写真を撮りたい飼育員vs動物

動物の写真を撮った。

あ、今日からこの文体でやってみようと思う。ですますだと他のSNSと変わりばえしないからである。この文体はnoteでしかできなさそうである。吾輩は猫である。と今にも言いそうである。嫌になったら戻す。吾輩はあひるである。

話を戻すと、今日は動物の写真を撮った。

飼育員は動物の写真を依頼されることがたまにある。用途は取材された時の雑誌への提供やSNS投稿などさまざまだ。

今回はローアングルの動物の写真を投稿したいとの依頼があり撮ることになった。

動物の写真は難しい。
どう難しいのか。
今回は写真に悪戦苦闘した私と動物たちの攻防戦をお届けする。

カメラを起動させたスマートフォンを握りしめ、まず初めのチャレンジはヤブイヌ。
夕方の食事時に失礼してローアングルに構える。狙いは動きの遅いおじいさんヤブイヌ。しかし食事時とあって口の周りに色々ついている。映えも何も無い。急な撮影に戸惑うじいさん。薄暗いのでブレる。諦めた。

次はマヌルネコ。
入った瞬間身を隠され、ローアングルどころかカメラに映ってもくれない。1枚も撮れず惨敗。身を隠し安心できる場所は動物舎を作る際不可欠だがこういう時は困る。

ミーアキャット舎へ移動。ミーアキャットは元々誰かに飼われていて人馴れした個体がいる。これは期待できそうだ。しかし彼は餌探しに忙しく一向に止まってくれない。仕方なく同居している比較的動きの遅い個体にカメラを向ける。気づくと地面にへばりついて撮っていた。動物カメラマンの気持ちが分かる。何とか1枚、2枚とそれらしいのが撮れた。感謝。端々に忙しそうな彼の残像が映っているのは気になるが、とりあえず写真は撮れた。

もう少しチャレンジして隣のフェネックに挑戦してみる。警戒心の強い個体である。
構えた瞬間から臨戦態勢。私が噛まれるのが先か、彼が撮られるのが先か。距離感を伺っている。ギリギリの距離でシャッターを押してみる。緊張感の中何枚か映したが、もはやローアングルとか考えられない。ブレた写真だけが撮れた。惨敗。血を流さなかっただけ良しとした。

最後はレッサーパンダ。食事が終わり、のんびりする個体を狙う。狙いはじいさん、長女、双子だ。
だがレッサーパンダ、皆カメラを見てしまうのでローアングルが意外と難しい。そんな中、お客さんからも不思議ちゃんと名高い、双子のうちの一頭が見事にぼーっとしていたので少し撮らせてもらった。さすがである。カメラにも動じない。感謝。

こうして最後のひと仕事を終え、無事パソコンのフォルダに写真を移す。任務完了である。

撮影に協力してくれた動物たち、ありがとう。

今日は、動物の写真を撮った日。

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