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変酒?

ぶらぶらと神奈川県三浦半島の散策へ行ってきました。

三浦にはまぐろで有名な三崎港があって赤身からびんとろから中とろ…それはもう美味しくて段々何かを見るよりまぐろ目当てに行くように…じゃなくて。

三浦の海岸線は奇岩というか斜めに入り込んだ地層が露出していてなおかつ、脆い部分だけが波に洗われて形を変えていたりして、個人的にかなりのお気に入りスポットなんです。海越しの富士山も見れるし。(なんか言い訳ぽい)

なので何度となく行ってる場所だけれど今回も三崎港周辺で歩いてうろうろとしてきました。今回目についたのが

チャッキラコ三崎昭和館 http://chakkirako.com/shouwakan.html

あちこちに立派な蔵が残っている三崎だけどここもそのひとつ。
商家の蔵で江戸末期から平成14年頃まで営業していたお店です。

入り口になっているのがどーん!と立派な蔵。隣には母屋。こちらは明治30年頃に建てられたもの。その奥に続いて大正6年に増築された蔵とさらに昭和7年に増築された座敷があって、明治・大正・昭和と流れてきた時代を感じることができます。(こういうのに弱い)

蔵は北海道でなかなか見かけなかったせいもあって、竹林と並び関東にきてから私の中でテンションアップする二大ポイント。

完全に1人の世界に入って写真を撮る。撮る。撮る。
*撮影可

展示品の一部。
左に見えてるのはそろばん。右にあるのは昔の計算機。

まず数字を一つ一つ合わせてから、写ってないけど右手にレバーがあるので、それを押したり引いたり回したりすると計算ができるらしい。
案内のボランティアのお母さんたちがすごく親切に教えてくれる。ほのぼのしててとてもあたりが柔らかくてあたたかい。なんか嬉しいなぁ。

奥の台所に行ってみると棚の中にザルとか徳利とかいろんなものが展示されてる。目に留まったのがこれ。

家庭用…変…酒??

いやいや。その下に見えづらいけど「麒麟」の文字が見える。麒麟麦酒か!でも家庭用ってなに?やたらシンプルだけど。両サイドにあるのは普通にキリンビールだよなぁ。なんだろ。

って気になったので帰宅してから検索検索。

このラベル、どうやら戦時中のものらしい。
昭和14年に戦争による政府の統制下で物価や原料、製造量まで制限を受け、結果、昭和18年にビールの商標が廃止されることになった。銘柄別のラベルは姿を消し、「家庭用」「業務用」の下に「麦酒」の文字。その下に小さく製造会社名だけになった。その頃のラベルらしい。

はー、こんなの初めて見た。

また、商標の廃止と同時に、びんの共用化も進んだ。その後約20年間にわたって、びんのエンボスに書かれたブランド名と中味が違う状況が続いた。この頃、ビールはすでに配給制となっており、効率よく配給を行うには、ある一つの地域に届けられるビールは、同じ一つの工場で製造されたものであったほうがよい。そうしたもっとも合理的なルートを構築するためには、ビールのブランドや銘柄へのこだわりは不要とされ、容器も統一されたのである。1943(昭和18)年中には用途別の表記もなくなり、「麦酒」とだけ書かれたさらに簡素なラベルになった。

KIRIN 酒・飲料の歴史より抜粋

20年間中身が違った?!そんなことあるの…。

これからどんどん暑くなるし、また仕事終わってからの「ぷはーっ!」が楽しみな季節がやってくる。いろんなメーカーのいろんな味わいで楽しく飲めればそれだけで幸せな気がする。

こうして現在美味しく飲めるのは戦前から厳しい戦中・戦後を凌いで成長させてきた人たちのおかげなんだなー。


まぁ私お酒飲めないけども笑
(気持ちだけはいつも酔っ払いです)






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