見出し画像

ジェットフォイル撮影合宿in新潟(2024.1.1-1.2)②

翌朝。相変わらず警報が出たままだ。佐渡汽船のそれぞれ1便は欠航になっているらしい。
とりあえず片付けをして宿を出ることにする。

隣のバスターミナルでバスの時間を確認すると、どうやら2便も欠航になってしまったようだ。バスターミナルに運航状況との案内がリアルタイムで表示されるようになっていることにとても驚いた。佐渡汽船の航路が国道として認定されているからなのかもしれない。
ホテルの下にあったマクドナルドもミスタードーナツも休業中。万代シテイビルが全館閉鎖となっていた。動いているのはバス停だけ。外のディスプレイには「SALE SALE SALE」と赤白の飾りがたくさん並んでいるというのに建物は暗いままだ。新春安売り福袋、正月BGMも聞こえずとても寂しい。

結局歩いて港まで行くことにした。昨日と同じ道を明るいうちに歩く。正月休みなこともあって道中のビルはほとんど開いていない。ターミナルまで歩くといつ動くかわからない船のために順番待ちをしている荷物が並んでいた。

冬でもソフトクリーム食べます

お腹が空いたため自動販売機のココアと売店でソフトクリームを購入。濃厚でおいしいソフトクリームだった。
「なんかお金落とすか…って思っても落とせる場所がないな…」
「ここ営業しているみたいなのでおすすめですよ」

フォロワーの方に「万代島鮮魚センター」という場所を紹介してもらった。見てみると今日も通常営業するとツイートが。(ツイートが見つからず誤字か何かで消した模様)10時開店で10時にターミナルからそちら方面にバスが出るらしくさっそく向かうことに。
佐渡汽船ターミナル→ピアBandai前は1駅、停車場という絶妙な場所に降ろされてしまった…
「魚どこ!?」
調べると擁壁の上に建っている建物が万代島鮮魚センターのあるピアBandaiといわれる施設のようだ。
鮮魚センターに到着。10時開店だがすでに客で賑わっている。
中に入ってみると本当に市場のような場所で、魚が魚の形で売っている。流石に魚を姿のまま丸ごと買ってどうにかする力はないため、加工された後の商品を探すことに。とりあえず入口に並べてあるイカ(の姿)フライを1つ。
「あった寿司!でか!…高!」
寿司コーナーを発見。どう考えても持ち帰って家族で食べる量の寿司が並んでいる。小さい寿司を探すと10貫1300円程度の寿司を発見。
奥のほうにはお土産も売っている。とりあえず水を購入し退店。どこかこそこそ食べられる場所はないかと敷地内を歩くと、いちばん奥のほうに休憩と購入したものを持ち込んで食べられるスペースを発見。隅のテーブルを陣取り寿司を並べる。

「まぐろ入ってるって書いてあった。でも赤身じゃないよね。これはいくら。サーモン。イカ?何これ?しらね~~~~まあいいや食お」
寿司を買ったはいいものの何の寿司なのかは全く分からないのである。

「えっうま。見た目的に自分気に入らないと思ったけど柔らかくてめっちゃおいしい。」
「柔らかーー!イカってこんなにおいしいの?今まで食ってたイカフライ偽物だったのか?」
「しっぽまで食える。めっちゃうまい」
「この魚よく寿司で見るけど何の魚か全く分からないんだよな。まあ美味しいからどうでもいいか」
「サーモンうま!溶けた!醤油いらないんじゃないのこれ」
「(口の中でとけて)なくなったんだけど!勝手に消えるな!!」

パックで詰められた寿司がこんなにおいしいとは。買う時(ちょっと高いな)なんて思っていた数分前の自分に謝らせたい。
魚もおいしい、米もおいしい。自分は飲まないが酒もおいしいらしい。
新潟はうまいものしかないのか…?ああこんなおいしいものを毎日食べられるならデブにでもなんでもなる。もうなってるが。

イカの姿フライも本当においしかった。今まで姿フライのことはただのイカの形のせんべいだと思っていたのだが魚介のすり身を使っているらしい。使うものがおいしければ作ったものもおいしい。新潟の常識。

