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検索結果に騙されたけど、SNSに救われた話 (コンテンツSEOで上位表示するためのノウハウ解説を添えて)

「この世には二種類の人間がいる。それは、ぎっくり腰になったことがある奴と、ぎっくり腰になったことのない奴だ。」

先週末、ぎっくり腰になりました。

当事者になることでしか見えない、ぎっくり腰の実体験と、そこから少し俯瞰して、本職のWebマーケティングの視点から、気づいたこと、考えたことを忘れないうちに残しておきたいと。

※特定の個人の体験談であり、万が一でも参考にする際は「自己責任」でお願いします。

【結論】初めての「ぎっくり腰」体験からの学び

最初に、まだぎっくり腰になったことない側の人間たちに向けて、今回の経験からぎっくり腰方面での学びをシェアしておきます。(あるいは経験者による未経験者に対するマウンティング。)

もし、私が、ぎっくり腰の発症当時にタイムスリップして、もう一度人生やりなおせるとしたら、どうするか。

<ぎっくり腰なったら、(自分なら)こうする!>
・その場ですぐに「ぎっくり腰センター」の出張サービスを呼ぶ。
・動けるようになるまで、安静にしておく。痛いのに無駄に動かない。
・動けるようになったら、温める。(温泉が特に効いた)
・情報を元に、判断し意思決定するのは、自己責任という自覚を持つ。
(・検索よりも、体験談やTwitterの知り合い情報を頼りにする。)

※個人の体験談です。

以上となります。

ご不明な点等ございましたら何なりとお申し付けください。

では、ここからは、あまり役に立たないであろう個人的な体験談をタラタラと書いていきます。

検索結果を信じて、激痛の中「美容院」に行ってしまった。

見出しは、誤字ではない。私は確かに「美容院」に行った。

ぎっくり腰になった直後に「びょういん」ではなく、「びよういん」に行った、という者は、これまでいなかったんじゃないか。そういう意味では、人類初の快挙を成し遂げたのかもしれない。

6歳の娘がちょうど小学校で、ちいさい「よ」を習っている最中なので、学校の勉強って大事だよ、と伝えたい。でも、お父さんは、ひらがなを読み間違えたんじゃない。ちゃんと、21世紀の文明の利器であるインターネットで検索をしたんだ。そして検索に殺された。ある意味、文明の犠牲者と言える。文明といえば、インダス文明を中学校時代に習った時、社会科の先生が「インダス文明はここにインダス」というダジャレを言っていたのを思い出したけど、これはダジャレでもなんでもないじゃないか。なんか腹たってきた。

無駄な前置きはこれくらいにして、ぎっくり腰当時の状況を振り返りたい。

■ズボンを脱ごうとしたら、激痛が走った

土曜の朝、そういえば髪の毛が伸びてきたなと、美容院に電話したら、当日にも関わらず朝イチで予約が取れるという幸運。

さっそく向かおうと着替えて、ズボンを脱ごうとしたその時。

腰に響く、これまでにない激痛。

そのまま四つん這いになり、あまりの痛みで脂汗がでて、全く動けない状態に。これが「ぎっくり腰」って奴なのかと。まさか自分がなるとは。

■検索結果の「動かして治すべし」を真に受けて、日常生活を普通に送ることを自らに課す

2~3分は全く動けなかったが、呼吸を整えることですこし落ち着きを取り戻してきたので、スマホで「ぎっくり腰」と検索。

検索結果上位に出てきたサイトをざっと見て得られた情報は、こんな感じ

・欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれる。
・なぜ起こるのか、実はあまりわかっていない。
・激痛は2~3日、その後10日くらいで痛みはおさまる。
・治療できることはあまりないので、無理に医療機関に行く必要はない。
・安静にしているより、日常生活を普通に送った方が回復が早いというエビデンスがある。動かして治すのが新常識

■痛みに耐えながら、亀の歩みで美容室に向かう

検索結果にやたら出てくる「動かして治す」新常識を真に受けてしまった私は、日常生活を普通に送ると早く治る!早く治すぞ!がんばれ!という決意を自らに課し、ゆっくりと立ち上がり、激痛に耐えつつ着替えを済ませ、脂汗流しながら、そろりそろりと亀の歩みで、15分後に迫った予約時間に間に合うように、いつもは3分前に家でて間に合う美容室に向かいました。(ホント辛かった。)

※あとでしっかり情報収集すると、激痛の2~3日を超えたあたりからは、動かしたほうが良い、という話であり、激痛で動けない時に無理やり動け!とは、まったく書いていない。なんてアホなんだろう。あの地獄のような時間は筆舌に尽くしがたし。

最初の激痛で、読解力も理解力も低下してる状態で検索結果を流し読んでしまった、かつ、週末の繁忙期にせっかく取れた美容室の予約を無駄にしたくない、美容室もドタキャンされると迷惑だろうな、という潜在的な遠慮から、「人は、読みたいように読み、信じたいものを信じる」という格言を身を持って体現してしまったんだと思う。

