ミスiD2019

紅茶とマドレーヌ

早くも9月が後半に差し掛かる今日この頃。

やっと、秋の香りを感じるようになった。

実際「秋の香り」というものは、具体的には存在しないのだろうが。

夏の暑さが終わって嬉しいような、またその反面寂しいような、そしてなんだか懐かしいような、
なんとも言い表せない気持ちになる。

____皆さんは、「プルースト現象」というのをご存知だろうか。

プルースト現象… ある特定の香りから、それにまつわる過

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赤信号で止まること

最期の夏の入り口に立っていたのは、

小さな野心の塊だった。

海辺に沈む夕日がだんだんせっかちになって、
夏の終わりを感じる。

空を見上げると、ひつじ雲が見えたから

もう次の季節がすぐそこにいるのを感じた。

時間の速さって、指数的に加速してるんだろうか。

そんなくだらないことを考えてみたりした。

夏って、なんだかパワフルになれる気がする。

ちょっとした、「なんとでもなる精神」。

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写真展「じきまるのへや。」開催決定

Twitterでもお知らせさせて頂きましたが、
この度、個展「じきまるのへや。」
をこの秋開催させて頂くことになりました。

ずっと夢だった、写真展。

じきまる。の世界観を、現実の「空間」として
再現できること。

私の、「じきまる。」としての卒業制作。

今回、初の試みとして主催するにあたって
正直なところ、不安だらけですが

開催する決意に至ったのは、
他でもなく、

「私はきっとやれる」

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心のヤンキー

朝、蝉の鳴き声で目が覚めた。

例年とは比べものにもならない涼しい夏がやっと終わり、まだかまだかと待ちくたびれた蝉たちが季節の訪れを知らせるように、一斉に飛び出す。

じめっとした梅雨の空気に包み隠されるように、
私たちは時間の流れを忘れてしまう。

そんな雨の日が続いた、最近の話をしよう。

「誰とでも器用に、上手くやっていける人」って
身の回りに少なからず居ると思う。

私は寧ろ真逆のタイプで

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優しい温度の水が飲めない

玄関のドアを開けると昨日の暴風雨で飛んできたらしい汚れた下着が落ちていた。

私の左手はそれを拾う気などさらさらなく、入れたはずの鍵を探してリュックのポケットのメッシュ生地を手で満遍なく撫でる。けれど2周半をすぎてもヒンヤリと固い感触にぶつかることはなかった。

どうやら"通帳を絶対忘れないぞ"、と思って鍵と一緒くたに置き、その両方を置いてきたらしい。

「やっぱ鍵と一緒にしてて正解」

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すいちゃん

ミスiD2020。たまたま見つけたすいちゃんを、フォローした。

すいちゃんは、キラキラしている。
キラキラしていて、Twitterにあげる自撮りも動画も歌も、可愛い。
すごく可愛い。

すいちゃんがミスiDを知ったのは高2らしい。
私はその頃高1だった。

すいちゃんは高3、大1でミスiDを受けたらしい。
私は高2でミスiDを知り、高3で受けた。(確か)

私は書類に通らなかった。今思えば、顔も

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Lookism

世の中には、ルックスによって人生の難易度が決まる制度がある。

私は、ハードモードに生まれてしまった。

可愛い女の子たちが、好きで好きで、可愛くなりたくてたまらなくて、なれなくて。
嫉妬、羨望、憧憬、殺意、恋心、私はいつも「向ける」側。
一度でいい、一度でいいから「向けられる」側に立ってみたかった。

私は19歳になろうとしている。
私はこのスマホ世代に女子高校生だったにも関わらず、友達に誘われ

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いとうさん

いとうさん。いとうさんも文章を書く方だ。そして、彼女は写真に写る方。

お会いしたのはあにお天湯ちゃんと共催のイベント。
バーのような場所で、いとうさんは写真通りの美しさで微笑んでいた。

「遠藤周作、お好きなんですか」
「沈黙、観ましたか」
なんて話しかけて、なんだか話が弾んだ。私の周りには遠藤周作を読む/観る人なんて居ないのだ。
ちゃんとした、美しい、しっかりしている、素敵なお姉さんが、私と同

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あにお天湯ちゃん

あにお天湯ちゃん。
あにおたゆ、
響きがもう、良いな、と思う。大和言葉みたいな語感。日本語の良さが出ているようなお名前。

ご本人にお会いしたのは、いとうさんと共同のイベントだった。
私はあにおちゃんに会えるとドキドキしていて、今考えたらダサいけれどその時は最善の服装で行ったのだった。大体の勝負服は、後から考えるとダサい。

バーのようなスペースでやっていたイベントだったのだが、最初に起きた出来事

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眠リちゃん

その人が初めて私の網膜に映った時、
「儚い」
その言葉が最初に出てきた。
眠リちゃん。私の2歳上。

彼女は前かがみになって、ファンの人たちに紙とペンを渡す。茶色く染めた長い髪が空気中に漂っていて、綺麗だと思った。
私は髪質が悪くて綺麗に髪を伸ばせない。だからこそ、綺麗に伸ばされた彼女の髪に、私には得られない美しさを感じて、綺麗だとしか形容できなかった。

彼女は高めの柔らかい声で、細々と、でもし

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