岡本健一

みんな必死で生きようとしているのに、その混乱ぶりはどこか滑稽でたまらなく愛おしい…★劇評★【舞台=グレイクリスマス(2018)】

1945年の第2次世界大戦の敗戦から1950年の朝鮮戦争勃発まで。この間に日本人は2回裏切られた。それは米国や連合軍にではない。日本という国にだ。敗戦のその日まで鬼畜米英、一億総玉砕などと叫んで国民を鼓舞していた国の上層部とそれに隷従していた組織や地域の指導層、それに教師たちは、終戦するととたんに、米国に押し付けられた「でもくらしい」を金科玉条のように言い出し、自主的な起草ではないものの世界に例を

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(劇評)王の野心に付き合わされる兵士たちの悲哀

新国立劇場「ヘンリー五世」の劇評です。

2018年5月26日(土)17:30 東京・初台 新国立劇場中劇場

15世紀前半、25歳でイギリス国王に即位したヘンリー五世がフランス軍を打ち破り、敵国の王女キャサリンを妃に迎えるまでを描いた歴史劇「ヘンリー五世」(作:ウィリアム・シェイクスピア、翻訳:小田島雄志、演出:鵜山仁)が5月17日〜6月3日に新国立劇場中劇場で上演された。主な俳優陣はタイトルロ

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シリーズ上演で浮かび上がるシェイクスピアの人間くさい王朝絵巻…★劇評★【舞台=ヘンリー五世(2018)】

シェイクスピアは数多くの英国王を描いているが、私たちは「リチャード三世」や「ヘンリー六世」など著名な作品のそれぞれを知っていても、それらを一大王朝絵巻のように一覧することはできない。シェイクスピアが生きていた時代や、その作品が頻繁に上演された時代でも、そのすべてを見た人は数えるほどだろう。しかし今の日本では、それに挑戦する大胆なたくらみが進行中だ。2009年に新国立劇場がシェイクスピアの「ヘンリー

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真田丸ロスまであと2話。幸村と共に闘った「五人衆」のその後は?

真田丸ロスまであと2話。幸村と共に闘った「五人衆」のその後は?

人気大河ドラマ『真田丸』を語る上で欠かせないのが、大坂の陣で奮闘した「大坂城五人衆」と呼ばれる強者たちです。ドラマでは個性的な顔ぶれの俳優たちが演じている彼らは、どんな歴史的背景をもつ人物たちなのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では、川合和史さんが真田信繁以外の4人を取り上げ、豊臣家・徳

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