残虐ロシアの戦争犯罪

Ⅰ. 残虐な民間人殺戮

ーロシア戦争犯罪の疑い
・キーウ近郊の町や村などで、ロシア軍が組織的に多数の民間人を殺害したとの戦争犯罪の疑いが強まっている。
・ロシアにとっての戦況悪化にともなう露軍部隊の撤退の過程で、ロシアが制圧地域で実施していた”恐怖支配”の実態が明らかになってきた。

ーブッチャの衝撃
・「ロシア軍の兵士は地下室に隠れていた住民を連れ出して、ロシアへの敵対活動の証拠がないかどうか携帯電話をしらべた。連行された人も居れば、射殺された人もいた」と3月末に露軍が撤退したブッチャの住民が占領下の様子を証言。
・短期間でキーウ陥落を目指していたロシア軍は、2.24からまもなくキーウ北西約25kmのブチャを攻撃。人口3.7万人のブチャは数日で陥落。その後約1ヶ月、露軍の管理下の置かれた。
・ウクライナ軍による”解放”後、現地入りした米欧メディアは、破壊された街とともに路上に放置された民間人民間人の遺体を目撃、世界に伝えた。
・ブチャのフェドルク市長は、米CNNの取材に、民間人の遺体には、戦闘員でない子供、女性、高齢者などが多く含まれていたと証言。「プーチンは兵士に狩猟許可と出した」と怒り。
・ブッチャでは拷問の末、近距離から惨殺され路上や地下室に無惨の放置された遺体が400体以上確認され、中にはや腕を後ろに縛られた遺体も多く見つかった。残忍な集団殺戮が報道。

ーナチスの濡れ衣
・ブチャに住む女性は、英ザ・タイムズの取材に、露軍の若い兵士から「ナチスはどこだ」と詰問されたと証言。露軍がナチスと呼ぶ反露勢力の一掃をはかっていたことを示唆。
・ウクライナの捕虜となった露軍兵士が「ウクライナにはナチスが居るとおもっていた」と証言する動画が国営メディアなどで流れ、プーチンのプロパガンダが前線の兵士にまで浸透の様子。
・プーチンはウクライナのゼレンスキー大統領らが第二次大戦中にナチス・ドイツにも協力したウクライナ民族主義者ステパン・バンデラを評価する動きを警戒。ゼ政権をナチスになぞらえる 
・マリューポリで決死の反撃で戦う「アゾフ大隊」はクリミア併合の悲劇に触発されて自主編成された強力な民兵部隊。当初、2~3人のネオナチが居たが今はいない。プーチン政権はアゾフ部隊がナチとして親露派住民の大量殺戮をしたとのフェイク動画を流し、親露派ウクライナ人民を救出するためとして、露軍のウクライナ侵攻を正当化。兵士はこの嘘を信じて戦地に。

ー戦争犯罪批判高まる
・欧米諸国は民間人の虐殺が疑われるロシアを”戦争犯罪”として一斉に非難。
・ドイツショルツ首相「露軍の犯罪を徹底調査。加害者と指示者は責任を負うべし」
・英国ジョンソン首相「プーチンと露軍の戦争犯罪だ。これを否定し偽情報を流しても隠せない
・米国ブリンケン国務長官「露軍の蛮行で毎日起きる。虐殺を常態化させてはならない」
・国連グテレス事務総長「独立した調査で説明責任が果たされることが重要」
・EUミシェル大統領、ロシアに追加制裁を課すべし。

Ⅱ. 国際社会の非難と制裁

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