多数派と少数派の同床異夢…イラクのシーア派とヤジーディ

ヤジーディはイラクの人口の1%

イスラム教徒が多数の地域で宗教的少数派のヤジーディ。イラクには数十万人いるとされ、イラクの全人口の1パーセント程度とみられている。

ヤジーディを迫害してきたのは、いわゆるイスラム過激派あるいはサラフィー主義者と呼ばれるイスラム教スンニ派の一部過激勢力だ。特に、フセイン政権が2003年に米英の攻撃を受けて崩壊した後、現在までの十数年は、ヤジーディにとっての未曽有の

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ISがイラクとシリアで復活の兆し…税金徴収、車爆弾テロ増加

米国防総省(ペンタゴン)の監察官室は、7月16日に発表したレポートで、イラクとシリアのISの活動について「復活してきている」と警告した。

今も戦闘員数は推定1万8000人

ISは今年3月に、シリアの民兵組織「シリア民主軍」(SDF)がイラク国境の町バグズをから奪還したことで、支配地を完全に失ったとみられていたが、息を吹き返しているというのだ。支配地を再び獲得したわけではないというが、レポートに

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「傷口は開いたまま」…IS侵攻から5年、ヤジーディの終わらない苦しみ

ISが、イラク北東部シンジャール地区に侵攻を始めたのは2014年8月3日の未明のことだった。シンジャール地方に暮らす宗教的少数派のヤジード教徒(ヤジーディ)たちが標的になった。ISはヤジーディを、イスラム教が批判する多神教で偶像崇拝者であると決めつけて敵視していた。

シンジャール侵攻でISは、イスラム教への改宗を拒んだヤジーディなど数千人を殺害。約6000人を拉致して隣国シリアなどに連れ去り、性

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『「いいね!」戦争』を読む(6) 「市民レポーター」に敬意を表する件

▼前号では、『「いいね!」戦争 兵器化するソーシャルメディア』の第3章から、3つのキーワード、「クラウドソーシング」「市民レポーター」「オシント革命」を取り出した。

今号は「市民レポーター」について。適宜改行。しかし、2019年6月29日現在で、まだカスタマーレビューがついていない。不思議。

▼「市民レポーター」というのは、「命がけ」の場合がある。

〈ソーシャルメディアを使って、既成メディア

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『「いいね!」戦争』を読む(1)「ドナルド・トランプ」と「イスラム国」

▼インターネットって素晴らしいな、と思わせる記事が、2019年1月4日付の読売新聞に載っていた(安田龍郎記者)。「ネットの先に」という連載の1回目で、見出しは、

〈終わらぬ「闘病ブログ」/遺志継いだ 見知らぬ男女〉

大阪で暮らしていたヒロさんが、肺がんのステージ4を告知され、それから始めたブログが、ヒロさんが亡くなった後も、会ったこともない人々によって続き、ヒロさんの妻の香さんにとって、そのブ

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イスラム国幹部の元立命館大学准教授 モハマド・サイフラ・オザキの家に遊びに行き奥さんと会話した時の話

2016年にバングラデシュの首都ダッカで日本人を含む22名がテロ事件により殺害された。この事件の首謀者は元立命館大学准教授のモハマド・サイフラ・オザキ(以下オザキ)だった。
オザキは大分県にある立命館アジア太平洋大学を卒業し、同大の同級生だった日本人女性と結婚し、5人の子供がいた。またオザキは同大で博士号を取得した後、2015年まで立命館大学の准教授として働いていた。
オザキが立命館大学の准教授と

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ISとの間に生まれた子供たちを、ヤジーディ社会は迎え入れるべきか

「ヤジーディ」とも呼ばれる、中東の少数派宗教「ヤジード教」の信徒たちの社会生活には、他の宗教と異なる大きな特徴がある。

「ヤジーディ同士でしか結婚できない」という決まりだ。男女にかかわらずヤジード教信徒が、イスラム教などヤジード教以外の人と結婚しようとした場合、ヤジーディ社会から追放される。はっきり言ってしまえば、ヤジーディ社会に、ヤジード教徒以外の居場所はないということだ。個々のヤジード教徒か

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「女は中卒でいい」のか?

上のような質問は、私に限らず「女に学歴は要らない」「女は家/男は外でいい」などと公言する回帰主義型の保守アンチフェミが突っ込まれやすいところではあると思う。

よって「女は中卒でいいとか言ってるアンチフェミは、自分の娘を中卒にするのか?」という質問については、ここでしっかりお答えしておきたい。

◆前提

それに答えるためには、まず「何故女に学歴は不要なのか?」について説明する必要がある。

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ソーシャルネット時代のリアリティと「イスラム国」――日本人は"ヤツら"とどう向きあうべきなのか(軍事評論家・黒井文太郎インタビュー)(PLANETSアーカイブス)

今朝のPLANETSアーカイブスは、軍事評論家・黒井文太郎さんの「イスラム国」についてのインタビューです。90年代からビンラディンをはじめとしたイスラム過激派を追ってきたという黒井さんは、「ネットを有効活用して過激思想を広める恐ろしいテロ組織」とされる彼らのリアルをどう見ているのでしょうか――?(聞き手:中川大地、葦原骸吉+編集部、構成:葦原骸吉)
※この記事は2015年4月10日に配信された記事

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ISと、最後の時まで運命をともにした立命館大元准教授

2016年にバングラデシュの首都ダッカで発生したテロ事件。爆弾や銃で武装した犯人グループがレストランを襲撃、日本人7人を含む20人が殺害された。テロの中心人物とされるのが、バングラデシュ出身で日本国籍の元立命館大准教授、ムハンマド・サイフッラー・オザキ容疑者。そのオザキ容疑者がイラクで拘束されている、とバングラデシュのメディアが5月20日付で報じた。

バングラデシュメディアの英語記事はこちら。

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