アルフォンソキュアロン

『トゥモロー・ワールド』は資本主義リアリズムという名のディストピア

資本主義にたいする絶望感をわかりやすく表現したことで著名なマーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』の第1章に『トゥモロー・ワールド』が紹介される。この世界ではもう10年以上も原因不明のまま人類は出産不能になっている。未来などないのに文明活動だったり紛争だったりをあいかわらず人類は繰り返している。主人公のクライブ・オーウェンやジュリアン・ムーアは10数年ぶりに妊娠した少女を守るべく奮闘するのである

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Netflixの革命を受け入れた時、「映画」は次の時代へ進める

【『ROMA/ローマ』/アルフォンソ・キュアロン監督】

果てしなくエモーショナルな、圧巻の映画体験。

2時間15分にわたって、激しく揺さぶられ続ける感情の動きに、もはや言葉が追いつかないとさえ感じてしまった。

それでもあえて、「寡黙」にして「饒舌」なこの映画について、言葉にして表すならば、

今作は、静謐なモノクロ映像でありながら、僕たちのあるがままの日常を鮮やかに彩ってくれ

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最後までお読み頂きありがとうございます。とても励みになります!
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アップリンク吉祥寺で、「ROMA/ローマ」の心地よい音に包まれよう。

1.アップリンク吉祥寺の音響システムがスゴい。

今回は吉祥寺パルコにオープンしたばかりの映画館「アップリンク吉祥寺」の、こだわりの音響システムについてのレビューです。

映画の街・渋谷で良質な作品を上映してきたミニシアター系映画館「アップリンク」が、昨年末に吉祥寺で新店舗をオープンしました。
それぞれ違ったコンセプトで彩られた5つのスクリーン、他では味わえないフードメニュー、そして個性的な上映ラ

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ぐっさん合わない?【ネタバレなし】「ROMA/ローマ」映画おじさんとニワカ兄さんの映画レビュー

こんにちは!
映画おじさんのアキヤマと、ニワカ兄さんのぐっさんです。
今回は2019年2月に発表された第91回アカデミー賞でも大きな話題を呼んだ
アルフォンソ・キュアロン監督による
NETFLIXで公開中の映画「ROMA/ローマ」について
2人で【ネタバレなし】の感想トークをしました。

「ROMA/ローマ」の【ネタバレなし】感想トークはこちら!↓

収録日:2019年3月19日(火)

また、以

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ブログに「ROMA/ローマ」(2019) 感想を書きましたー!
第91回アカデミー賞 最多ノミネート&外国語映画賞、監督賞、撮影賞の3部門を受賞した話題作をイオンシネマで観てきました!
http://aozprapurasu.hatenablog.com/entry/2019/03/11/214904?_ga=2.256938253.725867944.1551241818-1906099834.1397489967

『ROMA/ローマ』を観た後に知っておきたい10のこと

アルフォンソ・キュアロン監督がNetflixと組んで制作した映画『ROMA/ローマ』の理解を深めるためのテキストです。

「観る前に知っておきたい10のこと」では、監督があえて説明しなかった時代背景や事件を観る前に説明するのはNGかと思い自粛しました。こちらで説明しています。

■『ROMA/ローマ』を観た後に知っておきたい10のこと

①経済格差は拡大し、政府と民衆との対立は深まるばかりだった当

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『ROMA/ローマ』を観る前に知っておきたい10のこと

アルフォンソ・キュアロン監督がNetflixと組んで制作した『ROMA/ローマ』が、第91回アカデミー賞で、監督賞、撮影賞、外国語映画賞を受賞しました。
 作品賞にもノミネートされていましたが、外国語の映画が作品賞にノミネートされたことは初めてのことで(本作で話される言語は主にスペイン語です)、もし作品賞の受賞となれば、とてもメモリアルなことでした。
 前評判では、作品賞の最有力作品でもあったので

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「ROMA/ローマ」には観たかった全てが詰まっていた

前に仕事でお世話になった方からラインがきた。
「みかちゃんに絶対観て欲しい映画があります。」
って言われて初めて知った映画「ROMA/ローマ」

監督の名前をみてうわ!!絶対に観なくちゃ。と思った。

監督はアルフォンソキュアロンさん。
「天国の口、終りの楽園」という作品が大好きなので新しいのがあったなんて

天国の口、終りの楽園ではメキシコの匂い湿気気温がムンムンギラギラとそのまま伝わってくる映

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Netflixオリジナル映画『ROMA』は、各シーンを切り取って写真展が開ける映像美

私の好きな本に沢木耕太郎氏の『彼らの流儀』がある。

私はこの本を読むと元気づけられる。ロックやEDMのようなアップテンポな音楽を聞いてテンションを上げるようなものではない。自分が持っているが使えていないエネルギーが、体の奥の方からじんわりと湧き上がってくるイメージだ。

ニュージャーナリズムな手法を取り入れるなど、積極的に「手法」を試そうとする沢木氏だが、同書籍の「あとがき」にこう書いている。

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