ベトナムの手品師タクシードライバー

旅行に行くと何かしら災難に遭う私のトラブルトラベル。
今回はベトナムのホーチミンでの出来事です。

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2016年5月の終わりから6月の頭にかけて5日間ほど、
妻とベトナムへ旅行した。

ベトナムのホーチミンに着いた初日、
高校の同級生もちょうど出張でホーチミンに来ていることをFacebookで知り、夜一緒に食事をしようということになった。

会うのは高校卒業以来初めて。
実に32年ぶりとなる再会が、地元静岡でも東京でもなく、
ベトナムのホーチミンというのは何とも愉快な話だ。

ワクワクとソワソワが入り混じった感覚で支度をし
ホテルを出ると、ちょうど目の前に来たタクシーに乗り込んだ。
待ち合わせ場所のホテル名、「REXホテル」をドライバーに告げるとすぐにOKと返事。
ホーチミンの中心地に建つ大きなホテルなので誰でも知ってるのだろう。

ボッタクられないように、乗り込むとすぐに料金メーターを作動させるようにドライバーに告げる。タイのバンコクと同様にホーチミンも一方通行が多く、目的地に行くのに迂回を繰り返し大回りで走るタクシー。
しかし、昼間乗ったタクシーに比べ、メーターの回転がやたらと速い。見ていると10秒毎にどんどん料金が加算されていく。

昼間と夜では料金形態が違うのか?などと考えている間にも、走行時間的に昼間と大して違わないのに、示される数値は既に3倍を超えていた。

何となくいくらになるのか心配しつつ、リュックから財布を取り出すと、
すぐお金を出せるように財布を手に持って座っていた。

ホーチミン初日で、まだちゃんと地図が頭に入っていないながらも、タクシーが街の中心地に近づいていることはわかる。もう少しでホテルに着くかなと思っていたところ、突然ドライバーは車を路肩に寄せて止まった。

そしてこちらを振り向くと、もう一度ホテルの名前を教えてくれと言う。

え?REXホテルだよ。乗った時 即OKって言ってよね?どういうこと?分かってなかったわけ?

私はプリントアウトしてきた地図を見せ、ここだよここ!とホテル名と場所を示したのだが、文字が小さいからなのかよく解らないといった感じで、今度はここにホテル名を書け!と折り畳んだ新聞を私の地図の上に広げ、ペンを私に渡そうとする。

何でわからないわけ?突然のドライバーの行動が全く理解できない。

仕方なくペンを取り、ホテル名を書こうとすると、ここだここに書け!と新聞をバンバンと叩き、揺さぶった。なんだよ、書こうとしてるのに書けないじゃないかと思いつつ、なんとか RE...X Ho..

だが、Hotel の文字まで書き終わらない内にいきなり気が変わったのか、今度は「やっぱりわからないからここで降りてくれ。」 と身振りと片言の英語でいい始めた。しかも急に怒った口調でだ。

お金も要らないから、ここで降りてくれ!!

え、何それマジで?

いいからもう降りろ!
早く降りてくれ!!

なんだよ一体。でもまぁここは多分歩いても数分でホテルに着く辺りだし、それならそれでいいか…、メーターは70,000ドン(350円)を超えているけど、それがタダならラッキーか。

無理やり下車を促す、怒り口調のドライバーに追い立てられるように、車を降りた私たち。

そしてドアを閉めた次の瞬間、
タクシーはいきなり急発進!しかも一方通行の道をUターンして、あっと言う間に後方の交差点の向こうに走り去ってしまった。

そのタクシーの動きに違和感を感じながら、さっきまで手に持っていたはずの財布の所在が気になり、リックのジッパーを開ける...。
あれ? 財布がない!リュックのポケットは? ない! もちろんズボンのポケットにもない。

どこにも無かった。

キツネにつままれたようだった。

地図を見せた時、その上に新聞を乗せられた時、あの瞬間って手に持っていた財布はどうしたっけ?
手に持ったままだったのか、一旦足元においたリュックの上に置いたか、中にしまったのか...、その時の状態が思い出せない。

しかしペンを持たされたあの時、少なくとも財布は右手にはないわけで。。
たぶん、ペンを差し出された時、無意識に足元のリュックの上に置いたのではないだろうか。
そしてペンを取り、目の前で叩かれた新聞に気を取られていた時、足元では財布に手が伸びていたに違いない。。。

私の視線と意識を 広げた新聞の上に集めておきながら、その陰で...というこの仕組みはまさに手品師のテクニック!
お金も要らないから降りてくれ!と態度を一変させた時には既に手品は終わり財布は消えていたのだ。

あぁ。。何という失態。

財布にはクレジットカードが2枚とタイの銀行のキャッシュカード、そして私のこの旅行の全財産約5万円が入っていた。
いつもなら両替した現地通貨を妻と2等分して持つのに、今回は何故かほぼ全額を私が持っていた。

地に足が着かないというのはこの時のことをいうのだと思う。
まったく現実だとは思えないのだが、財布はどこにもない。

とりあえず、待ち合わせ場所のホテルに歩いて向かった。
案の定、降ろされた場所からホテルは近く、2,3分も歩くと到着した。
ロビーで絶望と共に友人を待つ。
ほどなく友人が到着したのだが、再会のあいさつもそこそこに、たった今     全財産の入った財布を盗まれたことを話す。

驚きながらも、すぐにカードを止めなきゃと
会社の携帯を使ってカード会社へ電話をかけてくれる。

それにしても32年ぶりに再会したと思ったら、夕飯をおごるはめになってしまった同級生には申し訳なさしかない。(苦笑)
さらにお金を1万円貸してくれた。本当に感謝。

妻が持っていた5000円と合わせて1万5000円で残り4日を慎ましくやり過ごすこととなったベトナムホーチミンへの旅。

今回のタクシー、本来は改造したメーターでぼったくる白タクだったわけだけど、私が手に財布を握りしめていたのに気づいて、急遽仕掛けてきたのだろう。結果、ぼったくりメーターの100倍以上を一瞬で稼げてしまったわけだ。
悔しいー。

最後にこれからベトナムのホーチミンへ行くみなさんのために、
乗っても大丈夫なタクシーとぼったくりタクシーをお教えしましょう。

優良タクシーはこの2種類
白地に赤と緑ラインの「VINASUN TAXI」ビナサンタクシー


ボディが緑色の「MAiLINH TAXI」マイリンタクシー


そして乗ってはいけないのがこちら
白いボディーにマグネットシートでロゴやら電話番号?を貼り付けたタクシー。
「TAXI Vantaidulich」

観光客の多いベンタイン市場の周りでカモを狙っているようですので、
気をつけてくださいね。


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TROUBLE TRAVEL

これは旅に出る度にトラブルに遭うワタシの記録(ノンフィクション)である。アメリカ編につづいてタイ編、ラオス編を追加予定。
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