カナダで在宅ワーク

在宅で、作ったり考えたり自分でアイディアを練って取り組む仕事をしてみたいと思っていた。でも欲を言えば、それを信頼できる誰かと一緒にできればと思っていた。

それはカナダに越してきた現在も変わっていない。
そして私は今、在宅で日本の会社のサポート業務をやらせてもらっている。
ずっと在宅に興味があって、縁あってこの仕事をすることになった。
上にあげた目標に向けての勉強になるかもと思ってやることにした仕

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あっちゃん

歩いて2分のところに同い年の『あっちゃん』は住んでいた。

右隣に五軒、そこから神社に向かって延びる緩やかな坂を上がった三軒目があっちゃんの家。当時には珍しいローマ字書きの黒い表札がかかっていて、玄関にはいつも赤いゼラニウムが咲いていた。

あっちゃんといると遊ぶことに困らなかった。

特に「探偵ごっこ」と呼んだご近所探検が二人のお気に入り。狭い路地裏を通って反対側に出ると別の世界があって、また別

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ありがとうございます!スペインはお好きですか?
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【掌編小説】瞳スイマー

[ 瞳スイマー ]

 のんびりとした夏の夕暮れ。

 うるさかった昼間の蝉時雨もちょっと明日まで一休みである。入れ替わりに町を包みこむのはノスタルジックな太鼓に篠笛。

 ――祭囃子が駅前の喧騒に溶けてゆく。

 いつもと同じ風景も、この日ばかりは華やいでいた。次第にひとであふれてくる天神様への道程を、彼は頬杖をつきながらただ何となく眺めている。

 デニムパンツにゴム底の雪駄履き。波をあしらっ

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おいでよ★ハーレム(1)|「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」

「きぃちゃんはラノベ作家になりたい。」は、ラノベ作家を目指す少女・きぃちゃんと、その友人の日常を描いたゆるゆる物語である!!

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●きぃちゃん:ラノベ作家志望のJK2。アホな子。

●桃ちゃん:いい子。

●青ちゃん:不思議ちゃん。

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新章開幕ー!!

放課後、高校の教室で……。

き ハーレム、ハーレム~♪ツンデレ、妹、ドジっ子まだかな~♪あっ!正統派ヒロインだ

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会いたいけれど会えない友達の話

「で。もこちゃんはどうなん、最近。」

お洒落なパスタ屋さんで注文を取り終わった後だった。
彼女が怪訝そうに口を開いた。私はその瞬間どきりとしたけれど、会うのは約2年ぶりだし、ちゃんと今の私のことを伝えなければと思った。大学を卒業してからのこと、就活はせずにフリーターでいること、今やりたいことがあること。数少ない面白みにかける話をした後で、頼んだパスタが来た。彼女は私の話を聞きながら、特に微笑むこ

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【ハンバーガーの片割れ】

どうしたらSNSでフォロワーが増えますか。

 そう訊ねてくる子が本当に多くて、困るというよりもどこか微笑ましい。インスタをはじめた当初は同じように考えていたこともあったし、投稿した画像への反応が薄かったりすると、何がダメだったのか、とまくらを絞め殺しながら考えたものだ。

 最初は単純に、好きなものを好きなように投稿して、反応が返ってくるのが楽しかった。ただそれだけだったのに、いまではどうしたら

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シンギュラリティ:機械(わたし)は最愛のあなたの夢を見るか?

内容紹介

技術的特異点(シンギュラリティ)の世界は、悲劇で始まった。
人類の「進化」を掲げる狂信者たちのテロで、それまでの人類の社会は壊滅してしまう。ネットの中で生き残った知性体たちは、新しい世界の支配を巡って二つの派閥に分かれた。従来の人類の生き残りを「資料」として支配する、《集合体》。それに反旗を翻し、人々の解放を目指す《連合》。彼らは変幻自在のナノマシン兵器を繰り出し、相争う。

世界の激

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ありがとうございます! もっとスキだらけになりたいです!
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幸せだったんだな

7月1日
親友の家で目覚めた朝。

お昼からの勤務である彼女と一緒にゆっくり起き、朝食とコーヒーをご馳走になる。
誰かと一緒に食べる、久しぶりの朝ごはん。自分がいかに幸せ者か、改めて感じた。

しばらくまったりした後身支度を整え、彼女は職場へ、私は自宅へと足を向ける。実に48時間ぶりの帰宅だ。まぁまったく景色は変わってないんだけど。
しばらくのんびりした後、夜は渋谷へ向かった。

待ち合わせていた

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幼馴染が髪の毛を切って、私が泣いた

タイトルだけ読むと恐ろしく狂気の沙汰、情緒どうしたんだと心配になるレベルであるのだがまあ見捨てないで聞いていただきたい、昨日、大切な幼馴染の結婚式があった、結論から言うと、お色直しのタイミングで出てきた彼女は髪の毛をバッサリ切っていて、私はその日一番の号泣を見せたのだった。

私は基本的に、涙腺がぶっ壊れている。

 実はこれは、「主成分はカフェオレ」よりもずっと古くから存在する、ちよろすをちよろ

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『幼馴染』(超短編小説)

「ずっとずっと紗英ちゃんと友達だからねっ!」
「うんっ、ずーっと、ずーーーーーっと、由佳里ちゃんと友達だよ」

   私は「ずっと」の部分に精一杯の力を込めて言った。幼なじみの由佳里ちゃんが遠いところに転校する。引越のトラックから手を振る由佳里ちゃんは泣いていた。いつも強くて逞しくて、男子にも負けなくて、私のことを守ってくれていたあの由佳里ちゃんが目に涙を浮かべていた。一緒に手を振るかのように、道

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