野村美月

ライトノベルを書いています^_^ 普段はTwitterでお菓子やごはんのことをつぶやいています。

ゴディバさんのミントスティックが買えて嬉しかった記念SS 『“文学少女”な彼女が、バレンタインにGODIVA様をご所望です。』

「わたし、ゴディバのミントスティックが食べたいわ。心葉【このは】くん、書いて」
 遠子【とおこ】さんとつきあいはじめてから最初のバレンタインデー。就業後に、職場の出版社からぼくの仕事場兼自宅マンションヘやってきた遠子さんは、満面の笑顔で両手を差し出した。

「意味がよくわからないんだけど」
「ゴディバのミントスティックを知らないの? バレンタインと言えばゴディバでしょう? 宝石みたいな甘ぁいボンボ

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版画展開催記念SS第二弾「半熟作家の宣言~この結婚式が終わったらオレ、初恋の人に告白するんだ」

※『雀宮快斗の追想~あの、光満ちる場所。』と合わせておめしあがりください。

 明日、遠子【とおこ】さんは結婚する――。

「素晴らしい仕上がりだよ雀宮【すずめのみや】くん、これで明日の披露宴での我ら白組男子チームの勝利は決まったようなものだね。遠子ちゃんと井上くんのめでたい席に大輪の白い華を添えようじゃないか」

 遠子さんの上司で、オレも世話になっている薫風社【くんぷうしゃ】編集長の佐々木さん

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“文学少女”番外SS「雀宮快斗【すずめのみやかいと】の追想~あの、光満ちる場所。」

「好きだった人が、もうすぐ結婚するの」

 いつもお日さまみたいに元気な彼女が、淋しそうな笑顔でつぶやいた。
 日坂【ひのさか】さんは、ひ弱だった小学生のオレに作家の道を示してくれた恩人で、初恋の人だ。
 思い出の図書館で司書として働く彼女と運命の再会をはたしたイケメン高校生ベストセラー作家のオレは、今日もまたいそいそと図書館へやってきた。そんなオレが目撃したのは、チェーホフの『桜の園』を手にし、

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版画展開催記念 「“文学少女”番外SS~ぼくと“文学少女”な奥さんの食卓事情」

朝の光に香る菫の花のような笑顔で、彼女は「誓います」と答えた。
「では、誓いの口づけを」
  甘い唇が重なって、みんなのひやかしの声や祝福の拍手の中、“文学少女”な先輩で編集者で恋人な彼女は、井上遠子【いのうえ とおこ】になりぼくの奥さんになった。

 そんなこんなで半年。
 春。

《ぼくらの食卓 其の一》

「心葉【このは】くん、今日は鰆【さわら】の木の芽【このめ】味噌焼きと、あさりと菜の花の

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