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こんにちは負の感情、ありがとうレンズ沼(2018年10月16日〜10月22日)

2018年10月16日 たしか曇り 当たり店に出会って幸せ

昼頃起きて、事務所で仕事。事務所を構えるまでは自宅が仕事場だったんだけれど、僕はやっぱり分離しているほうが気持ちが入りやすくていいみたい。根本的に僕はオフィスとか仕事場っていう存在そのものが好きなのだ。そこにいる間は、ちゃんとしているっぽい空気もまとえるし。

事務所仲間が買ってきてくれたケバブライスを食べる。夕方に、動画番組の構成作家をさせてもらえる(かもしれない)というワクワクする話があって、事務所で打ち合わせ。もらっていた企画概要よりもアイデアが広がった。実現できたら楽しくなる予感がする。まだすこし、先の仕事だけれど。

そういえば、結婚する前に妻が友人と大阪へ旅行をしたとき、占い師に僕のことも見てもらったそうで、「10年後には今とぜんぜん違う仕事をしているかもしれない」と言われたらしい。想像つかないけど、少なくとも仕事はしているんだと、ホッとした。ちなみに、この占い師の言うとおりに入籍日を調整したので、もし10年後にこの日記を僕か、それとも誰かが引っ張り出してきてうまく当たっていたら、占い師すげぇな!ってなるとおもう。

事務所仲間が別の打ち合わせのあと、ビールを飲みにいくというのでついていく。御徒町の[Hitch×kakeru(ヒチカケ)]は、世界一周をしてきた夫婦が営んでいるらしく、世界のビールが良心的な価格で飲めて最高だった。お目当ては珍しい「桃のヴァイツェン」だったそうで、無事にありつける。ベタッと甘いんじゃなくて、桃の香りが心地よく、皮の境目にあるわずかな渋みのような美味しさが、あるような。

すっかり楽しくなって、前々から気になっていた御徒町の線路高架下にある[老酒舗]にも寄ってみる。味つけが容赦なく現地仕様っぽくて美味い。今日は当たりだ!と飲みすぎ、事務所へ戻る。仕事終わりの妻も来る。

妻の靴下が可愛かった。ちょっと前に、ドンキで見つけて買ったんだった。

2018年10月17日 さむい 体調悪化からのケバブとバキで回復

一度眠ったと思ったら、深夜に大量のピーマンをきざんで、ツナ缶で炒めてめんつゆで味をつけた常備菜をつくっていた、らしい。

そこで何かを使い果たしてしまったのか、起きると体調がひどい。寝直してもからだが復調せず、使い物にならないので、KAI-YOU編集会議をお休みさせてもらって回復に努め、夕方には白飯とピーマン炒めを伴って事務所へ。仕事はしなくてはなりませんので。

体力の回復に必要だったのか、妙にお腹が空く。白飯食べて数時間後にはお腹が空いて、閉店間際の[モーゼスさんのケバブ]に滑り込んで、ケバブライスをチリソースでもらう。食べていると体が復調してくるのを感じる。別に薬でもない、何ならそれほど体に良いとは思えないメニューではあろうけれど、牛肉や鶏肉をもりもり食べていると、体がいい感じにバグってくれるというか、勘違いをしてくれるらしい。夜にはどうにか立て直す。

エドワード長谷くんとのPodcastを収録。昨日、彼が見に行った2.5次元舞台の「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」について。これまで演劇をあまり観たことなかったという長谷くんが熱っぽく話してくれるので、まだまだ演劇っていうのはチャンスがあるんだろうな、と感じる。

収録の後半で、音楽ライブとの比較の話になり、たとえば特定のグループの地方公演なんかを追っていると、「今回のツアーで最高のアクトは札幌だったよね!」というファンの熱量があるけれど、映像化されるのはたいてい東京や横浜で行った大規模公演ということがあり、これはもったないのではないかと思った次第。大変だとは思うけれど、全公演を固定カメラでもいいので映像化して、クラウドからいつでも観られるようにすれば、ファンは嬉しくて個別でも課金できるし、コミュニティ的にもよいのでは……とか妄想。

