亀を逃がします事件(2010年8月22日のメルマガ)

★こんにちは、ハルヤンネです♪★

 夏は、悩みが少ないんですね。ええ、学校へ行かないから(笑)だって、連絡帳書かなくていいじゃありませんか。いかに対人的にしんどい障害かがわかります。車と一緒で、(困ったことは)対物は比較的楽、対人はたいへんと、私は話していますけど。ほんとに、静かなので。せっかくご参加いただいているし、ハルネットでは、ダダの小4のときの物語を配信しています。

 小4のときは、いろんなことが起こりましてね。昨日アップしたのは、「カメを逃がしました事件」というものです。教室で飼っていたカメがいなくなってしまって、ダダが逃がしたことになってしまったのです。「ダダくん、亀を逃がしましたか?」といわれて、「カメを逃がしました」と答えました。ええ、オウム返し。それで、犯人はダダだとなってしまったのです。帰宅して、書いてきくと、「逃がしていません」のダダの名前に、大きく○をしました。ああ、書いて聞いてくれさえすれば…と想いました。冤罪ですからね。

 口頭でのやりとりだけをしていると、こういう冤罪はたくさん起こります。「蹴ったの?」「蹴ったの」で、蹴ったことになるんです。もっと簡単なことで言えば、「ジュース飲む?」と聞いて、「ジュース飲む」で、ジュースを飲まされるんです。これも、また、冤罪なのですよ。だって、それしか選択肢がないんですから。口頭で聞くと、そのスーパーの名前しか答えない(そう、答えるものと思っている)。でも、実際、書いてスケジュールすると、そのスーパーの名前は、一度も書かないっていうお子さんもいましたよ。それくらい、口頭だけのやり取りって、怖いんです。

 私は、このカメを逃がしました事件を経験して、ほんとに怖さを知りました。障害児に対する人権侵害も痛感しましたね。それで、口頭でのやり取りしかないのは、危ない。このままでは、ダダは冤罪を次々に掛けられてしまうと想って、1年掛けて、携帯メールでのやり取りと筆談コミュニケーションを、ダダに身につけてもらいました。すると、ダダは激変。自分の気持ちが出せる。それが、どれだけ暮らしを安定させたでしょう。

 で、わかったんです。自閉症・発達障害の人たちには、「見えるコムは、必須」と。そんなのなくても、周囲の親も先生も、困りませんよ。だって、自分のことじゃないもの。自分のことじゃない、「ひとごと」って、どれくらい無責任なことか、私たちは、なかなかわかりませんけどね。

 おめめどうをしたのは、このカメを逃がしました事件があったからです。なかったら、おめめはなかった。カメ一匹で、人生、変わってしまいました。そんなもんなんですね、人生というのは(笑)。

 講演会ではお話しする「カメを逃がします事件」、お時間があるときに→http://ameblo.jp/haruyanne/entry-10617139925.html

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