サバイバーからの伝言

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ノート

想像力を何処かに置き忘れたのなら、今すぐ引き返して取り戻して

狂ったように唸る風雨の音を聞きながら、小説を書き始めた。

忘れていた記憶を掘り起こす。忘れていたというよりは、奥深くに眠らせていた記憶。鍵をかけて勝手に出てこないように言い聞かせても、ふとした拍子に飛び出して私を困らせる。

そういうものたちを文章にする時、私はいつも創作の力に頼りたくなってしまう。

エッセイや自伝にした方が潔いのは分かっている。私が書いているような虐待の話を、本名も顔も公開し

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あなたがくれた言葉を、次は私が伝えていく番だから

はじめに。本日のnoteは、痛みを伴う内容が記載されています。PTSDをお持ちの方、HSPの方、心身の状態が不安定な方は、そのことを踏まえた上で読み進めてくださるか、ページを閉じるかを決めて頂ければと思います。

青いベランダの手すりを握りしめて、私は一人静かに覚悟を決めようとしていた。終わりにしたかった。何もかもを。

私には、帰りたい場所がなかった。家はあらゆる秩序が破壊された無法地帯だった。

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まだ息継ぎは時々下手くそだけど、とりあえずおにぎりを握ろう

真っ黒な感情に呑まれそうになる時がある。

そのほとんどが、過去に追いかけられている時だ。ひたすらに眠れなくて空を睨みながら朝を迎える。そういう時、手足が変に痺れている。

過去は過去だ。もうとうに過ぎ去ったそれは、ただの記憶に過ぎない。記憶に追いかけられて息切れするだなんてバカげている。そう思いながらも、いざ目の前にその記憶が現れると途端に酸素が薄くなる。

トラウマだとかフラッシュバックだとか

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お腹に食い込んだ縄の痕を、せめて撫でてあげられたら

母のことを、少しずつ書いていこうと思う。

私の母は、貧しい農家の家に産まれた。昔の農家は機械貧乏で、その生活は楽なものではなかった。

漬物だけがおかず。そんな日の方が多かったらしい。味噌をつけて米を食べる。それが日常だったと聞いた。

働かなければ生きていけない。農家であるからには、田畑を耕して作物を育てなければ生活が成り立たない。

ハイハイする赤ん坊を預ける先もない。そこらへんに置いて仕事

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泣いてるだけじゃ世界は変わらないから

今朝、こんなツイートをした。

Twitterは文字の世界。電話みたいに話したり、直接会ってハグしたりすることは出来ない。

でも、究極に優しい世界だと思う。

『わたし、このままだと虐待しちゃうかもしれない』

リアルでこの発言をしたら、おそらく十中八九叩かれる。周りから誰も居なくなって、孤独になる。そして益々追い詰められる。

だからみんな、平気なフリして笑っている。悩んでません、みたいな顔し

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大人の『言っちゃだめだよ』は大声で叫べ

書きたくて書いていたはずのものが、一瞬にして只の毒素の塊なんじゃないかと思う時がある。気楽に書いている時ではなく、フィクションの中にノンフィクションを織り交ぜた時なんかに。

伝えたいことがあって、その想いだとか願いが届くといいと思って書いていたはずなのに。これを読んだ人は、本当にほんの少しだけでも救われるのかな?とか。もっと直接的なメッセージの方が実際は役に立つのかな、とか。自分の中で思考がぐる

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生きる

庭に植えて6年目。今年も元気にチェリーセージが咲いてくれた。割りとすぐに大きくなるので、ばっさり切り戻して株の大きさを調整している。大きくなり過ぎると、隣のワイルドストロベリーが日陰になってしまい、元気が無くなってしまうからだ。

植物と人は、よく似ている。手をかけなければ育たないし、手をかけ過ぎても枯れてしまう。元々強い子もいれば、デリケートな子もいる。

私はマメな方ではないので、ざっくりした

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本音

すごく良いお天気の土曜日。

お日さまはご機嫌に顔を出しているのに、私自身はどうしても浮上出来ずにいた。

理由は分かっている。この時期はいつも、こういう気持ちになる。

Twitterを開いても、テレビを付けても、右を向いても左を向いても、話題は『母の日』一色。

『お母さんに感謝の気持ちを伝えよう!』

そんなフレーズが、そこかしこで流れている。みんなが嬉しそうにその話題に乗っている。感謝の気

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せめて明日の朝まで

経験に意味があるのかないのか。それを決めるのは、周りではなく本人だ。

しかし、周りの人間が

『あなたがいてくれて良かった。ありがとう。』

そう言ってくれたのならば。

あなたの経験には、やはり意味があったのではないだろうか。

私には、二度と味わいたくないと思う類の記憶が多数存在する。その記憶の詳細を此処に記す勇気が、正直未だに持てずにいる。知られたくない、という思い。忘れたい、という願望。

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