収録終わって、仕事の続き。写真家の飯田エリカさんからメッセージがきて、とあるアプリのアイデアを聞かされ、盛り上がる。僕でも作れるものかしら。ちょっと調べてみることにして、頭の片隅に常におくタスクとする。

仕事の合間に、妻の勧めで買った『バキ』完全版をめくりだすと面白くて止まらなくなり、仕事と『バキ』を往復して10巻まで読む。4時半にタクシーで帰る。妻と枕元で会話すると「男性からの渋川剛気人気は異常」と言っていて納得する。「花山薫 VS スペック戦の盛り上がりすごくない!?」とかも笑い合って、実はずっとこれまで少年マンガではなく青年マンガを読んできて、小学生の頃は僕くらいしか読んでいなかった『少年ガンガン』の愛読者だったので、こんなピュアに「あのマンガやばい!」みたいなことを盛り上がれる機会が少なかったから、妙にうれしい。

『グラップラー刃牙』の完全版も買わねば。たぶん、シリーズ全部買う。

2018年10月18日 おだやかな暖かさ ワインを飲んでしまう

朝から六本木ヒルズで開催されるフォーラムの取材。トークイベントを4本見てメモを取り続ける。指の運びの調子が良い時と悪い時があるのは、どうしてなのかしら。僕は正しいタイピングを覚えないままきてしまって(ブラインドタッチもあやふやだし、なんなら人差し指で打ちまくる勝手流だ)、ミスタッチも多いのが、こういう急いで書かないといけないときに不利だ。近い将来に「ハセガワさんのタイピングってマジひどいっすね」と言われる妄想をしながら、どうにか打ちまくる。昼はマクドナルドで、てりやきチキンフィレオとチキンマックナゲット。鶏肉ばかりになってしまった。

取材を終えて、荻窪へ移動。妻を伴って、かつて同じ職場で働いていた女性と食事。彼女は7月頃からダイエットに励んでいるらしく、すでに15kg近くの減量に成功。久しぶりにあったら、冗談抜きで一回り小さくなってた。いやぁ、すごいものだ。ハイペースで痩せているけれど、本人はそこまで何か無理をしているものではないらしい。ダイエットにはコツがあるんだな、と思わされる。

彼女は夫婦で、妻と僕がやっている音声配信をずっと聞いてきてくれているリスナーだという。プチオフ会みたいなもので、妻はすこし調子が出てきて音声配信同様の鋭いコメントを投げたりして、たのしくなって笑う。荻窪の[orq.]は何を食べても美味しく、価格も手頃ですごく良い店だった。トリュフのかかったポテトサラダとか、ごぼうのフリットとか。楽しくて、僕はイタリア産の赤ワインをぺろりと一本飲んでしまう。ワインを調子よく飲めるとき、ぼくはすごく体と心のバランスがいい気がする。

家に着いて、仕事で観ないといけない映画を一本。かっこいい女たちのしびれる話。この軽快さを原稿でも表現できるのかは、ぼく次第。

2018年10月19日 涙がこぼれるような雨 ReoNaすごかった

ほんとうはもうちょっと早起きしないといけなかったんだけど、ワインやら深夜の映画やらで、ぐっすり寝てしまう。昼過ぎにのそのそ起き、妻が炊いてくれたご飯に、レトルトのガパオライスの具をあたためて、朝食兼昼食。数日前の「夜中のピーマン炒め」と、セブンイレブンのフリーズドライのかきたまスープ。じゅうぶんすぎる。妻と、ほどよくちゃんと美味しいものを食べている時、この時間をたくさん作りたいなぁ、という思いに、いつもいっぱいになる。豪華じゃなくていいのだ。ほどよく、美味しく。

