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20数年間毎日触れてきた「発酵」に今さらながら興味を持ったワケ

「発酵」という世界により興味を持ったのは、一昨年の秋から冬にかけて。
味噌汁や納豆は大好きだからこそ、正直二十数年間ほぼ毎日何かしらの発酵食品に触れていたことになるが、そこまで意識をしていなかった。

深くこの世界に入る前、東北で初めて味噌づくりをした。
1回目は2015年。仕組みを聞きながら、とりあえず言われたまま作業をした形。作る量も半端なかったので、ある意味お遊びの領域。
楽しかったことが記憶に残った。

翌年の2016年も同じ仲間で味噌づくりをした。
要領は分かっていたし、今回はこれまで何十年と作って来られたベテランのおばあちゃん達と一緒だった。
色々教えてもらいながら、これまたみんなで楽しくつくった。

ここで作った味噌は料理の中でいただいていた。
直接的には完成を見ていなかった。

そんなこんなで東京に戻っての秋から冬に変わる頃。一昨年。

どうしようか迷ったのだが、すでに東京で開催予定のイベントはどこもいっぱい。やはり発酵に興味関心がある人が多いのだと感じた。
流れは分かっているし、キットも手軽に入ることだしやってみようと一念発起。しかしながら、想像以上に大変だった。

みんなでつくった2回は、スタートはすでに大豆も茹で上がっている状態だった。
大豆を水で戻し、茹でる。
うちには圧力鍋がなく、大きな鍋もなかったので、大きなフライパンいっぱいに水を入れて、ひたすら人にらめっこをしながら茹でた。
6時間くらいだったかな。
圧力鍋を購入すれば、30分ほどで終わると聞いていたが(今年買おうかどうか悩んでしまう…)。
その後、茹でた豆をひたすら潰すのだ。耳にするだけだと簡単なようだが、量も想像以上に多く、しかも一人でやらねばならないので、途方にくれた。
そんなこんなで潰した大豆を麹と混ぜ甕の中に入れて、重りを入れ、寝かせるのみ。

一人でやるからこそ作業の量はあるが、作業自体は至極単純。
そして半年後にはあっという間に茶色のお味噌と分かるような姿になった。感動とともに自然の威力を痛感した。
色々調べると、麹はカビの一種。ある意味嫌われる一つだけれども、実はそれも人の身体にはいいものもある。

これまでの概念が覆されるような180度変わった視点だった。

作業を通じてこんな感動を日常の中で味わったことがなかったし、日々忙しく過ごす中で、お金を出して簡単に手に入れられる時代、味噌だって五百円もあれば買える。

久しぶりに蘇ったこの感覚。
東北時代に田植えや稲刈り、豚のオーナーになったり、漁師さんの船に乗せてもらったり。一次産業に関わることが非常に多く、いかに自然に生かされているのか痛感させられていたこれまで。
また、こうやってつくる行程を知ることで、生かされていることに自然と感謝するようになった。

しかしふと東京に戻ってスーパーに行くと、普通にモノが並んでおり、それを手に取って購入することが当たり前になっていて、この感覚が薄れてしまっていたのだ。

何だか自分の感覚の揺らぎに切なくなった。

しかし改めてこうやって当たり前にあることに感謝できるような人でありたいと思ったし、日々の忙しなさで心が疲労する前に、生かされていることを感じることができれば、「私って何だかちっぽけなことで悩んでいたな」と思わせてくれると再確認できた。

たまたまある素材を混ぜたら、別なモノに変化して驚いた。
ある意味、理科の実験をしている小学生なのかもしれない。

「この驚きに人の生活を照らし合わせて、忙しく働く人の心や生活を豊かに選択肢の一つとして取り入れることができないか?」今はそう感じている。

味噌づくりは一日半あればできるし、半日は大豆を寝かせておくだけでいい。その間外出もできる。

別に購入せずつくることがいいわけでもないし、私だって全て手作りという完璧な日々を過ごしているわけでなはい。
しかし、365日のうちたった1日半この時間に割くだけで、これまでの生活にまた少し違った見方を与えてくれるのかもしれない。

少なくとも私はその一人。
完全に味噌づくりにハマり、そこからさらに発酵の世界へと入っていった。
(たまたま会社の仕事でも発酵のお仕事をさせていただくことに…)
色々振り返ると、味噌だけでなく納豆、キムチ、ぬか漬けも発酵。
これらも幼少期から大好きで、よく食べていたことに気づく。

発酵の恐ろしさたるや。。

少しアンテナを張るだけでまた新たな世界が見え、何か私だけに留めておくことももったないと感じるようになり、今に至る。

具体的にはこの前の投稿かな。

私自身OLとして日々忙しなく働く中で、同じように働く人たちに向けて、「発酵を生活の一つに簡単に取り入れることで心や生活が何か豊かになれる」そんな提案をしていきます。

最近の私のマイブームはマグカップに自分でつくったお味噌を入れ、白湯を注いで飲むこと。
正直潰しきれていない豆も若干残っているけれど、それがさらにほっこりするのです。

ありがとうございます。今の私はたくさんの人生の先輩方にお世話になったからこそだと感じています。いただいたサポートでは、後輩が迷った時に話を聞く際のカフェ代に恩送りさせていただきます。