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「席がえ」について考える

「先生、席がえまだー?」

そう聞かれると席がえしたくなくなる。
僕は意地悪なせんせーなのかもしれない。
なんでそんな気持ちになるのかな、と考えていたら、あることに気づいた。

僕は、席がえをクラスのバロメーターにしている。

一緒に席がえについて考えてみませんか。


みなさん席がえってどのくらいのペースでやっていますか。
学期に1回?
月1?
週1?

僕は原則、月1。

だいたい月1。
気づいたら2ヶ月くらいしてない時もある。

はじめに書いたけど、僕はなんとなく席がえをクラスのバロメーターにしているところがある。

というのも、
子どもたちが席がえ席がえ言ってくる時は、クラスが落ち着いていないことが多い。落ち着いている時は、あ、気付いたらそういえば最近席がえしてないねとなることもある。

そんなふうに考えているから、子どもたちの「席がえまだー?」には人一倍敏感なんだと思う。

細かいですかね、まぁそう言わず、もうちょっとお付き合いください。

今回は、僕の席替えに対する考えを言語化してみようと思います。
多分、そんなに王道の考え方ではない気がするので、もし、意見があればコメントくださいね。あ、ちなみに、僕は小学校の教員です。

そもそも席替えって、必要・・・?


基本的に、こちらから子どもたちに席替えを提案することはありません。
そもそも僕は、席がえの必要性は高くないと考えているからです。

でも、子どもたちは席替え大好き。
昨年度まで当然のように行われた席替えというハッピーイベントが行われないことに疑問を持ちます。

そして、落ち着いてるクラスでもゴールデンウィークくらいには子どもたちから「せんせー、席替えは?」との声が上がります。
前年度崩壊してたような学年だと、学級開き3日目くらいに言われることもあります(笑)

子どもたちから「席がえしよう」と言われはじめたら

子どもたちから席がえの要求が多くなってきたら、クラスの様子を慎重にみながら、席がえの日付や方法を決める必要があります。

若手のせんせ−によく伝えるのは、
落ち着かないクラスで、「先生、席替えしてよ。」に対して
「そうだね、じゃあ席がえをしよっか」は僕的には絶対に禁物。
子どもに言われたから席がえをする。という流れにしてはダメ。
子どもたちに、「しつこく言ったら要求を飲んでくれる」「駄々こねたらやってくれる」という学習をさせない。

席替えは今はしないよ。
これから毎月1回、1日にするね。
「えー」とか、「去年のせんせーは・・」とか言われても、
「そうなんだね(ニコッ)」の対応。

最近はこういう先生の主導で進める方法って歓迎されない気もするけど、そんなに甘くないよ、と思う。正直。
なんでもかんでも主体性、自主性と言われるけど、
それらはある程度安定した段階で成り立つものです。と思うのです。
1学期はガマン、ガマン。
安定した学級経営で大事なのはこちらが最後まで手綱を離さずに、少しずつ自主性を持たせることだと思う。子どもたちに、管理的だと思わせずに、管理する。みたいな。

あ、話がそれました。

そうそう、だから、席替えの日付を決める。
例えば、毎月1日にやるね。と。
要求される→やるじゃなくて、
要求される→(担任が)席がえの頻度についてルールを作る。そのときに、子どもが納得したことの確認をとる。
そして、その約束は必ず守る。担任も子どもも。

席がえの必要性について子どもと考える

なぜ初めから月1で席がえをしないかというと、子どもたちに席がえの必要性を考えて欲しいから。
当たり前のように席がえをしてきた子どもたちは席がえがなくなって初めて席替えについて考える。

席替えにこちらの意図がないと、
悪意のあるなしに関わらず、隣の子の気持ちを考えずに「早く席がえしたい!!」と言ってしまう子が出るし、
ひどい時には、席がえの結果に「うわー。最悪。」なんて平気で言ってしまう子が出現してしまう。
そのくらいいいじゃんと思われてしまうかもしれないけど、そう言うところに心くばりができるかどうかで、3月の学級の雰囲気は大きく違ってくると、僕は思う。

だから、4月(子どもたちから席がえまだ?の声が聞こえ始めた頃)に、席がえの必要性について話し合う時間を作る。ちなみに先生は席がえ必要ないと思ってるんだよね〜なんていうと、子どもたちは「いかに席がえが重要で、やるべきなのか」という理由を考えてくる。

やんちゃ君が教科の授業よりも真剣に考えてたりして。
おーい、さっきの算数では寝てたよなー!笑
なんて言いたくなるけど、ガマン、ガマン。

席がえの必要性について、いろんな人とコミュニケーションをとって仲良くなるため。とかそういった意見が出てきます。

だけど、いろんな人とコミュニケーションをとるなら圧倒的に休み時間のほうがいい。みんなでレクしたり、自分から声かけたりさ。
休み時間の時には話しづらいから席が近いほうが良いと言うなら、できるだけ話したことのない人同士と席が近くなるように先生が考えるけど、いい?とか、休み時間には話せないのに席が近いと話せるの?ほんとに?

ちょっと意地悪せんせーになって子どもの意見に返していく。
わざわざ時間を使って席がえをする必要なんてそんなにないよね、って分かって欲しいから。

でもやっぱり席がえはあってもいい

でも、
でも、
分かるんです。
席がえって楽しいじゃん!
わかるよ!わかるよ!
だってせんせーも小学生の頃席がえ大好きだったもん!
後ろの席になった子、好きになったもん(笑)

一回、立ち止まって席替えについて考えてみる。
席がえって、絶対に必要というわけではないかもしれないけど、
席替えでもっと仲良くなれるかもしれないし、
好きな子と隣になったらワクワクするし、
気分転換にもなるし。
何より、楽しいし。

だったらさ、どうせやるなら、
悲しい思いをする子がでずに、
みんなが楽しいと思える席替えにして欲しい。

こちらが手綱を離さないようにしながら、
できるだけ子どもたちが席がえのルールを考える。
担任である僕からのお願いは、
・みんなにとって楽しい席替えにすること
・10分以内に終わる方法
の2つ。


なんだよそれ、席がえ一つにめんどくせー。
と思われたかもしれません。
もっとド直球で説明してもいいのかもしれません。
だけど、こういうやり取りから子どもたちの学級に対する
自分たちで作ってる感とか、おれたちのクラス感って生まれるんじゃないかなって思っています。
たかが席がえ、されど席がえ。です。

ちなみに、かなり学級が荒れ気味の先生に相談された時には、
週一席替えというのも提案したことがあります。どんな席になっても大抵の子は1週間なら耐えられるし、対策が打ちやすいので。

結局は、担任がどんな意図を持っているのか、
子どもたちにどんな思いを持って欲しいのかという
哲学の部分が一番大事なんだと思います。

もっと書きたくなってきたけど、この辺で。

みなさんが席替えについて考えるきっかけになったら嬉しいです。







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