■腰痛プロ、美容師さんの助言「動かすのは、よくないかと…」

で、美容室ついて、「ぎっくり腰」である旨、申告の上、危険物を取り扱うかのごとく丁寧に接客してもらう。シャンプー台で椅子倒す時に「倒しますよ~痛いですよ~頑張ってくださ~い」と励まされる絵はかなりシュール、事情を知らない他の客からどう見えていたのだろう。

担当してくれている美容師さんが、私の髪をカットしながら、「かつてぎっくり腰になった時、当日頑張って仕事したら骨盤歪んで長期間痛みが取れなくなった」という旨の話をしてくれて。どうやら初動で無理に動かすのは悪手であると遠回しに気づかせてくれる。不安になったので、念の為その足で近くの病院に行くことに。

■整形外科で、レントゲンとって正式にぎっくり腰認定

整形外科では、レントゲン取って、正式にぎっくり腰認定を受ける。痛みは湿布や痛み止めで抑えるくらいしかできず、コルセット巻くと少しラクになると。痛みが取れてきたら動かすと良い、と言われた。

・診療費(3,520円)※保険適用 (コルセット支給)
・薬(700円)※保険適用 (湿布と痛み止めと胃薬)

ネットにも書いてあるけど、結局、病院はぎっくり腰に対して痛み止めくらいしかできることがないことを確認する結果に。

Twtterで教えてもらった「ぎっくり腰センター」は効いた

■Twitterでつぶやいたら、神が降臨

病院から帰った後、飯食って痛み止め飲んで横になりながら、やることないので、半ば無意識にツイートしていた。

Webマーケティングのプロを名乗る人間のツイートとは思えない、単なるつぶやきである。

それに対して、リプライがつく。神降臨。

なんて親切な方がいるんだろう。世の中捨てたもんじゃない。

■怪しさ満載の「ぎっくり腰センター」も、体験談noteで安心に変わる

しかし、「ぎっくり腰センター」は怪しい。

実は、さきほどリスティング広告でLP見て、直帰していた。この手のLPは怪しさを増すばかりで、1ミリも信用につながらないことを、再確認してしまった。

ってか、そもそも、ぎっくり腰「センター」って何だ。

ちなみにセンターと言えば、千葉ロッテマリーンズの不動のセンターは荻野貴司。今年は大活躍しているものの、怪我が多いことで有名な選手だ。2010年ルーキーで2番のレギュラーで活躍した荻野のインパクトは絶大だった。足が早すぎて右バッターなのに内野に転がせばヒットになる。そんなバッターはこれまでいなかった。荻野貴司が怪我をしなかったら、歴史に残る記録を残していたはず。怪我からの復帰後の入団2年目、メジャー挑戦で抜けた西岡の穴を埋めるために、荻野貴司をショートにコンバートして怪我を再発させたのは千葉ロッテマリーンズの歴史上3大悪手のうちの一つだと思う。

そしてセンターに話を戻すと、私の中での日本3大センターは、「つくばセンター」「靴の流通センター」「新宿イカセンター」であり、「ぎっくり腰センター」は入っていない。

せっかくご紹介いただいたものの、この怪しいセンターに世話になるべきか逡巡していたが、ツイート内にあるもう一つのURLに気づき、クリックして読んで考えが変わる。そのnoteがこちら。

上から下まで共感しかない。やっぱりこの世には二種類の人間しかいない。それは、ぎっくり腰になったことがある人と、ぎっくり腰になったことのない人だ。ぎっくり腰になった人にしかわからないことがたくさん書いてあって、一気に信用した。特に以下は、そうだなーと。

人にやさしくできそうな気がする
今までは「ぎっくり腰なんてもともと筋力がないとか、おじさんとかがなるやつでしょ!」って思っていました。いや、もっと正確にいうと、「自分にはわからないこと」として想像力を働かせることができていなかった。

誰かの「腰が痛くて…」みたいな言葉も、軽めに「そうですか」とスルーしていた気がします。これからは「大丈夫ですか?痛み止め?腰固定します?座るの支えましょうか?」と言えるはずです。

そして、このnoteを書いた代表がいらっしゃる会社cotreeに所属するのが、リプライをくれた平山さんで、自己紹介も一度読んだことがあったような気がするが、もう一度読み込んで、ホントいい人やな、と再確認した次第。

もう、騙される結果になってもいい。そう思えたので、私は予約を取ってセンターに行くことにした。

■「ぎっくり腰センター」が本当に、劇的に、痛みを取ってくれた

結果、めちゃくちゃ良かったです。

自宅から比較的近い場所だったので、出張ではなく、タクシー直接行ったんだけど、帰りはすっかり歩けるようになって、電車乗って歩いて帰って来ちゃうくらい、劇的に回復。まあ、個人によって違うかもしれないので、一概におすすめしていいものか、わからないけど、N=1の感想としては、お世話になってホント良かったです。

ちなみにその日、マリーンズの「センター」荻野は、先頭打者ホームランを打って、会心のゲームで圧勝した。

痛みが収まってきたら、検索結果に腹が立ってきた。

こっからは蛇足です。

痛みが収まって来て、冷静に考えると、検索結果に腹が立ってきた。

確かに、「痛みに耐えてでも日常生活を送れ」とは書いていない。誤読して自爆したのは、他ならぬ私である。しかし、「動かして治すが新常識」って煽ってるのはどうなのか。

それだけじゃなく「ぎっくり腰」の検索結果の上位にあるコンテンツは、ユーザーにとって、決して良いコンテンツとは思えない。クソ結果だと思う。

ぎっくり腰の検索結果は、なぜクソなのか?

