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自分がため息をつく原因が、シジュウカラを見ていて分かった

気付けばため息をついています。
何十年もしみついている癖です。ふう。はあ。
いったいこれまで何万回、勢いよく息を吐いたのでしょうか。

昔の写真を整理していて、シジュウカラの動画を見つけました。
その動画がきっかけとなり、自分のため息の原因に気付きました。


シジュウカラの営巣

さて、去年の春の話。
八ヶ岳の家には、色々な野鳥が飛んできてくれます。一番の常連客はシジュウカラ。次にカワラヒワとジョウビタキ。
水場と餌を用意しておくと、目の前でついばんでくれるのです。鳥の名前なんてそれまで全然知らなかったのに、あまりの可愛さに一気にファンになりました。
iPadに有料アプリ(Cambush)を入れて、動体検知で動画を撮ってみます。たくさん可愛い動画が撮れる。こんな感じ。

十分にバードウォッチングを楽しんだ私たちですが、さらに欲が出ました。
近くの直売所で、鳥の巣箱を売っています。千円くらいのお値段。もう営巣の時期は過ぎているとも思いながら、ダメ元で3個ほど買ってウッドデッキの手すり上に置いてみました。

ダメ元で置いてみた巣箱(この後、営巣したのでしっかり固定)

それがなんと、1か月ほどでシジュウカラが営巣してくれたのです。
ある日、1匹のシジュウカラが巣箱に出入りしている気がしたので、スマホのカメラでそっと内部を確認してみました。
すると、やわらかな物が敷き詰められています。どうも、庭にたくさん生えているハイゴケと、羽毛のようなものを組み合わせているようです。
中にはまだ親鳥も卵もいないけど、これから子育てが始まるに違いない!

それからは、八ヶ岳の家に通うのが本当に楽しみでした。

シジュウカラの子育て

1週間後、卵がありました。正確な数は分かりません。
親鳥が卵を守っています。刺激しないようにそっとスマホのカメラを近づけたのですが、怪しいやつが来たとばかりに親鳥が威嚇してきます。
嘴をカチッカチッとならすのです。

ごめんなさい、邪魔しないので。早々に撮影を終了。
なるべく静かに見守って、卵からヒナが孵るのを待ちました。

その次のタイミングでは、ヒナが産まれていました。
少なくても4匹は見えます。巣箱の中でじっと親がくるのを待っています。暗い中なのでヒナの形ははっきり分からないのですが、黄色い嘴だけが良く見えます。
次の動画は撮影が下手くそすぎるのですが、ヒナを刺激しないように細心の注意を払ったということで許してください。

その次の週末。親鳥は大忙し。
私がウッドデッキの椅子に座っていると、ブーンという大きな羽音を立てて親鳥が巣箱に向かい、すぐにブーンと飛び立っていく。何度も何度も、私の目の前で巣箱を往復していました。
3、4分間に1回くらいのペースでしょうか。
巣箱に向かうときは、小さなアオムシをくわえているのが見えます。1日に何十匹ものアオムシを運ぶそうです。親鳥は本当に熱心でした。

一方で、ヒナも必死です。
巣箱の外からも、ピーピーとヒナがなく声が聞こえます。巣箱を眺めていると、入り口のところにヒナの黄色い嘴が見え隠れするのです。
親がエサを運んできたタイミングでアオムシを受け取るために、ヒナ同士でも競争しながら入り口の好位置を争っているのかもしれませんね。

忙しく暮らすシジュウカラを応援しながら、私はウッドデッキの椅子でくつろいでいました。

その翌週、巣箱は空になっていました。
巣立ちを見ることは叶わなかったのですが、たぶん無事に巣立つことができたのでしょう。貴重な営みを見せてもらいました。

シジュウカラは、ため息をつくだろうか

少しバカバカしい話題ですが、シジュウカラはため息をつくでしょうか。
親鳥もヒナも、ため息なんてつかないですね。
生物学的もため息をつくことはないのでしょうが、彼らのライフスタイル的にもきっとそうです。
生きるのに必死で、とても忙しいから。

私は、どうしてため息が出るのか

ひるがえって、私は結構暇なのかもしれないと気づきました。
一応、平日は朝から晩まで働いています。仕事はそれなりに忙しくて、会議をしたり、メールを書いたり、文書を作ったり。
でも、それって20%くらいの集中力でやってます。慣れた仕事なので、余裕ですしね。そして、仕事をしながらよくため息をついてます。
はあ。ふう。

一方、最近思い立ってnoteでの執筆を始めました。
これにはものすごく集中力が必要です。テーマを何にしようか考えを巡らせ、文章を書いては消し、自分が伝えたいことをちゃんと表せるように試行錯誤しています。100%に近い集中力です。
この執筆作業の間は、ため息をついていないことに気付いたのです。
夜中に書くことが多いのですが、静かな空間でものすごく集中力が高まっているのを感じます。楽しいし、創造的なことをしているという充実感に満たされます。この瞬間、私はアオムシを運ぶ親鳥と同じくらい必死に生きていたのです。

ため息をつくのは、イヤなことがあった時というイメージがありますね。
でも、ため息が出るというのは、大前提として余裕が有り余っているということなのです。
自分が流しモードで仕事をこなしていても、いつの間にか仕事は完了してしまう。そんなやっつけ仕事が終わったあとで、はあ、ふう、とため息を連発していました。

暖機運転してるだけじゃ、前に進めない。
ため息が出なくなるくらい、何かに熱中しよう。
てところですかね。今日も、執筆楽しみました。

(蛇足)
鳥の写真を撮るのは難しいですね。植物写真はスマホでもOKですが、鳥の写真はさすがに厳しい。
ということで、タイトル写真は有料素材のものです。YouTubeに貼った動画は、全て自分のスマホやタブレットで撮影したものです。


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