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ロンドン観劇雑感、その5。ロンドンでは、マチネとソワレのスケジュールが守られていた。

 マチネとソワレ、どちらで観るのが好きですか。

 私は圧倒的にソワレです。歌舞伎をのぞけば、お芝居は夜見るものという思い込みがあります。夜の闇を突いて劇場に向かい、2時間から3時間の特別な時を過ごして、また、夜の闇に吸い込まれていく。そんな観劇になじんで、長年過ごしていきました。

 ところが、東京の演劇界は、この五年で大きく様変わりしました。
 それ以前も老舗新劇の劇団は、圧倒的にマチネが多く、ソワレが少なかった。それが、他の公演にも及んでいます。一部の劇場では、マチネよりソワレのチケット代を安くしたりする試みもはじまっています。

 新型コロナウィルスの影響もあって、私たちの習慣も大きく変わりました。たとえばレストランも早い時間にスタートして食事、二次会はなしというかたちが定着したようです。つまりは、夜は外出のための時間ではなく、家でゆっくりすごしたいと考える人々がマジョリティになったのでしょう。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。