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『バンオウ-盤王-』第63話「chance」感想 ワインをこぼすだけで笑いが取れるお兄ちゃんは一体なにをする気なんだ…


◆ふたりの竜王

4月26日(金)に『バンオウ-盤王-』の最新第63話が配信された。本来は先週19日に配信予定だったのだが、春夏冬先生の体調不良のため急遽救済となった。完結まであと僅かなので無理をせずに頑張ってほしいです。
なお来週も大型連休の影響からか休載で次回は5月10日(金)配信だが、代わりに超スペシャル対談記事が掲載とのこと。一体誰となんです…?まあ5巻帯に推薦コメントを寄せていた麒麟の川島さんが一番予想できるが。

ポーカーフェイスが砕かれれば、内心このような感情を秘めていたのだとわれわれにわからせてくれる新堂竜王。横顔から見てもサイヤ人めいた将棋への好奇心が分かりやすい。この人も将棋大好きなんだなと闇を疑う必要がなくなった。どのみち悲しい過去持ちではなかったしな、陽のラスボスでいいんだよ!
しかしこのツラがネット中継で公開されるのを初めて見た人は多い層で、二重人格を疑っていたのもわかりみしかない。CMを引き受けるほどだし、女性ファンも少なくはないだろう。意外を超えた意外、黄色い声を更に上げるのかもしれないし、「私だけにこの表情を見せてくれないんですか…!?」と厄介ファンが出てきそうな気もする。

「俺は知っていたぞ。将棋界の都市伝説のひとつだ。新堂竜王にはもうひとつの顔があり、出現率はツチノコレベルといわれている」

しょうぎポケモンとでも思っているんですかね。タイプはもちろんドラゴン、確実にフォルムチェンジ持ち。

わかりやすいビフォアフ。なんか今の感情バクバクな姿(左)のほうが少年漫画のキャラっぽいな。影が入っているせいか闇を感じなくもないんだけど。

◆ピンチはチャンス!

新堂竜王の一転攻勢開幕、防御崩壊でピンチだというのに「俺は運がいい」とサイヤ人メンタルになる月山さんマジ月山さん。もう知ってた案件だし、人によってクドいと感じられるかもしれない。ぼくも「ですよねー」って感想なのでそこまでテンションするほどではなかった。
だが新堂竜王のふたつのスタイルを一局で同時に味わえる運の良さは将棋ジャンキー以外には全く語れないはずだ。月山さんが言うから説得力があるんだ。

大概いつもおかしい気がするんですがそれは。でもピンチじゃないとアンナさんが表情で理解してくれてるのが嬉しい。

かっこいい指し方!なんか技決めた感ある強い指し方がコロコロホビー漫画みたいなケレン味がある!

「ピンチはチャンス」連呼で将棋教室がライブ会場みたいになっているのも変に面白かったが、月山さんと新堂竜王がライバル関係を築いたような清々しい表情なのがすごくいい。もうどちらが勝っても負けても全然マイ・ペンライの精神で、決定的に「楽しい」という空間を生み出しているようだった。観戦者も楽しめているもんななあ。無論、ぼくもつられるように楽しい。良い感じに盛り上がってまいりました。

◆久々のお兄ちゃん

久々すぎて一体どんなツラで観戦していたのか気になるお兄ちゃん!ずっと「(ルールは相変わらずさっぱりだがとにかく)勝て…!」と念じていたのだろうか。コミックスの空きページで行間を埋める可能性があるかもしれないが。

勝手に親友と決めつけてきたよこの自称お兄ちゃん!
つまるところ超親友(ブラザー)ってことなんですか!?「お前は俺を楽しませるために…」とは勿論月山さんはそんな気ではないハズだが、まあ他の観戦者もウキウキしているからあながち間違っていないでしょう。友情の結晶とか言い方が大げさすぎるだけで。

今週一番爆笑したシーン。
興奮のあまりワインを注ぎこぼしてしまったレベルなのはお兄ちゃんならやりそうなアクシデント。七島名人との闘いでも相当禁断症状に陥っていたが、ワインをこぼすだけでなんでこんなに異様なテンションに仕上げてて面白いんだろうか。

えっ?ゲラウトヒアされるのでは????

煽りもキレッキレすぎる

このページだけ見ると真摯に頼もしい仲間の助太刀に見えてくるサブリミナル効果じみてるな…
真面目な話、なにをするんですかね?単なる応援?それはそれでアツいけど、今週後半のおふざけ度からちょっとマトモというか予想できすぎる無難な展開で物足りないような。まあ春夏冬先生の画力と演出でドラマティックに仕上げられそうだが。
あるいは流石に「将棋たのしー」だけでは持たなくなってきて、アンパンマンの新しい顔よろしく何かを渡すとか…?

うーむ、お兄ちゃん参戦でどうなるかマジで予想つかなくなってきた。
対局自体はもう月山さん勝ち確の流れに近づいてきたっぽいのに、お兄ちゃんがそれを揺るがしそうな期待と不安があるんだよなあ…まず対局中断になりねない空気ぶち壊すべきの危険性がありそうでさ。それはそれで本作への評価に影響されちゃいそうだし、流石に悪い意味でバカな展開にはならないでしょう。綿引先生はおもしれーギャグを繰り出すけど、その場の空気を読んでくれる信頼がありますから。お兄ちゃんはバカだけどね。期待はしますよ。

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