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0泊2日の旅_善光寺から小諸

さて前回松本城から星空、雲海まで楽しんだ0泊2日の旅。

雲海を堪能したあと向かったのは長野市善光寺。

前の日に近くにはいたんだけどね…。夜だったし行ってなかったわけで。ここまで来たなら行っておくか!と長野市内へ戻ることに。

雲海と4時間戦ってた私は芯まで冷えてて、平地まで降りてきても防寒ジャケットきてました。そのままコンビニへも行きました。完全に怪しい人です。


善光寺

善光寺へ着いたのは朝7時半くらい。この時間でも結構参拝の方がいらしててジョギングしてる人も多かった。

山門手前にある亀池でハスの花を発見。昭和26年に千葉市の遺跡で見つかった2千年前の種を発芽させた「大賀ハス」らしい。まだこの時期に見れると思ってなかったし、しかもとても花が大きい。私の知ってる普通の蓮の花の倍はある。それも古代から日本人はこの花を愛でてたのか…と思うとなんだか感慨深い。

お寺の境内はほぼ写真を撮っていない。まっすぐに参拝しにいって御堂内は撮影禁止なのでそのまま友達に促されてお戒壇めぐりへ。(いわゆるお胎内めぐり)

奥にある階段を降りていくと一切明かりはなくて真っ暗。入り口に書いてあった案内に「右手で腰の高さの所の壁を伝わりながら歩く」よう書いてある。その通り進んでみるけれどほんと何も見えない。所々柱がぼこっと出てて一瞬焦る、を繰り返しつつ進む。

と、いきなりなにかを掴んだ感触。ガチャッとドアノブを掴んだような音。「なにこれー???」真っ暗で見えないけど後ろにいるはずの友達に声かける。「え、どこどこ?」「ここだよここー」っと友達の手を掴んで触らせる。「あ、ほんとだなにかある」「というか今ねーさんの手触ったのがすごく安心した笑」「あー笑」暗闇で一番前を歩いていた私はさっさと進んでいたらしい。ごめん笑

真っ暗な中を45m歩いていたらしいけど、もっと歩いていたようなそうでもないような。目を開けてても暗いなら目つぶっちゃえ、と閉じるとふと内省してる気分にもなったり。

ドアノブのように感じた「ガチャッ」は錠前らしい。錠前の上がちょうど、ご本尊である善光寺如来様が安置されている瑠璃壇になるそうで、錠前は「極楽の錠前」と呼称されており錠前に触れることで、来世の極楽浄土が約束されるという意味があるそう。

とりあえず来世の極楽浄土をお約束。今世は…(後から教えてもらったのが北向観音というのがあってそちらは現世利益を願うらしい。善光寺だけだと来世だけで片詣りになってしまうから今度はそちらも行ってみよう)

そんなこんなで善光寺を後にして蕎麦屋さんで朝食を。が、9時からオープンでまだ30分くらいある…。どんどん暑くなってきて、長野って暑いんだったっけ…?とかぼけーっと考えつつ蕎麦屋の近くにあったベンチで一休み。

時間になってお店が開いたので一番乗りでお蕎麦を啜る。戸隠が近いのに普通に更科蕎麦をチョイス(なぜ)でもつるつる美味しかった。生き返った。

ごちそうさまでした〜って店を出て
「さぁどうしようか」
「よし、これから戸隠だな」
ってまだ軽口叩く元気あるのね…。笑

が。さすがにそろそろ厳しいので「とりあえず帰り方向へ向かって小諸あたりで一回止まろうか」と移動開始。移動中の車内で「小諸ってなにがあるかなぁ…あぁ小諸城址?はあるけど暑くなってきたから外歩くのはしんどいよね…」とmap見ながら1人ぶつぶつ呟く私。というか最後の最後までどこか立ち寄ろうとしている笑(そしていつもの無計画。その場でだいたい行き先を決める人たちです。)

ブツブツ言いながらmap見てたら「氷風穴」の文字を見っけ。富士の風穴みたいなもんかな??しかも氷なら涼しいよね絶対!とインターからもそんなに離れてないし行ってみることに。


氷風穴

そんなにメジャーな所ではないのだけれど保存会の方々が手入れをされていて、ちょうど集まってたタイミングだったらしく駐車場に車を止めた途端、気さくに声かけてくれた。

「パンフレットもあるんだよ、持ってってね」
「ここから行けばすぐだから」

言われるがままに進んでいくと別のおじさまたちが軽トラックで作業してる。

「パンフレットもらったー??」 もらいました〜!
「そっか、ゆっくりしてってね〜」

その口調とか、なんとも素朴なあったかい感…。知らない土地へ行って、その土地の方と触れ合うのが一番楽しいなぁ。

で、風穴はというと想像していたものとは違った。富士山の周辺にあるのは完全に洞穴の中なんだけどここは冬場にたまった冷気が地面したから礫の隙間を通って地表へ出てくるらしく、岩を積んで囲ってある。

