寝てる猫とぼくと創造性の見立て

VOGUE GIRLからのLINEで「しいたけ占い」が届いて月曜日を意識する。牡羊座は今週、パワーがみなぎっているみたいで嬉しい。あっ、そうなんだ、じゃあ今週は前のめりに行こうかな、という気になる。

「しいたけ占い」が届くと、あわせて恋人の分も読むようにしている。シンプルに内容が気になるし、プラスのことが書かれていたら、彼女にも良いことがあるといいなーと思えてくる。

恋人にLINEで「しいたけ占い読んだ?」と聞いてみると、「きのこ占い!」と返ってきたので、急になんか卑猥な感じになった。仕事のこととかをぽつぽつとやりとりする。

いきなり猫の写真が送られてきて、「これ寝てる時のあなたに似てる」と言うので、その猫のだらーんとした顔といい体勢といい恥ずかしさを覚えつつ、唐突な振りに笑ってしまう。

どんなルートでこの写真に出会ったのかわからないけど、「寝てる時のあの人に似ている」と思われることそのものは(怒られたわけではないから)、とても心地よい感じがした。

よく見ているなー、と思いつつ、そういう「目」を持っている彼女はすごい。これは以前にロフトワークのイベント記事を作った時に、アーティストの鈴木康広さんが話していたことにも近い。

https://loftwork.com/jp/news/2018/01/11_lwexhibition02

鈴木:大事なのは「頭の中で修正をかけないこと」だと思うんです。大学生のときからずっと「物体を目にした時は“別のもの”として見る」ことを習慣づけていました。いわゆる「見立て」をするわけです。毎回「別のもの」として見る。

林:私も子どもの頃、雲が綿菓子に見えてた!(笑)。そうか、大抵の人はそこで「わかったふり」をしちゃうけど、鈴木さんはしないよね。

鈴木:大人になると船が「ファスナー」に見えたと思っても、一瞬で頭の中を修正してしまう。「いや、あれはファスナーなんかじゃない、船だ」なんて。それは自ら創造性を閉ざしてしまうことにつながりますよね。

創造性を自ら閉ざさないように、頭の中を修正しない。そして、子どもの頃の無邪気な見立てをもっと楽しむこと。恋人が猫をぼくだと思ったように、それが洋服、食べ物、持ち物、言葉、それからそれから、いろいろと重なっていくと、だんだんと「その人っぽさ」が見えていったりするのかもしれない。

とりあえず、猫っぽく、今日は丸まって眠ってみた。

#日記 #エッセイ #コラム #創造性

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?