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旅の続き  2月18日

愛媛の旅から戻って早いもので10日が過ぎている。
が、炙ったスルメイカをしみじみと味わうように、
旅先のひとコマをふとした拍子に思い返しては
その余韻に浸っている。

昨年はとにかく慌ただしく一年が過ぎ、アウトプットが
多かったように感じていた。そんなわけで今年はインプットが
必要だなぁと思っていた矢先の小さな旅だった。
だからだろうか、ゴクゴクと水を飲んで乾いた喉や体を潤すように、
目?感覚?頭?が意識をしていなくても勝手に喜んでいる。
これがこころの旅?そして栄養?というものだろうか。

松山から帰る日。フライトは午後2時半頃だったので、
午前中の時間を使って「伊丹十三記念館」へ行ってみることにした。
こじんまりとした空間ながら内容は大充実。
中村好文建築の居心地の良さは格別で、お陰で隅々まで
ゆっくりと展示を堪能することができた。
企画展ブースでは、書籍「伊丹十三の台所」に掲載されている
愛用の器や使い込まれたキッチン道具を実際に目にすることができた。
それらのモノたちからは料理好き、そしてただならぬ
くいしんぼうということが伝わってきて、テンションが上がるって
こういう感じだったなと、久しぶりに思い出させてもらった。
夫君と声を出してよく笑った展示だった。とても爽快だった。
何でもとことんの人の姿、気配を感じることができたからだろうか。

伊丹十三監督の映画はほぼ全て見ていると思うが、
今また見直してみたら、きっと違う視点や発見があるのだろうな。
その中でも「タンポポ」は特に好きな映画のひとつ。
病床の母親がチャーハンを作るシーンに衝撃を受けたり、
宮本信子さんが着ていたブラウスとか。
子供の頃に見ていたはずなのに、しっかり記憶に刻まれている。
エッセイも読み直してみよう。
もし今現在も伊丹さんがお元気だったら、どんな映画を作って
どんな文章を綴っていたのか。はたまたまるで別のことを
やっていたのか…。見てみたった。

でも。
映画や本というかたちがあるものが残されているお陰で、
時代を越えて誰もがいつでも触れることができる。
この先もきっとずっと。

という思考とリンクするのが、松山から羽田に着いて
三春へ帰る前に立ち寄った、東京オペラシティで開催されている
展覧会「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」
これはshunshunさんが薦めてくれたもの。
こちらも未来へ残す作品づくり。

気づくと全てが一本の線でつながっていた旅だった。








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