「自分の信じたすごいこと」を肯定する喜び

昨年までコラム連載の編集担当をさせていただいた戸田真琴さんが、テレビブロスにインタビューで登場しているので、発売日にいそいそとコンビニで買う。

見開きのカラー2ページで、写真も文章もすこぶる良くて嬉しくなり、KAI-YOUで記事にした。

http://kai-you.net/article/50704

戸田真琴さんとは打ち合わせをはじめ、撮影中などでも話すことはあって、そのたびにいろいろなことに気付かされたり、目が開くような思いを抱かせてくれたりとあったのだけど、いわゆる「インタビュー」はしたことがなかった。

だから、書くものやツイート、お会いしたときの印象を通じて、ふわふわとぼくの中にある「戸田真琴」さんと、テレビブロスに載る戸田真琴さんが、つながってくっついたような感覚もあった。

そこで初めて実は、あぁ、悔しいと思ったのだ。そのインタビューのまとめ方が素晴らしかったのもあるけれど、ぼくはなぜ依頼をしなかったのかと、自分のことながらふしぎだった。ぼくは普段の仕事でもインタビューワークで呼ばれることが多いのに、なぜ自分からいかなかったのだろう、と。

要は嫉妬なんだけど、でも、執筆を担当したライターの平田真人さんとTwitterでやり取りをするなかで、平田さんも戸田真琴さんの言葉や存在に衝撃を受けた「同志」みたいな人だとわかって、悔しさよりも誇らしさというか、近しい感情だと「嬉しさ」が、どんどん湧いてきた。

こんな編集者は日和っていると指をさされるかもしれないけれど、自分の信じた「すごいこと」が、誰かにとっても「すごいこと」だと共有でき、それが形になったことが純粋に嬉しかったのだ。

ぼくにはぼくのやるべきことがあるし、それを考えて形にすることで、戸田真琴さんご本人はもちろん、今度は平田真人さんやコラムの読者たち、それから彼女のファンたちに、何かしらの感情を抱かせて、より全員が「自分の信じたすごいこと」を肯定しまくれて、生きる力が湧いたらもっと素敵だなと考え直した。

そんなことを考えながらラーメンを食べた帰り道、戸田真琴さんのコラムで撮影をしてくれていた、少女写真家の飯田エリカさんから連絡がくる。「また3人で仕事がしたいですね」と書かれていて、驚く。

そういえば撮ってもらうようになったきっかけも、ぼくがコラムの写真を「どうにか飯田さんに撮ってもらいたいな」と思ってメッセージを送ろうとしたら、飯田エリカさんから「あのコラムの写真って……」と呼びかけてもらったことから始まったのだ。

そのときのことが蘇ってきて、ばかみたいに嬉しくなってしまった。そう、ぼくにはぼくのやること、やれることがあるだろうし、すごく考えたい。いま仕事を詰めすぎてしまって反省しているところなんだけど、まずはそっちをしっかりやりきって考えたい。

そうそう。テレビブロスのインタビューを読んでから、KAI-YOUで連載していたコラムを読み直してもらったら、きっと新しい発見があるはず。

ということで、巻頭特集は星野源だし、他にも面白いコラムもいっぱいなので、今週のテレビブロスをぜひお買い求めいただけると嬉しいです。

#日記 #コラム #エッセイ

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