"Where am I ?"(即興SS)

「今どこにいるの?」

切迫した声は普通に生きていれば一生聴くことのない、自分の声だった。

「ねえ、返事してよ」

鳴ったと思った携帯電話を耳に当てて、そこから音は出ていないことに気づく。

「どこいったの? 私はどうすればいいの?」

そういえば、ここはどこだろう。やけに寒く、空が近い気がする――

ひっ、と喉の奥が鳴るような音で私は後ずさった。眼下には夜景が、そう、車や人の行き来する真夜中の東京があった。そこから身を乗り出す自分が残像のように見える。

どうやってここに来たのかなんて覚えていない。がむしゃらに、私は死のうとしていたんだ。

そう気づくと、身体が震えて仕方がなかった。カチカチと歯を鳴らして私は自分の体を抱く。冷えた身体だ。この体で生きてきたのだ。

この体を、私は悲しめようとしていたのだ――。


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マッハ全開!(ゴーオンレッド)
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春瀬由衣

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