ぼやっ記




車から降りると

吉川が言った。。

「あれ?携帯が無い」
「カバンに入ってるかなぁ?」
「あれ?」

吉川は携帯を探しているのであろう
車から降りた後、

ごそごそ携帯を探す

そして、吉川は

「どこだろう?」
「車かな?」
「あれ?」

などと。。。

独り言を連発して
結局

「たぶん、カバンの中にあります」


そう、彼女は言った
そんな結論に至ったらしい

昼下がり
もう、夏のような暑さの中
私は、彼女が眩しくて仕方が無かった

そして、彼女の手も眩しい

眩しすぎて、もう
彼女をまともに見ることが出来ない


吉川よ

君が車を降りてから
ずっと、その右手に握り締めているもの



それ、携帯だよ

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