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混雑を避けて楽しめるシミック八ヶ岳薬用植物園

ゴールデンウィーク、八ヶ岳周辺の観光施設もかなり混雑しますね。
そんな時でも、ちょっと調べれば人ごみを避けてゆっくり楽しめる場所がいくつもあるものです。
今回は、北杜市小淵沢町にあるシミック八ヶ岳薬用植物園へ行ってきました。ゴールデンウィークの休日中でしたが、私たち以外にほとんど訪問者がなく、驚くほどゆったりと過ごすことができました。

シミック八ヶ岳薬用植物園

もともと、山梨県森林総合研究所の付属施設として開園した施設です。
山菜・薬草・きのこなどの普及施設として、約300種類の植物が栽培、展示されています。

研究施設でありながら、庭園としての美学も追求されている

結構、広いです。なんと敷地面積9.5ヘクタール。東京ドーム2個分ですね。
植物を見ながら速足で1周しても30分くらいかかりましたが、これでもまだ回っていないエリアがあります。
正直、事前に想像していたよりも遥かに広く立派な施設でした。
民間経営だとこんな施設を実現できないでしょう。さすが県の施設です。
(管理運営は峡北森林組合。医薬品開発受託のシミックホールディングス株式会社が、ネーミングライツスポンサーになっています)

それぞれの植物にネームプレートがあり、勉強になる

まだ5月の始めなので、植物もまだ成長途中ではありますが、どの株も立派な新芽を出して元気に育っています。さすが、プロ。
これだけ広大な敷地なので、管理するのも大変だろうなあと余計な心配をします。雑草を抜くのも大変だろうし、芝の手入れもこまめにやる必要があるし。
でも、全くの隙がないほど、美しく手入れされています。この庭を管理しているのは、相当な思い入れがある方なんだろうなあと推測します。

スーパーで目にするような身近な植物も多い

YouTubeを見ていると野生のミツバを見つけて食べている人がいて、うらやましいなあと思っていました。そのミツバも、普通に栽培されていました。
こうやって見るとミツバであることが明らかに分かりますが、山や川沿いの道でこの草を見ても、他の雑草に紛れて区別できない気がします。実物を見たことで少し自信がつきましたが、果たして今後、野生のミツバを発見できるかどうか。

さて、庭を散策するだけでなく、中央にある施設内で植物の展示もされています。

漢方薬の材料となる植物

名前が「薬用植物園」ですから、薬草について数多く展示されています。
この植物園は、もともと観光用の植物園ではなく、薬用植物の栽培方法を研究する施設を、一般に開放しているという位置づけになっています。
そういえば書き忘れましたが、入場料は無料です。最初に入ったときに、どこでお金を払うのかなとキョロキョロ探したのですが、入場料は要らなかったんですね。受付の方にこんにちはと挨拶しただけで、中を自由に見学することができました。

色々な種類の松ぼっくり
炭や果実酒なども

展示施設自体はそんなに広くはありませんが、薬用植物園ならではのラインナップです。
それに、ときどきイベントをしているようです。山菜教室、漢方入門、料理に使うハーブ調味料、木工作を通じて広葉樹の特徴、紙をすいてみる、ボタニカルアート、野生きのこ教室、・・・と色々興味深い内容が並んでいます。

シミック八ヶ岳薬用植物園 山の幸教室 (yatsu-garden.sakura.ne.jp)

八ヶ岳薬用植物園のブログ (ameblo.jp)

公式サイト(上)よりも、ブログ(下)のほうが最新状況が分かりますね。
私は二拠点生活であり、八ヶ岳に行った時には子どもと一緒の活動優先になるので今年参加するのは難しそうですが、野生きのこ教室とかには強く興味を惹かれるところです。

階段を上ると、二階に小さな小部屋があります。
展望がいいので植物園を見渡すことができますし、専門書が数多く収蔵されていて、自由に読むことができます。
これまた、この道の専門家の方々が集めたであろう貴重なラインナップになっています。

書店でもAmazonでも売っていないような本がたくさん並んでいる
本棚の様子(その2)

調べ物があるときに、ここに寄らせてもらうのもいいかもしれません。
そういえば、私は7年前に都内の公園で見つけたキノコの名前を、いまだに同定できずに困っていたのでした。キノコの本も何冊か買って、Webサイトも色々巡回しながらそのキノコに似たものを探しているのですが、いまだに解決しないのです。
こういう時に、専門書を調べられる良い場所ですね。今回は残念ながら、子どもと一緒だったのであまり長居できませんでした。

と書きながら、ここにも問題のキノコの写真を貼っておきますね。
当時はキノコの知識が全くなく、傘の裏側の写真すらないのですが。
このキノコの名前が分かる方、教えていただけるとうれしいです。
(シロテングタケに近いようにも思うのですが、傘の色と斑点の色が一致しないように感じています)

7年間、名前が分からないキノコ

プロの本気が詰まった場所
一言でシミック八ヶ岳薬用植物園を表すと、こういう表現になるのかなと。
・多種類の植物を生き生きと栽培して管理する技術。
・その植物を育てる広い敷地を、庭園として美しく維持し続ける技術。
・薬用植物の知識を惜しみなく展示、蔵書、イベント等で共有する姿勢。
いろいろな点で刺激を受ける、とても良い施設でした。
ゴールデンウィークでも空いているのは、訪問者にとってはありがたいですが、かなりもったいないとも思います。
入場料も無料ですし、車でのアクセスも悪くないので、ぜひふらりと訪問していただければと思います。


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