KAI-YOUに顔を出して、新見編集長と打ち合わせ。いろいろと方針の案が決まる。これまで毎週、編集会議に出るようにしていたけれど、「制作の時間に振ってほしい」ということで定例出席はなくなることに。原稿やニュースの制作をがんばっていきます。ちょっと寂しいけど、スケジュールの算段が付きやすくなるのは助かる。あぁ、置いてる荷物を引き上げなくちゃ。

夜は「Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE」に移動して、新人アーティストのReoNaのライブを観る。とある縁で、デビュー前から応援している彼女が、ついに個人として初のワンマンライブ。歌声も表現力も、ステージングもMCも、ほんとうに毎回観るたびに、どんどん上手くなっている……上手い、というか「迫る」ものになっている。ぼくはその声から逃れられなくなり、心の底にある小さな不安とか、見ないようにしていた辛さとかが、じわじわと浮かび上がっていくのを感じるのだけど、それは決して嫌な体験ではない。「負」というものへの向き合い方を確認できるような、そういう幸福感でもある。『カナリア』と『Rea(s)oN』で2回泣いた。

ReoNaはMCで「命の捧げ方には様々あって、お金とか、文字通り命とか……私は時間もその一つだと思う」と、今日このときを観客に捧げたこと、それを共有しあえたことを例えた。すごい言葉だなと思った。今までライブで「一緒に過ごせて嬉しい」というフレーズや感謝は何度も耳にしてきたはずだけれど、時間という命の捧げ方を、いま私はここでしているんだよ、という表明なんて出来るものじゃない。

時間という命の捧げ方。それを頭の片隅に起きながら、今夜のところはライブ後の打ち上げにも混ぜていただき、朝まで飲んで、みんなでライブの成功やReoNaの姿を喜び味わい、富士そばで紅生姜天そばを食べて帰る。妻が、肝臓に効きそうなドリンクを買ってくれていて、ありがたく飲んで寝る。

2018年10月20日 ふいに降る雨 バキを読み進める

重い体を持ち上げたり、布団に戻したり、妻のそばで怠惰に朝を満喫してしまう。家にある大きな荷物を、シェアカーを借りて事務所に運ぼうと思って予約したのに、予約時間になっても起きられず、6時間パックのうち2時間を無駄にしてしまう。

とはいえ、たいした距離でもなく、妻も運ぶのを手伝ってくれたおかげで2時間もかからずミッションが終わる。車を返して、雨が降りそうで降らない座りの悪さを覚えつつ、背脂醤油ラーメンを食べてから電車で事務所へ。駿河屋からゆうパックが届いて、『グラップラー刃牙』完全版の10巻までと、古い広告批評(吉行淳之介の短い文章が載っている)を手にする。

仕事をしないとなぁ、という思いを抱きつつ、『バキ』完全版の続きを読み始めてしまい、最後の方は「楽しみにとっておこう」よりも「走破したい!」の思いが勝って17巻まで読み切って感動する。震えるシーンもありながら、妻と落ち合って銭湯へ行きがてら名場面を共有する。僕は99.99を飲みながらの夜、好きなマンガの感想を話し合うなんて、そんな幸せ最高だ。

銭湯の風呂もずっとずっと気持ちよく、すっかりほぐれて、ロビーで缶ビールと発泡酒。帰宅して、蒙古タンメン中本の冷凍汁なし麺を肴に、ハイボールを飲みつつ、妻と『アメトーーク!』のグラップラー刃牙芸人の会を笑って観る。仕事は、まぁ、ぼちぼちだけれど、いい土曜日だった。

2018年10月21日 びっくりするほどの快晴 たのしい撮影会

午前9時から上野公園に集合。飲み仲間で写真友達でもあるSさんが企画してくれた「撮影会」に参加する。Sさんとは、今度は仕事として、とあるイベントの撮影に行くので、その練習と機材のチェックも兼ねている。

