レモン -20

祝!随筆レモン🍋20章!かわいいイラストお借りしました!

アマチュアとプロについて

従来の考えでいけば、趣味で小説書く人間がアマチュアで出版社による商業出版を経ている人間がプロということになるのだろう。
少数精鋭の作家を、莫大な広告費をかけて宣伝し、持ち上げ、大文豪に押し上げて、その人に次を次をと急かして多くの文章を書かせて手っ取り早く収益をえる。従来の作家像にはそんな印象がぬぐえない。

現代のアマチュアと呼ばれる作家はどうか。個人個人がコンテンツとなるSNSやブログの時代で、出版社を経ずともブレイクできる可能性が万人に与えられている。
それが故の、危険性ももちろんある。アニメ化まで確約された作家が過去のTwitterでの発言を取りざたされてすべてが白紙、なんていう悲劇もあるのだ。
いや、誤解を招く表現であった。その作家は私がみてもやりすぎだと思える差別発言をしていたらしく、作品へのインパクトがあったことは当然ともいえよう。しかし、その作品のアニメ化までに作品に携わった人間のことを想うといたたまれない気持ちになる。

所詮は人間性だ、ということである。
大きな事務所が大物タレントの不正をもみ消すような、そんな後ろ盾は我々〝アマチュア〟作家にはない。なにより我々が主戦場にしがちなネット民はそういう臭いに敏感だ。仮に庇ってもらえたとして、露呈すれば炎上の元になる。
ウェブ時代の作家は1人1人がコンテンツであり、逆にいうとそれで完結してしまうのだ。
正しいことを言っていたとして、表現が汚ければ批判にさらされるのは当然である。書籍化され初めて言動に気をつけようと思ったとして、過去にその決意に反する発言があれば誰も信用してくれないだろう。

TwitterなどのSNSは一般公開のアカウントであれば、ひょんなことから〝バズり〟多くの人の目に触れうる。それはウェブ作家にとっては好機でもあり、可能性でもあり、一方では諸刃の剣でもある。
注目度が一定の値を推移する従来のメディアと違い、注目度がゼロから無限大まで飛びうる怖さがある。
我々は、テレビに出ているタレント以上に、規範に関して敏感でないといけない。大きな組織が背を守ってくれているわけではないことを心しなければならない。常日頃の何気ない言動から、ある意味〝プロ〟よりもプロ意識を持っていないといけないのである。

春瀬由衣

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