結局あっという間に平らげてしまい、もっと買えばよかったな…と後悔した。
日本海を舐めていた。

静かで人もそれほど来なかったため食後も休憩をしていると、津波警報が解除されたとの通知が。それに合わせて佐渡汽船も運航再開するらしい。
「これは行くしかないでしょ」
歩いて間に合ったのが悪い。

バスで来た道を歩いて帰り、再びターミナル。今日は天気がとてもいい。
乗船待ちのエリアにはすでに列ができていた。両津港発のジェットフォイルは4便、5便ともに満席らしい。フェリーも1等席が残り僅かと表示されていた。
昨日こちらに帰ってきた船がときわ丸だったため、今日もときわ丸だと思っていたらおけさ丸だった。沖だししている間に入れ替わったようだ。
2回目のおけさ丸乗船。天気も良く波の状況も悪くないため酔い止めを飲まなくても快適に過ごすことができた。かろうじて電波が繋がる場所から船舶の位置情報を確認し、近くなってきたら屋上のデッキへ。後は目視で船を探す。

最初にやってきたのはときわ丸。距離がかなりあり、さらに逆光だったためかなり眩しかったが昨日よりは離れていなかったため綺麗に撮影することができた。

いい形の船は形だけで良い

次がつばさ。先ほどまで晴れていたのにちょうど雲がかかって暗くなってしまった。すれ違うジェットフォイルは本当にあっという間にいなくなってしまう。
最後に来たのがぎんが。あっという間に追い抜かれた後一瞬だけ陽が差してきた。あと1分早ければ…

船の写真を撮るには試行回数が足りない。定期航路は毎日運航しているからこそ、季節や時間帯や1日の天気で色々な表情の写真を撮れるのが面白い。
自分程度の人間が1日2日でいい写真を撮れると思っているのがそもそも間違いなのだが…
次回挑戦するときは天気がよく、海が荒れにくく、船の便数も多い季節に撮りに来たい。夏あたりにリベンジマッチを申し込む。

船内散策の時に気が付いたこと。船内でスマホの充電のサービスがあるらしい。
もちろん船室内のコンセントを使ってもいいのだが、共有スペースの部分にもコンセントが用意してあったり、ときわ丸では(案内所に預ける形でも良ければ)充電をしてくれるらしい。
ときわ丸に関しては地震の影響で遅延していたため特別措置だったのかもしれないが。
無理矢理コンセントの近くを確保しなくても充電ができる親切設計。

うろうろしているとあっという間に両津港に着いてしまった。降りる。すでに乗客が並んでいた。折り返しの便に乗るためあまり遠くには離れられないがお土産屋さんを見に行くことにする。昨日は見るだけだったお土産屋さんで佐渡汽船のトートバッグと1等船室の毛布の柄のタオルを購入。トートバックは少し古いようで、こがね丸はおらずときわ丸、おけさ丸、ジェットフォイル三姉妹の他に「あいびす」と「あかね」という船が描かれていた。今はもういないようだがどちらかというと高速船よりの見た目をしている。

待合所の外では昨日の地震の影響か、液状化した通路とずれてしまった歩道のタイルがあり、三角コーンで通路が封鎖されていた。

お土産屋エリアではなく待合所側にある売店でコロネを購入、佐渡ヶ島の方が作っているものらしい。冷蔵されていたがクリームが柔らかくておいしい。昔好きだった「たけのこパン」を思い出した。もう一度買いに行きたい…

帰りの船も変わらずおけさ丸。無事に出港。
昨日とは違い太陽が出ているため、綺麗な夕焼けがお見送りをしてくれる。そして鳥も見送りにやって来た…わけではなく乗客の投げるかっぱえびせんを執拗に狙う。昨日は鳥がいた記憶が全くない。ひたすら写真を撮り、充電がなくなってきたので慌てて席にバッテリーを取りに戻ったのだが…鳥に気を取られすぎて全く気付いていなかった。ジェットフォイルが来ていることに。
デッキに戻って来た時にはすれ違い真っただ中で、あっという間にいなくなってしまった。
やらかした。お前は何を撮りに来たんだ。
かろうじて撮れたジェットフォイルの写真を確認しに座席に戻ることにする。