背景として、ウェルク問題に端を発する、通称、「健康アップデート」と呼ばれる2017年から行われているGoogleのアルゴリズム変更影響があります。とういうことかと言うと、健康や医療など関する情報については、コンテンツの内容よりも、発信元が信頼に足る機関かどうかを重要視するという変更があったんです。詳しくはこちらの本読むと、背景含めてバッチリわかります。

なので、いろんな矛盾がある中で、そうせざるを得ない現時点の妥当解であり、最善解ではないことは重々承知の上で、人生で初めてぎっくり腰になった当事者の視点で、どこがどうクソなのか指摘したいと思います。

ちなみに、2019年8月時点での上位3サイトは以下です。

”欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれる”って、ホントとうでもいい。

上位表示されるほとんどの記事にある、この記述、ぎっくり腰の当事者にとっては、なんの足しにもならない、ホントどうでもいい情報です。

・欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれる。

ぎっくり腰になっていない人が、雑誌か何かでたまたま読むコラムであれば、導入文のツカミとして、使いやすいかもしれない。

だけど、想像してみてください。

ぎっくり腰の痛みに耐えている人が病院に来て、医者が「欧米ではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれる。」なんて言い出したら、それこそ「魔女の一撃食らわしたろか」ってなる。

推測になるけど、こういうコラムを作る医療関係のライターが毎回入れるもんだから、Googleが「ぎっくり腰」と「魔女の一撃」の関連性が高いものと判断して、むしろ「魔女の一撃」が入っていないコンテンツは、「ぎっくり腰」の検索結果の上位に上がりづらいというアルゴリズムになって(いわゆる共起語)、ぎっくり腰になった人を挑発し続けているんだと思う。

エビデンス重視の姿勢がエビデンスのはっきりしない領域の検索結果をクソにする

今回、私のハマった罠はこれで、結局、ぎっくり腰って、原因もしっかりわかっておらず、エビデンスのある治療法とか、あんまり確率されていないんじゃないかと。

その中で、唯一エビデンスがあるのが、(激痛の2~3日を超えたあたりからは)動かしたほうが治りが早いという実証結果であり、エビデンスに基づいて書こうとすると、これくらいしか書けない状態になっている。

ダルビッシュが、「論文ニキやばいわ」って言ったのと同じ気持ちになる。

ペルソナ設定が甘すぎ

「ぎっくり腰」と検索する人はどういう状況に置かれている人か?を考えることが、検索に上位表示されやすりコンテンツを作る上で、一番大切。

あまり公開していない極意になるけど、その読者を設定する上のコツは「重要かつ緊急」な人をメインのペルソナに設定することにある。「ぎっくり腰」であれば、今回の私のように、「はじめてぎっくり腰になって、痛みのあまりパニックになっている人、もしくはそのぎっくり腰になった人のそばにいる人」をメインのペルソナに設定した上で、他の検索ニーズにも対応できるようにサブペルソナを複数設定して、その人もケアできるような網羅性を担保する、みたいのがコツです。なので、「リスティング広告」で1位を取りたければ、リスティング広告における、ぎっくり腰になった私をメインペルソナに設定してコンテンツを作るべきだし、「ダイエット」で1位を撮りたければ、ダイエットにおけるぎっくり腰になった私をメインペルソナにすえるべき。

「はじめてぎっくり腰になって、痛みのあまりパニックになっている人、もしくはそのぎっくり腰になった人のそばにいる人」の気持ちを想像したら、「魔女の一撃」も「激痛の峠を超えた後の情報」も、そんなに求めていないことがわかる。「インダス文明はここにインダス」というダジャレは、もっと求められていない。

検索結果の上位表示するテクニックは以下の記事にまとめてあるので、興味のある方はぜひ。

いろいろもやもやしてきたので「健康を食い物ににするメディアたち」を読んだらめちゃくちゃよかった。

現時点で6000文字を超えてしまったので、今日はこれくらいにしておくけどWebメディアに関わる仕事をする者として、めちゃくちゃ参考になったので、この話は次回にでも書きたい。すげー良かった。

毎週note書いてます!

来週も書きたい!ツイッターもフォローしてくれると嬉しい(https://twitter.com/so_hasegawa)

※今回は、8月25日(日)~8月31日(土)分の週報になります。


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