いしいしんじ

『ブランコノリ』

音楽を作っています。

例えば、いしいしんじさんの『ぶらんこ乗り』を愛読している人に聴いてほしい。

あるいは。

あの頃の違和感は

否定も肯定もされることなく

ただ人知れず ​今も静かに

埋もれたまま

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おとなのためのやさしい物語

元号が変わったことに対してあまり意識を向けていなかったものの「令和のはじめに読むのはとっておきの本にしよう」という気持ちだけは強く、本棚から自然とこの小説を手に取っていた。

さて、いしいしんじをご存知だろうか。

わたしが彼を知ったのは下北沢のヴィレッジヴァンガードだった。平積みされていた『ポーの話』に目が留まった。そのシンプルなタイトルとひらがな6文字の作者名、装丁に惹かれて文庫を手に取り裏の

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『ぶらんこ乗り』 いしいしんじ

本当は『ポーの話』を読んでみたかったのだけれど文庫本が手元になくて、そのときの私は文庫本が読みたかったから。
最近仲良くなったひとが小さい頃にぶらんこをこぐのが上手だったと言った。
ぶらんこのくさりに腕をからませて、揺られながらくるくると他の方向に体をよじったり、でんぐり返しをする。
友達に、あれやってよ、って言われてぶらんこの技を見せながらきっといつかサーカスとかのひとからスカウトが来ると信じて

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ぶらんこ乗り

いしいしんじさんの著作『ぶらんこ乗り』を読みました。古本屋で見つけて、何となく買った一冊。買ってよかった。読んでよかった。以下、少し内容に触れるので、まだ読んでいない方はご注意ください。

ひらがなが多くて最初は読みにくいかも、と思ったけどそんなことはなかっです。逆に頭のなかに、やさしく、フレーズが残ります。

主人公のお姉ちゃんと、ぶらんこに乗るのが上手で、指を鳴らすことが得意な、お話づくりの天

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「悲しみ」が表現を豊かにする

京都の本屋さんホホホ座さんとミシマ社さんが共催の、「夏の小説ゼミ」に参加したときのこと。

講師は作家 いしいしんじさん。

いしいさん自身のの作品“蟲の目”を題材に、

「主人公の名前はどうやって決めるの?」
「この表現、どういう経緯ででてきたの?」「そもそも、文章を書くときはどういう思考回路でストーリーができていくの?」

などの質問を通して、小説の組み立てを学んでいくという内容のもの

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「つなぐ」ための物語の効用――『物語とふしぎ』

まだ学生の頃、作家のいしいしんじさんが大学に講演に来られたことがある。演題は、「呼吸する小説」。これまでいしいさんの脳内で巻き起こってきた摩訶不思議な発想の数々や、創作にまつわるエピソードに耳を傾けては、思わず声を出して笑ったり、唖然としたり、しんみり感動したり。まさに“奇人”と言われるいしいさんの世界観一色だった。

ふしぎな質問と、いしいさんの物語り

そんな講演も終盤に差し掛かり、質疑応答の

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いしいしんじさん 「毎日が一日だ」
いしいさんのエッセイが好きだ
小説はいつも想像の先を超えて行き、たまに追い付けないほど遠い。(発想の方法知りたいですよ)

だけど、エッセイの目線はいつも近い。とはいえ作家の目だなぁと思う。観察者というか、透明。

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