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ロンドン観劇雑感、その3。あなたは、3万4千円払って、ミュージカルを観たいと思いますか?

 二週間の滞在で、観た芝居が芝居四本というのは、もちろん少ないと思う。けれども、ロンドンもニューヨークもチケット代が高騰しており、とても毎日劇場に行けるような値段ではなかった。

 ちなみに、ミュージカル『Cabaret』の4月1日の値段を観てみると、60、84、120、144、180ポンドの五種類がある。現在の為替レートは、1ポンド190円強だから、もっともよい席で観ると、3万4千2百円。もっとも安い60ポンドの席でも、11400円。

 この価格を高いと思うか、妥当だと思うかは、人によるだろう。けれども、恐ろしいと思うのは私だけだろうか。作品の出来がわるかったら、60ポンドでも被害は相当なものになる。かくして新聞各紙の★の数が、とりあえずの評価基準となって、何を観るかを、選びに選ぶことになる。

 ただ、五段階の券種があるのは、学ぶべきところがあると思う。また、当日のハーフプライスも機能しているから、私の観た四作品で、空席が目立つことはなかった。ともかく、全席を売り切ろうと、営業が懸命に働いているのがわかる。

 私は『オープニングナイト』を予約した前日に、よりよい席が空いているので、変更できないかトライしてみることにした。

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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。