マガジンのカバー画像

君たちとの、あれこれ

18
息子たちとの出会い。 息子たちとのあれこれは私の中の奥の方を容赦なく引っ掻き回し、私という人間を生かしてくれた。 *時系列はバラバラです。その時心に浮かんだ記憶と想いを、ありの… もっと読む
運営しているクリエイター

#コラム

【ごめん、ずっとこれを一人でやらせて】

【ごめん、ずっとこれを一人でやらせて】

LINEの着信音がピコン、と鳴った。一人きりの部屋で、でもそのとき画面越しに友人たちと語り合っていた私は、一人ではなかった。

”どうしよう”…か。
咄嗟に湧いてきた感情は、苛立ちだった。同じように「どうしよう」と電話やメールをした私に、あなたはいつだって「仕事だから、あとよろしく」と背を向けたじゃないか。そう思い、苦々しい思いで画面を閉じた。

友人たちに息子が発熱したことを告げ、私の楽しいひと

もっとみる
我が家のキッチンに住むオバケ

我が家のキッチンに住むオバケ

我が家の台所には、時々オバケが出る。

このオバケ、「うらめしや~」と言いたいらしいのだが、どうにも上手く舌が回らないらしく、「うらしや~」だの「うろめや~」だのと呟いてはこう聞いてくる。

「ねぇ、こわい?こわいでしょ?!」

こわいでしょ。

こう聞いてくるオバケを怖がれるほど、私は純粋な人間ではない。ごめんね、息子。もとい、ごめんね、オバケ。

このオバケ、キュウリが大好物である。今夜の我が

もっとみる
【繊細にして大胆な君の瞬発力に鍛えられた、懐かしい日々】

【繊細にして大胆な君の瞬発力に鍛えられた、懐かしい日々】

先日、こんなツイートをした。

「ターザンかスティッチの話にしか聞こえない!笑」という、ありがたい褒め言葉を頂いた。死ぬほど大変だった日々も、喉元過ぎてしまえばこんなにも面白いネタになる。つくづく、息子に感謝である。

今日はこの中の、【田んぼにダイブ】についての思い出話をしようと思う。

◇◇◇

長男が3歳の頃、田んぼの畦道をいつものように裸足でお散歩していた。彼はいつも裸足だった。靴や靴下は

もっとみる
【だからお母さんは、たまに言ってくれる君のワガママに安心するんだ】

【だからお母さんは、たまに言ってくれる君のワガママに安心するんだ】

「大丈夫?」

重い足取りで階段を降りてきた私に、息子が心配そうに尋ねる。偏頭痛や目眩を起こして寝込むことが度々ある私は、しょっちゅうこの言葉を彼らにかけてもらう。

「大丈夫だよ。ごめんね、ありがとう」

そう言いながらふとテーブルを見ると、とうもろこしの残骸が2本並んでいた。サランラップでくるんで電子レンジで6分。以前教えた方法で、弟のぶんも用意してくれたらしい。

長男が、最近前にも増してし

もっとみる