マガジンのカバー画像

なるべく上等な劣等感日記

97
誰も劣等感を脱ぎ捨てることはできない。人生はけっして素晴らしいものではないが、どうせ生き続けなければならないのなら、なるべく上等な劣等感を身につけた方がいい。 ──吉行淳之介
運営しているクリエイター

2018年6月の記事一覧

地下アイドル記事の「読後に得るものがない」に違和感を覚えた話

東洋経済オンラインで、姫乃たまさんが書いた地下アイドルの記事に胸を突かれた。

https://toyokeizai.net/articles/-/225218

自分ごとのように漠然とした不安感に襲われ、ぼくは「この文章の使い方がうまいな!」とライターとしての位置を保つことで、心の距離をとったくらいだ。

ただ、コメントを眺めてみると「読後に得るものがない」と書かれてあって、「なんか……そういう

もっとみる

僕たちはマジックアワーを生きていたのか

秋葉原の夜19時はマジックアワーで全部が薄紫色に包まれていて、それはなんとも「欲望の街」という雰囲気を描き出す。目の前を、スーツ姿でリュックを背負った男性が、キックボードで過ぎていった。好きだよ、そういうの。缶ビールが熱く胃におりる。

福岡で傷ましい事件が起きて、すっかり心の平穏をやられてしまっている。吉行淳之介の小説に倣って「心の平衡をとる」ために缶ビールを飲んだけど、なんとなくまだ治らない。

もっとみる

知らずの意味づけに気づいて

低気圧だと不調になるのはいつからだっけ、と、ストロングゼロのダブルマンゴーを飲みながらおもう。秋葉原の中央通りは雨でも活況で、海外から来たと思しき人がにこにこして過ぎゆく。

メイドやナースの格好をした彼女たちは、伸ばした髪が湿気にやられるのを気にしながら、今日も気を引くために裏路地に立つのかしら。防水加工のコスプレ衣装が急務である。洗えなそうだから大変か。

日記を書いていなかったひと月ほどの間

もっとみる