小説映画

小説/神霊スペシメン 朝焼けの詩

観るモノ 目覚めし刻 本当の刻が動き出す
群衆の眼差しの先 遥かな空洞
修羅
本当の宇宙は 己に在る
しかし辛い別れではない
この手に残る温もりは真実
あなたが微笑む写真の光
虚から逃れる道しるべ
目を閉じた先 広大な無に包まれても
美しい温もりが心を照らす
突き刺す風の冷たさで 熱を失うこともない
今はただ穏やかな凪と朝を待つ
花冷えの季節 静かな水面
激情
心宿る はじめての朝

小説/神霊スペシメン 第2話

クローンといえども特別な力はない。
見た目は普通の人間だ。20歳の男。身体能力も20歳の成人男性の平均通り。思考力も平均的だろう。いや平均よりは少し知能が高いかもしれない。
そう思いたい。

クローンと言われない限りは、どちらかといえば平凡な男である。少しくらい何かで優位に立ちたい。
でないと割に合わない。クローンというだけで色々な弊害もあるし、うんざりするくらいこき使われている。

普通の人と違

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小説/神霊スペシメン 第1話

序章
人々は堕落した。あらゆる希望は地の底に落ちた。

そして、それらの原因はすべて私にある。

私と私たちの存在は彼らにとって恩恵であるはずだったのに、いつの頃からかすべては狂い出した。
小さなほころびはやがて大きな混沌となり、人々の穏やかな日常を破壊した。
飢餓、病苦、戦争、破綻、混乱、嫉妬、崩壊。起こりえるあらゆる問題の引き金を私が持った。
すべての過ちはいつどこから始まったのだろう。
考え

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小説/Field Flowers フィールドフワラーズ 第1話

また転んだ。
これで3回目の転倒だ。コウエイはマラソンが嫌いだ。
それなのに人一倍負けず嫌いだから、ヘタなフォームでドタドタと慌ただしい走りだ。しかもサイズの合わない靴とブカブカのジャージが邪魔をする。中学生になっても成長が遅いコウエイは、制服を着ていないと小学生に見える。背も他のクラスメイトより頭ひとつくらい低い。
それでもコウエイはいつだって全力疾走だ。

転んでも転んでも誰よりも早く立ち上が

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小説/Field Flowers フィールドフワラーズ 序章

どこからか煙の匂い。

目の前に小さな子が立っている。こちらを見てにこにこしている。
なんだか眩しくて、見ているだけで元気が湧いてきそうなのは、白い服に白い帽子を被っているからだろうか。白い帽子。ファンタジーの世界で出てくるような、魔法使いのとんがり帽子のようだ。
大きなつばに、細長くとがったてっぺん。白い服も魔法使いのマントのようだ。
白い靴、白い肌。そして帽子から見える白い髪。

子どもなのに

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[小説映画]ふれあい緑道

春の緑道を歩く二人。それはとても朗らかで美しい道のり。太陽は柔らかい熱を肌に与え、その刺激が気分を高揚させる。どうしてこの場所にたどり着いたのだろう。いくつもの可能性を経て、なぜ二人はこの道を歩くのだろう。 人生とは不思議なものだ。君と出会ってからの日々があっという間に過ぎていく。幸せに包まれ、穏やかな時の流れがむしろ早く感じる。出会ったのは遠い遠い、今ではもう思い出せないくらいに昔のことなのに、 もっとみる

[小説映画]果肉の色 第1話-1

オンラインで微笑んでいる私こそが、私の実態。
だとしたら、こちら側で画面を見つめる私は何者なんだろう。
Ayamiは人気SNSのタイムラインに流れる、鮮やかなスナップショットを見つめ続ける。
突然のメッセージで目が覚める。4年前のビーチ。連絡の来ないカレシ。極彩色のフルーツ。
恋愛が夢から現実に変わる時、鮮やかな色で心が満たされていく。