風穴自体に氷があるわけじゃなくて、この辺の集落が「氷集落」らしい。もちろんこの天然の冷蔵庫(氷室)から名前がついたんだとは思うのだけれど

こんな風穴が全部で14あったらしい。現在見学・体感できるのはひとつだけ。この写真のとこは上から見るだけで降りれない。

外気が25度を超えてる時でも風穴内は2〜5度ぐらいに保たれているらしい。ここを屋根で覆って昔は蚕の卵や花、農産物などを保管していたらしい。

こちらは現在見学できる唯一の風穴。手前の青い屋根の手前に降りる小道があって下まで入れる。
と言っても奥は崩れてきてしまって屋根が潰れてしまってるねぇ…。
この青い屋根の手前まで降りた時点で18度!みんな口々に「涼しい!!!」しか出てこない。結構暑かったからね…笑

さらに青い屋根の下まで入ってみた。見ての通り完全に屋根が被っているわけでもなく。せまい…3〜4畳くらいのスペースかな。高さも私がギリギリぐらい(160センチ)

わーあかるーい。そしてこの岩の隙間が大事みたい。地面の下、深くから冷たい空気が出てきて、ここで

気温は3度くらい。おおおぉぉ。快適すぎたこの空間…動けなくなりそう。

すぐ近くにある別の風穴は現在も現役で稼働中。ちゃんと立派な屋根もついてて、保管庫になってるみたい。

保存会の人と思われるおじいちゃんがずっと説明してくれた。ありがとうおじいちゃん。


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そしてここまで書いてきて2,400字超えてしまってる。次に行った場所の事を書きたいのだけど…そんなに読んでもらえるもんなのかな笑 
時間あったらそのまま読んでみてください笑⬇️

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さて、じゃあ寄り道もしたしそろそろ…って思ったら隣の人が「この先に布引観音っていうのがある。行ってみよう」って言い出した。(←来た道戻るのがいやでドンドン先に進みたいタイプの人)

まぁ近いみたいだしそれなら…ってでもmap見たら道ないじゃん!

あー、とりあえずここからだとこの細そうな道を行くのね?この細そうな道を。(右下の氷風穴駐車場から左へとうねうね伸びてる白い道)
進んでいくと道が分岐していて、その先が坂道になってる。しかも道幅は車一台分。

このまま車で降りて行けるかわからないから「ちょっとこの先見てくるね!」っと何を思ったか走りだした私。しばらく行っても先が見えない。目当てのお寺も見当たらない。

暑いんですけど…。蜂かアブかなにかわからない羽音が近くでめっちゃしてるんですけど…。私は石です私は石ですだから刺さないでーとか思いながら降りていくも、道幅は相変わらず狭いしもし対向車来たらかわせる場所もない。

こりゃ無理だな、と諦めて一旦車に戻る。
「無理だと思うよ。先が見えないし対向車来たら避けようないし」
「でもナビだとこの先なんだよなぁ」
「じゃあもう一回見てくる」テケテケテケ

降りて登ってまた降りる。クマでも出そうな雰囲気に怯えつつやっぱり先が見えない。無理だよ、と伝えようと再度戻り始めたら運転手さん2人坂道を歩いて降りてきてる。えぇ…。おかげで私はつい今さっき「無理だな」と諦めた場所まで再々度坂道を降りてく事に。

そうしたらなんだか眼下に駐車場っぽいのが見えて運転手2人の目が「行ける!(車で!)キラーン☆彡」ってなったので車へと戻る。
6回目の坂道を歩く。降りて登って降りて登って降りてまた登って。

なにをしてるんだ私は。

そうしてなんとか辿り着いたのが布引観音があるお寺
正式名称を「天台宗布引山釈尊寺」

布引観音

奥の崖に見えているのは「観音堂宮殿」
鎌倉前期に建造され、現在重要文化財になっている。
この宮殿から右手より岩の上を通りぐるっとまわるルートが昔あったらしい。偶然会った地元の奥様が教えてくれた。

こっちは室町時代初期の建築。おおぉなんかこのお寺すごいね…。

背の低いトンネルをくぐって

宮殿に到着。床が結構ミシミシ言うよ★

宮殿の端っこから精一杯伸びて撮った写真。普段なら絶対怖くてやらないと思うけど、もう感覚がきっとおかしかったんだと思う笑


そして帰宅後に、善光寺に行った時に何度か口にしていた「牛に引かれて善光寺」の伝説の舞台になったお寺だったと知る。

昔、信濃国小諸にケチで性根の悪いおばあさんが住んでいた。
ある日、川で布を洗濯して軒先で乾かしていたところ、一頭の牛が現れて角で布を引っかけ走り出した。おばあさんはその牛を追いかけ、なんと善光寺まで来てしまったという。
日が暮れて牛が入っていったお堂におばあさんも入ってみると、光明に照らされて、牛のよだれが「牛とのみ思いすごすな仏の道に 汝を導く己の心を」と読めた。するとおばあさんの心に仏の心が芽生え、すっかり信心深い人間に生まれ変わってしまった。

後日、近くの観音堂を詣でると、堂内の観音様に牛にさらわれた布がかけてあった。それを見たおばあさんは、牛と思ったのはじつは仏様の化身と知り、ますます善光寺への信仰を深めて往生を遂げた。

この仏様こそが実は小諸の布引観音だったという。

もちろん事前に詳しい事は調べてもおらず、偶然行ったような場所だったのに、この話を後から知ってなんだかちょっと呆然とした。不思議なつながりで0泊2日の旅はやっと終了です。



初めて4000文字も書いた。

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