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輪島キリコ会館@石川県


 先日富山金沢へとドライブに行ってきた。2泊4日。(一泊分おかしいけど気にしない)その時の話をいつものように書き出したら、なんともせわしない。0泊2日でもせわしないのに4日間になれば目まぐるしいのは当たり前か…って事で自分で書いてても疲れたので(笑)ピンポイントにしてみる記録。

 全くキリコというものを知らなかった私は「…ガラス??」って思ってたら、祭りの時に使われる奉燈のことだった。会館に入ると係のおばさまがしばらく一緒にいて、一通り説明してくれた。

 切籠(キリコ)は正式には「切子灯籠」というらしい。神輿とはまた別で、祭りの時の神輿のお供で氏子たちによって担がれる奉燈のこと。大きいものだと高さは12mを超える。さすがにその大きさになると重さも2トンとかになるので100人以上で担いでいたとか。すご…。説明の間椅子に座ってるのもあってずっと上を見上げてた。

 展示してあるものの中には現役のものもあって、それは割と小型で高さ4〜5mのもの。大きいのはもう稼働してないの??と思ったら、「明治の頃から街には電線が張り巡ったため、どんどん小さくなった」との事。あぁ…なるほど納得。しかしこの大きさで街を練り歩く姿は勇壮でシビれただろうなぁ…。

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 展示してある中で写真の左二つが江戸時代末期作のものらしい。へー!すごい!江戸時代かぁ…とマジマジと見ていた私に係のおばさまが「その御神燈がキリコの原型、由来だと言われてるんですよ」と。ちょうど写真中程に見えている竹?にくくりついてる小さいシンプルな灯り。

「なんか火消しみたいですねぇ」
「そうですね、その役目もあったのかもしれませんねー」
決して否定しない、気持ちよくさせてくれるおばさま。プロだわ…

ただ江戸時代末期の作というには二つともすごく綺麗。それを聞いてみるともちろん、定期的に塗り直はしているという。

「代々塗り直しながら使われてるんですよ、この黒く塗られているのは輪島塗=漆です。ここ輪島地区ではほとんどが漆塗りなので白木のままの方が珍しいんです。この漆が塗られているから現在まで保っているんですよ」と教えてくれた。

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これがその江戸時代末期のもの。輪島塗に金箔となんとも豪勢です。左右には龍の彫刻が施してある。続けておばさまが教えてくれた話が、

「こんなこと言うとアレですけど、このキリコが練り歩く時は雨が降ったと言われています。当時、漆職人はたくさん居たけれど仕事があまりなくて、困った親方が白木だったキリコに輪島塗を施すことを提案したんです。それによって漆職人たちは食べていく事ができたので、その降る雨は職人の嬉し涙だとも精巧に掘られた龍の力だとも云われているんですよ」と。

はああぁ…なんとも言えない感慨深い気持ちになった。

公式のHPやパンフレットなんかに載っていない話を聞けたりするのはすごく嬉しいな。そして偶然でもこの記事を読んでくれた方に少しでもお裾分け。

キリコは能登半島の各地で伝わってきているものなので、4〜9月に訪れるとどこかで祭りをやってる可能性が高い。今年は9月22日でもう終わってしまっていたので見れないけど、ぜひ祭りの様子を見てみたい。能登半島の海岸線も興味深かったし何時になるかわかんないけど、今度は能登半島をメインに行ってみよう。



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