ほんとうにすばらしいものならば、与えてみたいとも・・・

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