この便はかなりの乗客がいて絨毯席を確保できなかったため、イベントスペースのテーブルに陣取った。ここの席が良かったのかはわからないが、航海中に強弱はあれど電波が途切れることがなく快適だった。下の階の売店でたこ焼きを購入し、写真を転送しながら休憩。パックのたこ焼きは冷めてはいるが大きくとろとろしていておいしかった。たこ焼き、自分はタコが嫌いだったはずなのだがいつの間にかたこ焼きの中のタコ程度なら食べられるようになっていた。いつからなのだろう。

乗って少しするとTwitterが騒がしい。何事かと見ると羽田空港の事故のニュースが。
自分の見知った場所が燃えている。昨日の今日で色々起きすぎていると思うのだがまだ1月2日である。今年はもう悪いことが何も起きないといい。

暫く休憩しているとときわ丸と反航。自分は暗いところで写真を撮るのが本当に苦手である。軽めに写真を撮ってやめる。
行きの船内で読んだ「よりも新聞(佐渡は東京23区よりも広いよ新聞)」に書いてあった船内の過ごし方に、星空を見るというものがあった。もしかしたら今日は星空が見えるのではないだろうか?しかしまだ明るい。もう少し休憩…

「だいぶ暗くなってきたな?よし」
外に出…「風つよ!!!寒い!!!!!でも星綺麗!!!!」
写真撮影の準備。といっても星にピントを合わせるだけなのだが。三脚もなく強風の船の上でカメラを固定するのが難しい。デッキに座り込んで地面の上に固定するのがいちばん安定しそうだ。
寒い中ひたすら写真を撮る。デッキには誰もいないため好きなところで好きなように撮る。星綺麗なのに誰も見ないのか…

2日目の夜にやっと気づいたのだが、事前に準備していたフィルター類を全部家に忘れていた。結局天気の影響で使う機会がなかったとはいえ、佐渡に行くからという理由で買ったフィルターまでも忘れていた。星を撮る用のソフトフィルターがあればまた違った写真が撮れたかもしれない。無いものを欲しがっても仕方がない。今あるものでいい写真が撮れるように努力をしなければ。とは言ったものの撮りたいものに技術が追いついていないのが現実。道具を使ったほうがわかりやすいこともあるんだな。

写真を撮っていると、進行方向がとても明るい。あれが新潟本土なのだろう。途中何でもない方向に光が見えたのだがあれは船だったのか別の島だったのか。
2時間半の航海で佐渡ヶ島と新潟本土を結ぶ航路の間には何もないため両側には海しか見えない。東海汽船では伊豆半島、途中からは東京湾内を通るため千葉と神奈川に挟まれている。南部方面に降りていけば海しかなくなるがあまり南にはいかないため海だけの景色は新鮮。
とはいってももう寒い。席に戻ることにする。

「本船は先ほど新潟港に入港いたしました」
新潟港に入っただけで到着にはもう少しかかる。下船の準備をしつつ到着後何をするか悩んだものの、駅前に行けば時間つぶしでもお土産でも何でもあるかと気楽に考えいちばん早いバスに乗り新潟駅に向かうことにする。到着は19時頃、帰りのバスの予定は23時過ぎなのだが。

船が港に着いてしまった。降りたくない。名残惜しいがこれでお別れだ。今度は佐渡ヶ島側に宿泊したい。そして写真を撮りたい。今回の旅行で本気を出せば日帰りでも新潟に行けることが証明された(なお体力のことは考えていない)ため、来ようと思えばいつでも来れる。(なお金銭のことは考えていない)最後にターミナルを軽く歩き回り、バス停に向かう。
駐車場が併設されていることもあるからか、あまりバスを使う人はいないようだ。朝に降車場所を見ていた時も送迎の車かタクシーでやってくる人がほとんどで、バスの利用者は少ないようだ。自分はありがたくバスを使わせていただく。結局新潟駅に着くまで乗客は自分だけだった。

