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寅さん一巡

noteを始めて10年というリマインドが来たので久しぶりにこちらへ投稿

男はつらいよを第1作から見始めてちょうどぴったり1年、ついに50作見終わってしまいました

最初の2作くらいは寅さん出てくるとイライラして仕方がなかった、こんなに迷惑で厚かましくてどうしようもない人はそうそういない

しかし本当に山田洋次監督は凄いもので(もちろん渥美清も)、見進めるうちにどんどん寅さんに肩入れしてしまってました


こういう迷惑などうしようもない人が1人もいない世の中だったら…と思うと、恐ろしいと感じてしまうほど

この世の中に寅さんがいてくれて良かった


中期は流し見していたことも多いけど、必ず一作品のどこかではほろりとさせられ、どこかに自分の人生を重ね、後半作品は満男の成長が我が子の成長とシンクロしてきたり

私は息子にとって父親で母親でおじさん(寅さん)でもなければならないのだわと思ったりして核家族の弊害を憂う


そして後半は明らかに元気のなくなった寅さんを見てなんともつらい

病気や老いは何かがぱったり出来なくなることももちろん怖いけど、普通に出来てたことが出来なくはないが今までの10倍頑張っても今までの1/10しか出来なくなって頑張ったら今までの10倍休まないと回復できない、ということを体感しているところだったので余計に寅さんの辛さが身に沁みる

意地は張っても心の中じゃ泣いているんだ兄さんは


本筋からずれるが、シリーズ途中でとらやにバイトで入ってきた三平ちゃん、ここに新キャラを投入する意味あるのかと不思議だったけど、意味ありましたね、本当に山田洋次はすごい

ちゃんとこちらの会話を聞いていて、さっと手土産渡してくるとか、ボーナスなんぼもろてもええよほんまに


渥美清没後の50作目「さよなら寅さん」も、何年後でも皆年取ってはいても、とらやの人々は皆相変わらず


寅さんが今どうなっているかは全く語られずに終るけれど、元々、寅さんは遠きにありて思うもの

いつも旅に出ていてここにいないことは前からそうだったじゃないかと、ふと思い出させられた、不在そのものが寅さんの存在だったんだから


エンドロールでは歴代マドンナたちとともに昔の元気な寅さんがフラッシュバックして、ニュー・シネマ・パラダイスのラスト、フィルムを観ているトトのような気分でした、何十年もの愛をまとめて受け取ったような


そしてまた2巡目に入りましたが、1作目を久々に見たらまた寅さんに腹立ってきましたわ、エンドレス

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