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花火の思い出

夏休み従兄弟が集まると花火で遊んだ。いつも悪ガキの従兄弟はネズミ花火を私の足元に投げつけ逃げ惑う私を見て笑っていた。ロッケト花火に火をつけるのは年上の従兄弟達。ドキドキしながら見守った。締めは線香花火。危険な花火としみじみとする花火。従兄弟達との花火大会は最高だった。

結婚し子どもができた。実家の夏の花火も様変わりした。兄、姉、私の子ども達、7人の従兄弟達が夏休み集まるとやはり花火大会が始まった。私の子ども達は全員喘息持ち。鬼軍曹の祖父が花火を仕切る。喘息持ちの孫達に花火の煙が行かないように風向きを計算しながらゲキを飛ばす。兄や姉の子ども達は祖父の号令通りロボットのように花火をしている。

私はその光景を見ながら悪ガキの従兄弟達がタイムスリップし、ぎこちない動きで花火をしている子ども達にネズミ花火投げ込んでほしいと思った。ネズミ花火に逃げ惑う子ども達の姿を見たかった。たとえ花火の後喘息が出て吸入をしなければいけないとしても。

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