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2019.9.11 エッセイ日記 *私を見つめて。

仕事中に大雨と雷の音が聞こえた。
定時に仕事を終え、タイムカードを通してロッカールームで、上着を羽織って退社すると、外は路面が濡れていた。
湿度の高い空気が身体を包む。駐車場の小さな水溜まりを踏みつけ、車に乗り込む。
エンジンをかけ、エアコンのぬるい風から冷たい空気になる。フロントガラスの外側は、ワイパーが雨粒を拭き取りフロントガラスの内側は、少し曇る。

家の鍵の調子が悪くなったほうの一本を無くしてしまったので、スペアーキーを作りに鍵屋さんへ。
商店街の外れの小さな店。専門職らしい店。そこは、まるでハリポタの杖のお店を思わせる。

出来た鍵は、銀色で輝いている。職人技だ。
自宅に戻って開けてみる。
夢の扉を開けるように。
カチャ、と開いた時は鍵屋さんに感謝の気持ちが湧いた。
もう一本の鍵も無くしていたら入れないのだから。

先日、マンションの大がかりの工事があり、水が使えない日が続いた。その間、とても憂鬱だった。

今、ベランダに出ると、ヘッドライトを点灯し車のタイヤが雨水をはねる音をさせながら走行しているのが聞こえる。
マンションのそれぞれの家の灯りは、色が違うように、それぞれの色んな家庭がある。
明かりが灯っているだけで、外からみて幸せそうに思う。

その明かりが、途絶えているのだからこころもといない。

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