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アルツハイマー型認知症・日々の活動に変化あり【認知症ケア実践】【ミッケルアート回想法】

今回は、ミッケルアート回想法によって、利用者様の会話量が増え、日々の活動が意欲的になられた事例について紹介します。
 
この事例は、ミッケル研修の認知症ケア力を高める「LOVE LOVE研修」を受講された方の修了レポートがベースとなっております。
  

1、ミッケルアート回想法・実施前の状況

A様の情報

  • 年齢   90代

  • 性別   女性

  • 要介護度   要介護度2

  • 認知症の種類 アルツハイマー型認知症

  • 自立度    Ⅲb

  • 寝たきり度  A2

Aに勤務後、夫と結婚。転勤を経て家を建て、2子を育てる。主婦業の傍らパートに就き、2社に10年従事。住宅生活が困難であると判断し、特養に入居。
 

2、ミッケルアート回想法実施の概要

  • 実施期間…3か月

  • 取り組み内容…週2回、一回あたり20分程度、ミッケルアート回想法を実施

  • 工夫した点…ミッケルアート実施時に利用者様が傾眠されることがあったので、出来るだけ話題を増やしておこなった。

  • DBD13スケールを使用


3、4ヶ月間の変化

・開始前の2週間の様子:

 Aさんは、ホールでの寝ることが多く、時計を気にして眠れないこともありました。また、帰りたいという思いや、入院理由についての理解が不足している様子が見受けられました。
 この期間で、職員の働きかけが必要であることがわかり、声かけを通じたアプローチが重要であることを感じました。
  

・ミッケルアート回想法開始から1ヶ月目の様子:

 Aさんの表情や話し方に変化が見られました。昔の体験や思い出について楽しそうに話し、特に学校や地域のイベントに関する思い出が活発になりました。
 また、利用者様が自ら答えることが難しい質問においても、手助けをすることで理解が深まるケースも見られました。

・開始から2ヶ月目の様子:

 Aさんの過去の趣味や生活についての記憶がさらに豊かになっていきました。家の手伝いや友達との遊びに関する話題が増え、日常生活への関与が深まっていきました。

・開始から3ヶ月目の様子:

 表情や会話から、より多くの記憶が活性化していることがわかりました。季節や食べ物、家族との思い出など、幅広いトピックに関する話題が出てきました。

・4ヶ月目の変化:

 最後の1ヶ月間は、ミッケルアートを実施せず、普段の様子を観察させていただきました。Aさんの表情や会話には若干の変化が見られました。記憶の活性化や日常生活への積極的な関与がやや減少したようです。
 

4、まとめ「職員自身の気づき」

・日々の声かけに活かしたい点

 おやつの時間などでの皿洗いや食事の手伝いを通じて、利用者様の残存機能を活かす支援です。この効果検証を踏まえ、積極的に声をかけて、利用者様が日常生活に参加しやすい環境を提供することが重要であると感じました。

・日々の活動に活かしたい点

 日中の傾眠が見られるため、身体を動かし夜間に良眠できるような活動を重視することです。利用者が積極的に参加できる身体活動やリラックスできるプログラムを提供し、健康的な睡眠リズムをサポートすることが必要だと感じました。
 
★次世代リーダーの育成に関する「ミッケル研修」(通信制)についての詳細は以下のリンクからご覧ください。
https://www.mikkelart.com/training-care

【事例提供元、「ニコニコタウンきいれ」様】

 この法人様では、新人職員の方のために、認知症ケアのスペシャリストになるための3年間の養成プログラムが用意されています。
 勤務して3年目には介護福祉士受験対策講座が用意されており、3年間の実務経験を経て介護福祉士の国家資格を受験することができます。 

ニコニコタウンきいれ様のホームページはこちら⇩

 https://kiire.jp
このような事例を通して、職員様の一人ひとりの関わり合いは、利用者様の日常を変えることに繋がると感じます。
福祉の現場で働く皆様の気づきになれば幸いです。
 
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