すこし遅れてしまっていくと、陽の空気を感じる女性がSさんといた。Sさんが以前から親交があって、撮影モデルとして呼んでくれた古橋佳那さんだ。

古橋さんは元声優で、今は会社員をしながら四柱推命の鑑定士としても活動している。属性盛りだくさんだけど20代後半くらいかなぁ、とぼんやり思っていると、後に僕より歳上とわかって、もう基本的に全員自分より歳上と決めて向き合うほうが絶対いいな、と気持ちを改める。ここはカリスマホストのROLAND様の言葉を再度胸に留めるとしよう。年齢なんて当てにならん。

今まで編集者として撮影に立ち会うことはあっても、こういう撮影会にカメラを持って参加するのは初めてで、おっかなびっくり撮り始める。ただ、Sさんも古橋さんもすごく快い人たちで、お互いの写真を見ながら「いいね!」と口にしたり、ポージングや動きに対して「素敵!」と言っているうちに、どんどん自己肯定感が高まり、目に見えて写真もよくなっていく。

途中から、共通のサウナ仲間でもあるOさんも交えて、3人がかりで撮影。古橋さんは撮られっぱなしで疲れもあるだろうに、嫌な顔ひとつなく、衣装チェンジまで…!お昼にはテイクアウトした[iacoupé]のコッペパンを食べながら、四柱推命の鑑定もしてくれ、僕の資質や妻との相性を見てもらう。僕と妻は重なる資質もありながら、補い合うところもあり、一緒にいると「物事が拡大していく」という間柄らしく、相性は良いとのこと。ホッとする。

気づけば夕方16時頃まで、点々としながら撮影をして、明らかに僕はカメラの使い方と意志が上達し、最近使い始めたレンズへの理解度も上がる。今日のカメラ3人は全員がFUJIFILMユーザーなので、レンズを取り替えっこしながら撮影もできて楽しかった。Sさんに借りた「XF56mmF1.2」やばかったな……欲しくなった……こうして人はレンズ沼にハマっていくのか……。

古橋さんからお許しをもらったので、何枚か貼ってみる。写真選ぶのって難しくて吐きそうになりますね。

撮影会、すごく楽しかったので、またやりたいなぁ。と思ったら、LINEグループが組まれて、次なる機会もありそうで嬉しい。

終えたら事務所で仕事。気づくとてっぺん回っていて、仕事場を求めて作業しに来た友人たちと、秋葉原駅近くの[すしざんまい]へ。イカの肝醤油焼きが最高に酒に合う。接客が心地よい。タクシーで帰って、妻と話しながら眠る。冷蔵庫に、先日飲んだ肝臓に効くドリンクが増えていたりして、その想いにも感謝する。今日は本当にすてきな日曜日だった。

2018年10月22日 わずかに寒い エゴサばかりしてしまう

午前中から事務所で仕事。15時〆切の原稿を納品して、美容院で髪を切り、秋葉原の[一刀屋]で家系ラーメンを食べて、また事務所で仕事。

先日、仕事に出かけようとしたら妻が「早くお正月になればいいのにね」と言って、それは予定のない一日を過ごそうという意味でもあるのだけど、その言葉の優しさ(と不満)はわかりつつ、まだまだやることがあるし、日々増えている状況ではある。最近、たまに右手首が痛いのが気がかりだ。

今日公開された、スタジオジブリの鈴木敏夫さん、クラフターの石井朋彦さん、クラシコムの青木耕平さんの鼎談(前編)記事、反応が気になって、ちょいちょいエゴサしてしまう。概ね好評そうでホッとする。後編のほうが、実はフックが多い気もするので、明日もエゴサが止まらないかも。

仕事の合間に『グラップラー刃牙』を読みつつ、コツコツと進めていく。愚地独歩の傷と眼帯の理由がわかって、なるほどなぁ、と頷いたりする。愚地独歩は結局、帰って妻の尻をなでたんだろうか。なんとなく、そうした、ような気がする。

仕事終わりの妻と落ち合って銭湯へ行く。風呂上がりにキリン本搾りを飲みつつ、これを書いている。ロビーにいた男性たちが「日高屋どうする?」と言って、にやっと笑い合って出ていった。いい関係だなぁ。

今日から木曜日まで予定がみっちり。生き抜く、ぞ。

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