降車専用エリアでバスを降りると、1日の早朝に見た「NIIGATA」が虹色に光っているのを見つけた。遠回りになってしまうがゲーミング新潟を撮影。こういった地名のオブジェは流行っているのだろうか?神戸にも似たようなものがあった気がする。
新潟駅に入り構内の売店でお土産を買おうと散策するもお店がほとんど開いていない。シャッターが閉められてしまっている。地震の影響かと思ったが新潟駅の改装に合わせて駅ナカの施設も改装しているらしい。別館は開いていると記載があったので行ってみたものの、開いていたのはビックカメラと100均であった。
あると便利なお店ではあるのだが、流石に今から夜行バスに乗るのに家電を買うわけにもいかず。駅に戻り開いていたNewDaysでお土産を購入。駅の通路の脇にあったベンチで一休み。

駅の案内放送が聞こえるが、特急の発車時刻が現在時刻よりも2時間ほど前の案内がされていた。運休の影響が大きいのだろう。夜行バスは1日夜は運休していたものの自分が乗る予定のバスは運行予定だった。もし1日の日帰りにしていたら…もしバスが動かなければ新幹線や在来線、飛行機も考えていたが無事に帰ることができそうで一安心。次の日も休みではあるため何かが起きても仕事には影響が出ない。

あまりにも寒いため暖かい場所を探そうと歩くとショッピングセンターの入り口部分だけが開いて、座る場所があった。ついでに荷物の整理をする。先ほど買ったやたらと大きいお土産をリュックサックの中に詰め込み、カメラをいれていた小さい手提げに寝る時に使う眼鏡や目薬、飴などを詰めなおす。もう写真は撮らないはず。休憩していた場所にもスタバがあったのだが地震の影響で営業時間が短くなっていた。温かい飲み物を飲みたかったが仕方がない。

帰りの荷物をまとめスマホを充電していると時間になってしまい警備員の方に追い出された。あと1時間ほどなのだがどうしようか。流石にお店も開いていない。
「そういえばバスくる場所わからんわ」
バス停の確認。名称は降りた場所と同じだったためとりあえず降りた場所に向かう。しかし降車専用で乗り場がよくわからない。あたりを確認するとバスが止まっている場所が。バスターミナルかもしれないと確認に行くとメールで添付されたバス停と同じ表示が出されたバス停を発見。バス停の確認はあっという間に完了。かなり寒いがすることもない。幸い座る場所があったため、他人のTwitterスペースを聞きながら時間を潰す。

目的のバスが到着。このバスはディズニーランド行きらしい。買ったときそんな名前のバスだっただろうか?と思いつつ見送ったバスも名古屋方面行を除いてすべてディズニーランド(またはシー)行きだった。やはり夢の国への夜行バスは需要があるのだろうな。夢の国に夜行バスなんて現実的な名前の乗り物がいるか

乗ったバスは行きと同じバス会社、設備も同じ。流石に帰りも隣が空席とは行かなかったが、自分が先に降りるようで通路側の席だった。夜行バスでは休憩時は外に出る主義なのだが隣に人がいると気を使ってしまい外に出られないためとてもいい。
座席にコンセントもついている。大変なのは姿勢だけ。夜行バス自体は昔から帰省で使っているが過ごし方は本当にわからない。このバスは隣の席と柔らかい仕切りで区切られているため、寝ぼけて隣に寄りかかってしまった!なんてお互い気まずい事故が起こらないのが良い。

新潟に来た時と同じSAで休憩をしている。だんだん東京に戻っているのが実感できて寂しい。最初に寄った越後川口SAはレストランが営業していた。夜行バスで体調を崩すとどうにもならないため食事は我慢。バス内での食事はしないでと放送があったため持ち込むこともしない。
行きに見た時と比べて雪が減っていたような気がする。旅行中新潟市内は雨や雪が降ることはなかったのだがこちらもそうだったのだろうか。だが寒いのは相変わらずだ。さっさとバスに戻ることにする。
その後も赤城高原、三芳、と休憩を挟む。三芳に着いた頃には5時を過ぎていた。もうすぐ東京に帰れる。いつか埼玉も観光したい。

サンシャインシティのバス停に寄った後に東京駅八重洲口にて降車。東京はこんなに暖かかっただろうか。バス疲れでどうも体調がよくない。のんびり電車に乗って帰ることにする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?