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信頼される発信者になるには。誤った情報を発信しない5つのポイントと対策

インターネットでWebマーケティングに関する調べ物をすると、専門の会社でも誤った情報を発信しているサイトやSNSアカウントにしばしば出会います。

私自身、誤った情報を発信してしまうことがあります。間違った情報を絶対に0にするのは難しいですが、誤りを少しでも減らすために取り組んでいることをまとめました。

誤った情報が発信される背景には理由があります

1.知識がアップデートされていない。経験を過信している

専門家が陥りやすい問題です。かつて正しかったものや大多数の意見とされてきたものが、進歩の早いウェブマーケティングの業界においては、その仕様が変わっていたり、常識が変わっていたりということは少なくありません。

詳しい人になればなるほど、こうした自分の知っているものや知識が変わっていることに、無関心になりがちです。知っている情報の価値が減っていると信じたくないのかもしれません。

誤りを防ぐポイントとしては、当たり前・基本的な情報であっても、念のため、都度都度調べ直すことです

例えば、私はGoogleヘルプコミュニティで回答するたびに、情報が古くなっていないかをヘルプや実際の管理画面で確かめてから回答する癖をつけています。実際、そこで自分の誤りを発見できることは少なくありません。

そうした確認は、自分の知識のアップデートにも自然とつながります。理解が深まることもあります。

SEOやWeb広告の世界では、「ヘルプを読め」を口すっぱく言われますが、「ヘルプは何度でも読め!忘れたつもりで読み返せ!」を癖付けると、知識が知恵に変わります。

https://x.com/morinaga_ayami/status/1238036923005849602

2.答えありきの偏った情報となっている

支援会社やベンダーのコンテンツマーケティングでは、答えありきの偏った情報発信が少なくありません。

例えば、自社サービスの宣伝や得意領域のコンテンツは、俗にポジショントークと呼ばれる答えありきや特定のメッセージングへの誘導のコンテンツとなりがちです。

こうした方針は、強引なメッセージングや誤情報につながりかねないし、たびたび不都合な情報を隠したコンテンツにつながりがちです。

成果の出るコンテンツを目指すのは自然な行為です。しかし、前提に「ユーザーにとって有益な情報を発信する」基本哲学がなければ、それは三方悪しの有害な手法となります

偏った情報で、執筆者やメディア、ブランドの評判が棄損するというケースは少なくありません(例えば、ウイルスソフトの会社が「携帯電話の電磁波が人体に与える悪影響」という記事を公開し問題視されたケースなど)。

宣伝は大切ですが、それ前提の偏った情報を発信は避けるべきです。客観的でバランスの取れた情報の提供が求められます。

3.根拠のある情報・経験に基づいておらず、他の情報や上位記事をコピー&ペーストしているだけ

コンテンツSEOでは、特定のキーワードでGoogle検索の上位にランクされることを目的に、複数の上位ページの内容をコピペして1つにまとめたり追加する手法は、そう珍しくありません(残念ながら)。

そのため、ある上位ページに載った間違った情報や古い情報が複製を繰り返され、それがウイルスのように、他サイトにどんどん広がっていってしまうケースがあります。

ユーザーや検索意図のリサーチで他記事の構成や企画を参考にすること自体は、誤りであるとは思いません。しかし、上位記事の内容を検証なく、SEOや情報「量」だけを重視する目的で追加するのは誤りです。

最近は、ChatGPTに書かせたような情報が増えてきました(Googleヘルプコミュニティでも一時的「ChatGPTに聞いてみましたところ」的な回答が頻出しました)。

検索上位に出ている情報、SNSでいいねが多い情報でも、正しい情報・良い情報とは限りません。人気や注目度が高いからといって、その情報が正確で有益であるとは限りません。情報の出典や根拠を確認し、時に批判的に考えましょう。

特に製作者自身の知らない情報を生成AIに作らせるというのは危険です。その情報をレビューできないと危険です。

逆に、「○○という情報が一般的だが、これは誤解」という発見は、それ自体が有益な情報にもなります。例えば、SEOの支援会社である株式会社JADEさんで話題になった記事はそういった価値を生んでいると思います。

「○○という話だけど本当?」という「試してみたネタ」は一定の価値があります。

4. 速さや情報の量を重視しすぎる

人より早く最新情報を出すことや、たくさん発信することは、情報の発信者としてのプレゼンス(存在感)を高めます。

だが、そうしたアテンション面だけに傾倒すると、「早く出さねば…」「たくさん出せねば…」と焦るあまりに、確認を怠りがちです。質の悪い情報を量産しがちです。

情報の数や速さにも、確かに価値はありますが、それにとらわれすぎるリスクがあります。俗にいう「プロ驚き屋」への道が敷かれています。

時には、「おや、これは自信が持てない、怪しいから発信しない」という判断を取れるようになりたいものです。

5.気持ちよく書きすぎる、妄想を書きすぎる

情報発信する上で、気持ちよく表現すること・創造性を発揮しながらコンテンツを作ることは大事な要素です。

しかし、勢いは妄想を生みやすく、誤情報の落とし穴を見落としがちです。

日記ではなく情報として出すなら、ファクトなのか妄想なのかは分けられているか、公開する前に立ち止まって考えるべきです。大事なのは混ぜこぜにしないことです。

オピニオンや妄想をあたかもファクトのように書かないように気をつけたい物です。

「これは公式情報」「これは事実」、「ここからは個人的な見解」「N=1の事例」「個人的な意見」、そういった風に分けておけば、情報が誤って伝わること、コンテンツ全体の価値を損ねずに済みます。

誤った情報を発信する自分とどう向き合うか?

実はここまで書いた事は、私自身が過去やってしまった反省でもあります。大切なのは誤った情報を発信してしまった後のこと。

誤りを認め、気づきや指摘をきっかけに修正して発信しなおしたり、今後再発を減らすことが重要です。

誤りを認めず、繰り返し誤情報を発信していると、どんどん情報を受け取ってくれる人は少なくなります。自身や会社のブランドも毀損していきます。

ただ有益な情報を発信するだけで存在感を発揮するのはなかなか難しいものです。うまくいかないことばかりです。もがく中で目的を見失ったり、誠実さに欠ける方針に変わってしまうこともあるかもしれません。

ファクトチェックや知識をアップデートする姿勢、情報を受け取る相手に真摯であることは、インテグリティ(誠実さ)だけでなく、マーケティングの視点でも重要になる時代です。

インプットのために、アウトプットしようと言う方針自体は、私も賛成です。しかし、安易に誤った情報を出してしまうと、先々の信頼性だったり、自身のネットワークを失ってしまうリスクもあります。

マーケティングのために情報発信をしていこうという企業やビジネスパーソンは増えていますが、今回はそうした現場において軽視されがちな「誤った情報発信をしないための基本」をまとめました。

まとめ:情報発信者として心がけること

  1. 自分の知識や経験を疑う。知識をアップデートし続ける

  2. バイアスや答えありきの偏った情報にしない

  3. 検索上位に出ている情報・SNSでいいねが多い情報でも、正しい情報・良い情報とは限らない

  4. ファクトとオピニオンとを分ける

  5. 発信直前にちょっと冷静になる

いつもサポートありがとうございます!サウナの後のフルーツ牛乳代か、プロテイン代にします。「まあ頑張れよ」という気持ちで奢ってもらえたら嬉しいです。感謝。